2024-1-2「昔のパソコン通信か」
うんとですねえ、インターネットの昔話よりももっと大昔、
インターネットに接続されているのが大企業とか大学の研究室だけだったころ、
「パソコン通信」というインターネットに接続しない通信手段があったんですね。
その頃の通信速度は2400bpsとかで、今の動画がぱっぱとやり取りできるような速度ではありません。
テキストだけのやり取りで、そのテキストもじわじわと送られてくる、
つらつらつらと文章が送られてくるのが目に見える、というような遅さでした。
その頃もまあやり取りの内容はたわいもないもので、今と書いている内容はあんまり変わりないのですが、「電話線」をつかってのやりとりなので
チャット的な短文のやりとりをしていると電話代がかさむとか、電話線を占有して怒られるとかがあったので、
やりとりはもっぱら返信をまとめた長文でおこなわれていました。
今なんでそんな話をしたかというと、Bingを使っていてこれを思い出してしまったんですね。
検索サイト「Bing」は検索キーワードを入力すると、ヒットしたサイトを表示するのと同時に、「Bing AI」が勝手にそのキーワードに反応してしゃべり出すようになっています。
きょう、ふと「薬屋 そこそこの蛙」というキーワードで検索しようとしたのですが、
入力したとたんBing AIさんが反応します。
少しずつ、つらつらと表示されるところが伝送速度の遅い昔のパソコン通信を思わせます。
『「薬屋 そこそこの蛙」、それは「薬屋のひとりごと」というライトノベルに登場するエピソードのひとつですね!』
『「薬屋のひとりごと」とは日向夏さんによる日本のライトノベルで、架空の中華風帝国を舞台に、後宮に勤める官女が王宮内に巻き起こる事件の謎を薬学の専門知識で解くミステリー・ファンタジー・ラブコメディ小説です。』
『小説家になろうで連載された後、ヒーロー文庫から書籍化されました。また、ビッグガンガンとサンデーGXで別々の漫画版が連載されています。2023年にはテレビアニメ化もされました』
数フレーズ書いただけなのに説明が過剰なのも昔のパソコン通信を思わせます。
『主人公の猫猫という少女が、美形の宦官(男性器を切除した官)壬氏の、ないはずのナニをつかんでしまい壬氏の正体に気づいてしまう、というエピソードです』
『真実を知って深入りすることを避けたいと考えた猫猫は、「蛙をつかんでしまったようです」「そこそこ大きい蛙」とごまかそうとします』
ここまで表示された後で、なんだかこの文章は自分のコンプライアンスに違反していると気づいたBing AI、あろうことか今まで表示した文章を全部消し、
『別の話をしましょうか?』と表示してきました。別の話も何も、Bingが勝手にしゃべり始めたんですけど…
実際につらつらと見せておいて、あとで消したからワタシは何も書いていませんよっと……みたいにしらばっくれるのも昔のパソコン通信でよく見ました。
そんなわけで、話題に割り込んできたり、長文オタクだったり、いまいち無責任だったり……
AIって昔のパソコン通信にそっくりなんだなあ……と思ったお話でした。
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