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コ・コクリ!プロジェクト西会津

コクリ!プロジェクトは、コ・クリエーション(共創)プロセスを使って、地域や社会に大転換を起こそうとする研究コミュニティです。予想だにしない未来を今ここから創り、100年後に「歴史が変わった」と言われるような社会実験を次々に立ち上げて、長期的・全体的に地域・社会システム変容を起こそうとしているのです。
          (「コクリ!プロジェクト」ホームページより引用)

 秋の紅葉の美しい季節の中、西会津において11月3日〜5日までの3日間「コ・コクリ!プロジェクト西会津」が開催されました。
岡山県西粟倉村、島根県海士町、愛媛県、岐阜県、首都圏、そして西会津から、地域の第一線で活躍している参加者が集まり、自分を掘り下げ、根っこでつながる経験をしました。
自分のターニングポイントを迎えたという感覚があります。
これまでにない経験で、現時点で100%言葉にはできません。100年後を見据えたプロジェクトなので当然ですが。
なので、現時点をひと区切りとして、言葉として書いておこうかと。

西会津で「コクリ!プロジェクト」が開催されたということ、自分がコアメンバーとして関わらせていただいたということは、地域にとっても自分にとっても非常に大きなことだと思います。

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1.「コクリ!プロジェクト」とは?

コ・クリエーション(共創)プロセスを使って、 地域や社会に大転換を起こそうとする社会変革プロジェクト。
創始者はじゃらんリサーチセンター研究員の三田愛さん
予想だにしない未来を今ここから創り、 100年後に「歴史が変わった」と言われるような社会実験を次々に立ち上げて、 長期的・全体的に地域・社会システム変容を起こそうとしている取り組みです。
これまで、岡山県西粟倉村、島根県海士町、宮崎県新富町など、地方創生の最先端をいく地域で開催されています。
コクリ!メンバーには、首長、大学教授、起業家、官僚、経営者、芸術家、農家など多様な人材がおり、どの方も第一線で活躍する超一流人材ばかりで驚きます。

コクリ!プロジェクトからは、安宅和人さんの『シン・ニホン』の風の谷構想、太刀川英輔さんの『進化思考』が生まれ、塩尻市の山田崇さんが「MICHIKARA」を生み出しています。

◆コクリ!プロジェクトについて言及されている本のページ
・『シン・ニホン』安宅和人 P388
・『進化思考』太刀川英輔 P483
・『日本一おかしな公務員』山田崇 P196

◆参考URL
コクリ!プロジェクト http://cocre.jalan.net/cocre/

コクリ!桃色絵巻 https://cocree.org/emaki/

2.これまでの学びや経験の「合流」

今回のコクリ!では、これまでの学びや経験を活かすことができ、自分のこれまでの取り組みの流れが一か所に「合流」したという感覚があります。
これまでの人生の1つのターニングポイントだと思います。

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・私は太刀川英輔さんの進化思考を教える「進化の学校」の1・2期生ですが、今回のコクリ!のコンセプト「コクリ!が西会津で開催される意義」を進化思考を用いて書いてみました。結果、そのコンセプトがフィールドワークをはじめ、全体的に生きることに。
過去のコクリ!がきっかけで生まれた進化思考を用いて、私が今回のコクリ!のコンセプトを書く」という形になりました。

・自分で「とりあえずやってみる」ことから始めて、仕事にもなった「ドローン」や「音」も役立ちました。ドローンは今回のフィールドワークや集合写真の撮影で、音はワークショップで使っていただきました。ドローンも音も進化の学校がきっかけで取り組み始めたので、これも1つの還元だと思います。

・町の歴史が面白いと感じ、「西会津町史6巻(上)民俗編」や「広報にしあいづ」の昭和30年代以降を読んだりして西会津の歴史を学んでいましたが、今回のフィールドワークや野沢町内の町歩きで非常に役立ちました。皆さんに説明もできたし、土地の歴史に触れる良い触媒になったと思います。また、コクリ!のコンセプトは「進化思考」の「系統」や「生態」を用いて書きましたが、町史を土台にしました。

・昨年、大山祇神社の旧修験道で鳥居づくりをした現場に、今回のフィールドワークで皆さんをご案内しました。この鳥居はその土地から採れた木材を使い、町民の有志みんなで「共創」したわけですが、自分たちが作ったこの「土地の象徴」とも言えるものを皆さんに紹介できました。

・自分の原体験である内閣府国際交流事業で培った事業を運営する経験、文化や価値観を超えて共創する経験、地球レベルで考える経験が今回大いに役立ちました。また、偶然にも、同じ国際交流の出身者が、今回のコクリ!に参加者としていらっしゃっていて、初対面なのに思わず抱擁しました(笑) これも合流

・西会津町出身であることや、役場の職員として経験した仕事も今回「合流」しました。今回のコクリ!ではロジ周りを主に担当していましたが、宿泊場所や食事の手配、移動や訪問先との調整、案内、フィールドワークのコンテンツの内容の調整など、仕事でふだんから経験していることや、仕事で知り合いになった事業者さんや地元の方との縁を活かすことができました。

・今回のコクリ!は昨年に西会津で開催された町歩き演劇「銀河鉄道の夜」と同じメタファーの使い方を感じました。
「銀河鉄道の夜」では普通の野沢町内をメタファーを使って、そこにあるものや場所、土地の歴史に意味づけをしていて、普段歩いている場所と同じなのに違う次元を歩いている感覚でした。コクリ!でも、芸術村、楢山、ロータスイン、野沢街中、大山祇神社、安座と、いつもと同じ場所だけど、異次元を歩いている感覚で、行く場所、起きること1つ1つにメタファーを感じました
これも演劇「銀河鉄道の夜」を考察していたからです。これも合流です。

参考:西会津で上演された演劇「銀河鉄道の夜」

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3.気づいたこと

今回のコクリ!を通して、「自分がこれまでやってきたことや、心に残ったことは、原体験を別の形で表現することだった」と気が付きました。自分の中にある軸を「A」とするならば、それを「A’」にしたり、「A”」にして表現していました。

言い換え


例えば、自分の原体験の1つは、中学時代の文化祭(光桐祭)ですが、それまで4つあった学校が統合し、1つになった中学校で初めてのの文化祭で、生徒が1つになった象徴として劇的な感動がありました。

それを高校時代にイベント運営のスタッフをしたり、大学時代にも内閣府国際交流事業に参加したり、国際会議のスタッフをしたり、西会津町若者まちづくりプロジェクトで活動するなど、中学校の文化祭と同じ喜びを求めてきました。

別の原体験は、私は西会津町の集落で生まれ、子どもの頃に集落中をかけまわって同じ集落の子供たちと鬼ごっこをしていたことです。それを、2019年に小綱木集落を借り切って実施した「DEEP集落鬼ごっこ。」という形で表現していました。


これらから、軸となる自分の「原体験」を掘り下げ、「進化」させることで、自分が実現したいことが見えてくるのかなと思いました。
これも進化思考なのかなぁ。

4.この9ヶ月間で変わったこと

コクリ!は準備中でも、自分を掘り下げ、等身大の自分と向き合い、誰かと根っこでつながるということが起こります。
そのためか分かりませんが、これまでにないくらい短期間で多くの変化がありました。

■準備期間の9ヶ月間の中で起こったこと・変わったこと

・コクリ!に関わるのと前後して、この1年不思議なほど「悪縁が切れて、良縁が生まれる」という経験をした

・悪縁については、自分から切ったものもあれば、相手から切られたものもあった

・悪縁が切れた以上に、新たな出会いや協業者が多く現れた

・進化思考のインストール

・進化思考関係のコミュニティに入り、全国の面白い公務員、企業人との出会いと共創

・西会津町の「協働のまちづくり推進委員会」に加入し、野沢駅魅力化プロジェクトを始める

・「音」事業を上司に自分から提案し、採用していただく。テレビ局4社、地元新聞社1社から取材を受ける

・ドローンを購入し、西会津の新たな視点の風景の発掘。仕事にもつながる

・山形市役所から井上副市長はじめ15名の視察のコーディネート

・地域に入って行ったり、地域の文化、歴史を積極的に学ぶようになった

・「西会津町史」を読み始め、西会津の民俗を学び始めた

・職員研修で経営学のフレームワークを取り入れた政策形成を学び始めた

西会津辺境塾が始動。事務局長になる。西会津の地域の力を学び始める

・苦手な人に自分から絡んでいき、懐に入り、苦手を克服するということが数件あった

5.コ・コクリ!の構造

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コ・コクリ!西会津は、その地域で紡がれてきた土地の歴史(過去)や、こうありたいと願う美しい意図(未来)から力を借りながら、新しい未来へのビジョンを作り出していくプロセスなのではないだろうかと思いました。
過去と未来の「境界」。それを「コ・コクリ!西会津」が担っていたのではないかという感覚があります。
私のこれまでの経験が今回「合流」したのもの偶然ではないのかなと思いました。

6.現時点のまとめ

今回の「コ・コクリ!西会津」で、西会津にとっても、自分にとっても重要な経験をしたことは分かっていますが、言葉に出来ずに困っていました。
言葉にしてしまうと、あの体験をうまく表現できません。
コクリ!が終わり、色々な人と対話する中で、下記のビジョンが出てきました。

・コクリ!はそもそも言葉にできないことを行っているから、言葉にできなくて当然

・これまでの歴史で人類は、色々な事象を言葉にして後世に伝えてきた。しかし、心で残していくということはあまりしてこなかった

・西会津に修験道があったり、大山参道があるのは、人が生きることを願い、神や仏や自然に対して祈りを重ねてきたから。それは、人が「願う」という文化の中で行ってきたこと

・それは「人の思い」である

・コクリ!では、その地域で紡がれてきた土地の歴史(過去)や、こうありたいと願う美しい意図(未来)から力を借りながら、「人の思い」につながることで、新しい未来へのビジョンを作り出していくプロセスなのではないだろうか


コアメンバーの皆さんと走り抜けた9ヶ月の日々、そして、参加者の皆さんと作り出した3日間は西会津にとっても大転換のきっかけになると思います。
本当にありがとうございました!

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※参考 準備期間

       2月4日 コ・コクリ!プロジェクト西会津のコアメンバーになる
     2月15日 コ・コクリ!プロジェクトのコアコアメンバーになる
         3月~8月 オンラインミーティング(11回)
 4月28~29日    
コアコアメンバーの現地確認
           9月23日 
オンラインコクリ!
10月15~18日
 西会津での現地リハーサル(夜に狐に会う)
         10月22日 
最終ミーティング
    1月3~5日 当日

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