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『水晶庭園の少年たち 喪に服す電気石』発売とコロナ禍の新刊

5/20に『水晶庭園の少年たち』シリーズ4巻が発売された。
3月に『稲荷書店きつね堂』2巻が発売し、4月に『地底アパート』特装版と新シリーズ『咎人の刻印』と『ビブリオコレクト』3巻が発売して、コロナ禍真っ只中に発売した作品で打線が組めそうな勢いだ。
予定通りいけば、6月には『水上博物館アケローンの夜』文庫版が発売するし、7月にも8月にも新刊が出る。
これらは全て、コロナ前に決まっていた予定だ。

6月以降はどうなるか分からないが、4,5月は本当にひどいものだと思う。
実際の売り上げを見たわけではないが、目に留まる範囲だけでも、状況は一目瞭然。特に、緊急事態宣言後は、大都市の書店さんがほぼ休業せざるを得なかったのが痛い。
書店は休業対象ではないのになぜ、と思われる方が多いかもしれないが、大都市の書店さんの大半は商業施設の中に入っており、その商業施設が休業対象なのだ。
そのせいで、比較的蒼月作品を扱って下さっているお店も休業を余儀なくされ、新刊の多くが市中在庫となる事態に陥ったのである。
地方の書店さんや大都市の一部の書店さんが、ウイルスと戦いながらも営業して下さっていたが(本当に有り難う御座います)、馴染みの書店さんが閉まっていた人も多かっただろうし(蒼月もその一人)、そもそも外出自体をきっちりと自粛して書店さんに赴かなかった人もいる(お身体を大事に)。

「4月は新生活が始まるし、5月はGWがあるから、色んな人に見て貰う機会があると思ったのになー。あー、虚無虚無」と虚しい気持ちでいっぱいだが、起きてしまったことは仕方がない。私が虚無感と無力感に打ちひしがれていても、作品は生まれないし、売り上げは立たない。
我々の祖先は、地球に隕石が衝突して恐竜達がバタバタと死んでいくところを何とか生き延びた存在なので、ここは歯を食いしばって生き残るしかない。そもそも、哺乳類の発生はウイルス由来なのだ。世界が元通りになったらとか、コロナに負けるなとか言ってる場合ではなく、今の状況にどう適応していくかが問題ではないだろうか。

世界は元通りにならない。覆水は盆に返らないし、恐竜は生き返らない。
だから、今は空っぽになった盆に、新しい水を注ぐか、いっそのこと盆栽でも始めてしまうかを考えながら、前に進もうと思う。


と、5/20に記事を書いて下書きにしていた矢先、水晶庭園の新刊発売に合わせて、トガビトも一緒に置いて下さっている書店さんの画像がTwitterに流れて来て、目頭が熱くなってしまった……。
休業明けで棚がいつもよりキツイというのに、延長戦の機会を下さっている書店さま、有り難う御座います。
勿論、休業せずに、きっちり4月刊として戦わせて下さった書店さまも有り難う御座います。
そんな中、お手に取って下さったお客さま(読者さま)も有り難う御座います。
ともに、この時代に適応しながら、次の時代へと生き残って行きましょう。

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