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4月下旬の水星と水星探査機みお

西の空の水星

水星は、内惑星(ないわくせい)といって、太陽系の惑星でも地球より内側を回る軌道を取っているので、日の出前か日の入り直後しか見ることができません。そんな水星が4月の下旬から5月の上旬にかけて、夕方、西の空で見やすくなってきます。
4月29日が東方最大離角といって、地球から見て太陽と水星が最も離れて見えるとき。といっても高度は、10~13度程度です。ぐーに握ったこぶしを突き出し、腕を伸ばすとそれが約10度。水平線が開けた西北西の空で探してみてください。

2022年4月29日 19時20分頃の東京の西の星空

水星探査機

その水星で楽しみなのが、水星探査機です。日本のJAXAと、ヨーロッパのESAがそれぞれ分担して開発した探査機でベピ・コロンボと呼ばれています。日本が開発をした水星磁気圏探査衛星(MMO)は、「みお」という愛称がついています。

この探査機、とっても長い旅をしているんです。
2018年10月にフランス領ギアナから打ち上げられましたが、水星周回軌道に投入されるのは2025年12月の予定。7年の旅路に、合計9回の惑星スイングバイを行います。これは、水星が太陽に近いためで、直接行こうとすると太陽の重力に引っ張られてしまい、多くの燃料を使ってしまうので探査機が巨大になり打ち上げられなくなってしまいます。そこで惑星スイングバイで減速をしながら向かってます。
昨年2021年10月に、日本の探査機として初めて水星スイングバイを行いましたが、今年の6月23日にも2度目の水星スイングバイが予定されています。目視しやすい時期も、そうでない時期も水星に注目いただければと思います。

もう一つの特徴が、熱さに強い探査機という点です。
水星は地球よりも太陽に近い惑星ですので、その周回軌道でも非常に強い太陽光を浴びることになります。昼には約430℃に達する水星表面からの熱放射も加わります。

長い旅路も、熱さも、耐え忍ぶという感じを受けてしまう探査機、本格稼働が楽しみです。

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