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ジャズ喫茶のオヤジは「フューチャージャズ」に戸惑う

Nils Petter Molvær"Khmer"(ECM-1997)

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連日猛暑で炎天下に出てはカラー・タイマー鳴り放しです。三分と外にいられやしない。部屋の中も暑いのでどこに非難したらよいのやら。そんな時に北欧ジャズのECMサウンドです。熱くてクールな。こじつけですけど。

ニルス・ペッター・モルヴェルはノルウェーの"フューチャージャズ"の申し子です。"フューチャージャズ"って何?自分も今回始めて知りました。売らんが為のニュー・ラベルなんだと思います。私が名付けるなら「エレトリックス・マイルスのファンキーさが無くなった北欧ジャズ」ですかね。長いので"フューチャージャズ"にします。クラブシーンで流れるようなジャズのようです。

そんなニルス・ペッター・モルヴェルのデビュー・ソロ・アルバム。ソロ・アルバムとなっていますがコンピューター・サウンドのようでいろいろな音付けがされています。その中、ミュート・トランペットが浮遊するトリップ・サウンドを奏でます。テクノ・サウンドの延長のようです。

要はフュージョンの北欧版のようです。北欧は様々なジャズ・ミュージシャンが行き着く果てなのでしょうか?そこで出会うのが北欧神話的なクラシックな伝統音楽があるのだと思います。ヘビメタが現代のオペラの継承であるように。それが北の果てで傷ついたジャズと出会ったとき、新たに呼び覚まされ立ち上がる亡霊は、装いはヒップホップなスタイルをしていたのだと思います。とんだ怪談話でした。

(ジャズ再入門vol.72)



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