森見登美彦さんの「シャーロック・ホームズの凱旋」を読了です。どこにいるのかわからなくなるようなこの構図は「熱帯」が思い起こされる。今回は月がよく出てきますが、このお話の中ではどんな星空が広がっていたのか見てみようと思います。 あまり詳しくなくて年代がわかりません。が調べてみると1894年に探偵活動再開とあり、メアリの不幸も頃の頃と書かれいているのをみましたので、この時期と想定していました。月が関わっていますので満月の日付。すると冬の星空が南の空の真正面に、冬の一等星シリ
伊与原新さんの宙わたる教室を読みました。宙がでてくる話ではありますが,地球の星空はでてこない感じです。地球の空が青い理由,夕焼けが赤い理由が話され,火星の夕焼けを再現する実験などもみられます。 お話の中で登場するのはオポチュニティなんですが,トップの写真は探査車スピリットの撮影した夕焼けです。(CREDIT:NASA/JPL/Texas A&M/Cornell) 様々な背景が語られながら科学部の実験を通してまとまっていくお話,オポチュニティの轍はこんなイメージでしょう
凪良ゆうさんの2023年本屋大賞を受賞された「汝、星のごとく」を読了です。宵の明星、ゆうづつが時折でてくるお話です。物語の中では15年の月日が経っています。 いつ頃のお話なのでしょうか。オンライン会議ができる年代ではあります。また出版された2022年8月には宵の明星はみられないようです。 調べてみますと、宵の明星と明けの明星が約8年の間にそれぞれ5回ずつ観測できるとのこと。このお話のなかではある夏に見た後、15年後にもまた見ています。16年であれば定期的に起きていそうで
角田光代さんの「タラント」には時々星空が出てきます。 1つ目は主人公みのりさんが大学生の1999年8月2日奥多摩での合宿での夜空。「埃みたい」と表現される星空がトップの画像です。この日は月の出が21:49ですから、キャンプで寝るであろう21時頃、南のさそり座の方向の天の川のが綺麗に見えて、星がたくさんあったから、埃と表現したのではなかろうかと想像します。 2002年のネパールの星空もでてくる。2月の終わりというので、満月の27日の23時頃かと想像をしてみました。南の空低
久しぶりに書くことができました。大山淳子さんのあずかりやさんシリーズから。1日100円でなんでもあずかってくれる「あずかりやさん」が舞台のお話。ものや動物の目線から物語が展開されていきましたが,副題の満天はどこにでてくるのかな。 表紙には点字で「あずかりやさん」とかかれているのですが,この点が星を表しているのでしょうか。点字だと「⠁⠐⠹⠡⠓⠌⠱⠴」こうなります。 では星空から探してみましょう。「あ」は1つ星ですから,明るい惑星や一等星を当てはめてあげられそうです。続い
有川ひろさんの「みとりねこ」のなかに「猫の島」というお話が収録されています。沖縄に住むカメラマンの息子とお父さんとお母さんのお話です。 お風呂前に屋外の座椅子に寝転がり、星を見上げる少年。うらやましいです。 時期を読み取ることができませんでしたが、日本のほぼ最南端ということで、日本でみる授業で習うようなお馴染みの天体の南の方に、1月の0時頃であれば南の空低くにカノープスが、4月の0時頃であれば同じく南の空低くに、南十字星が見えるだろうなと思い、取り上げさせていただきまし
ペルセウス座流星群の極大に合わせてではないですが、伊与原新さんのオオルリ流星群を読了。ここには1972年のジャコビニ流星群が書かれています。 現在では10月8日~10月10日前後に現れる、10月りゅう座流星群と呼ばれており、母天体(流星のもととなる塵を残した彗星)はジャコビニ・ツィナー彗星です。本の中にも紹介されているように、1933年にヨーロッパで、1946年にはアメリカで、流星雨として観測されました。1972年には日本での流星雨が期待されていましたが、見ることはでき
7月の14日3:38の月は、今年一番大きく見える満月です。スーパームーンと呼ばれ、ここ数年普通にニュースになるようになりました。月の軌道が楕円の形をしているので、地球と月の距離が変わっているので、満月になる位置により見かけの大きさも変わって見えるのです。 地球と月が、一番近い時はおよそ35万6千キロメートル、離れている時はおよそ40万7千キロメートルとのことです。大きさで約1割、明るさでは3割も違うとのことでです。 上を見上げれば夏の大三角や秋の四辺形も見えています。
先日角田光代さんのトークショーを視聴させていただき、紹介されていたので読んでみようと角田光代さん訳の源氏物語を手を出しております。その中の「薄雲」の章で と書かれているのがとても気になりました。上巻の最後の藤原克己先生の「解題」によると、紫式部は、だいたい西暦970年代に生まれ、1001年以降に源氏物語を書き始めたと書かれています。 このころのいつもの異なる天文現象は何があるのでしょうか。まったく外しているかもしれないけれど、ハレー彗星ではないだろうかと推測を立ててみま
2022年6月20日頃から26日頃は、明け方東の空に、月と7つの惑星が見えています。天王星と海王星は肉眼では見えないので、実際には5つの惑星になります。 月は19日頃に土星付近、22日頃に木星付近、23日に火星付近、26日には金星付近に見られます。 また水星は、16日に西方最大離角といって、太陽からの見かけの距離が大きくなります。日の出30分前位に、高度が高くなり、見つけやすくなっています。 6月は、ほとんど活動が見られない流星群ではありますが、6月うしかい座流星
万城目学さんの御本です。普通では思いつかない設定と細かな描写が素敵なお話です。 お話に古代メソポタミアがでてきますが、古代メソポタミアで発祥した星座は古代ギリシアにわたり、プトレマイオスが48星座を定めたとされていますから、星空との結びつきもあるような…。でも地学でいうと天文よりも鉱物(化石)とつながるお話です。 章のタイトルからすると2023年の12月中旬ころ、イラクの星空を見上げてみましょう。 秋の星座が見えています。神話でいうと古代エチオピア王家の物語ですが
ほしおさなえさんの活版印刷三日月堂にはプラネタリウムと活版の星座早見盤のお話がでてきます。星座絵が凹になっていて不思議な見え味です。ご本の中で星空館が開館したのが1971年。この年どんなことがあったでしょうか。 前年のアポロ13号の失敗から立て直し、2月に14号、7月に15号と月の観測を成功させています。 3月5日昼間の8時58分に、中部・関東地方で大火球が出現しました。-10等以上だったという記載もみられます。 9月28日には、日本の初めての科学衛星「しんせい」が
5月6日7日の明け方に、みずがめ座η(エータ)流星群の活動が極大を迎え、流れ星が見つけやすくなります。流れ星が飛び出してくるように見える天球上の点を放射点と呼びますが、今回の流星群はみずがめ座に放射点があり、夜空に昇ってくるのは1時過ぎになります。また活動が最も活発になる極大時刻は6日の17時頃とされており、日本からは星座が見えない時間帯ですので、前後の6日7日明け方が観測しやすくなります。 流星の多くは、彗星が地球の軌道を横切ったときに残していく塵などが、地球の大気圏
ほしおさなえさんの活版印刷三日月堂は、自分の好きなものがたくさん盛り込まれて好きな作品です。その中で取り上げたいと思うのは、盛岡の北上川の夜のシーン。 読み込み不足か年数がわかりません、2011年の震災以降に活字を組みなおしているので、出版年の2017年としておくのがよいでしょうか。夏休みが終わったあとのお話なので、おそらく秋です。時間は23時を過ぎていたと書かれています。ということで勝手な推測で。 秋の四辺形が南中を少し過ぎたころでしょうか。南西の空に月齢11の月も見え
いつの間にか5月になっています。明け方の惑星集合は今月も続き、1日(本日)には木星と金星が接近して見えている現象がありました。 今月前半は日没直後の西の空低いところに水星が1等星位で見えやすい状況が続いています。 5月6日には、17時頃、みずがめ座η流星群が極大となります。こちらについてはまた別途書ければなぁと思います。1時間に5個程度流れ星が見られるともいわれています。 5月25日頃の明け方には、月と火星が接近して見え、30日には木星と火星が接近して見えています。昨年
山本幸久さんのご本は、幸せに終わるお話が多く好きなのですが、「幸福ロケット」には葛飾区郷土と天文の博物館のプラネタリウムや金曜夜の星空散歩がでてきて、天文部もあり、天文ネタがいっぱいです。こちらの星空案内は、本職の葛飾区郷土と天文の博物館にお任せし、山本幸久さんのご本で好きなお話から星空案内を1つ。 「凸凹デイズ」はデザイン事務所のお話。2005年に発行されています。登場人物は最近の山本さんの作品にも出てくるので、愛着があります。幸福ロケットの山田さんにも関係してきますね。