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豊かさ=幸せではないけど、それを近づけていくために必要な「選択」の話。


はたらき方も生活も、貧しいよりは豊かな方がいいですよね。それでは豊かとはどういうことでしょうか。僕なりに考えてみました。


豊かになるとは
「選択肢が増えていくこと」


僕は豊かになるとは選択肢が増えていくことだと解釈しています。

最も分かりやすいのは 金銭的な豊かさでしょうか。お金があればいろいろなものが買えたり、サービスを利用できるようになりますよね。お金が増えていくと、選択肢も増えていきます。

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また、技術・経験の豊かさは働く上での選択肢を広げてくれます。より条件の良い会社、より楽しい仕事、より魅力的な仲間、より自分自身に合った働き方など、(能力・経験が市場のニーズと合致してさえいれば)自身の成長によって得られやすくなるはずです。「豊かな才能」というのもここに含まれますね。

そして、精神的な豊かさは多くの物事に触れる中でいろいろなものや考え方の良さが分かるようになったり、自分自身の中で「これもありだな」と思えるものが増えていくことで、自分の人生により多くの喜びをもたらしてくれることになるでしょう。

どう転んでも「これもありだな」と楽しめる人は不幸になりづらく、豊かな人生を送りやすいと言えるのではないでしょうか。

ということで、「豊かになる」=「選択肢が増えていく」と定義してもおかしくはなさそうです。


「豊か」 = 「幸せ」 か?


それじゃあ「豊か」=「幸せ」かというと、どうやらそうでもない気がします。お金があっても当人は幸せだと感じられていなかったり、スキルフルで本当は外の世界に出ればもっと市場価値が高い人なのに好きでもない職場で我慢しながら働いていたり。

さらに分かりやすい例で言うと、モテモテ(選択肢豊富)だったけど幸せな結婚生活とは言いづらいというケースもあるでしょう。

なぜかというと、選択肢が多いこと(豊かさ)と、いい選択ができること(幸せにおける重要な要素)は別だからです。ここがなんとも難しいところですね。

もちろん選択肢が多い方が、より良い選択肢が含まれている可能性が高そうなので良さげではあるのですが、いい選択ができなければ選択肢ばかり増えてもしょうがないわけです。なかには選択肢がそれほど多くなくても、自分にマッチしたお相手や天職に巡り会える人もいるので。


いい選択をするには?


それでは、いい選択をするにはどうすればいいのでしょうか?分解するとおもに5つの要素があるかと思います。図示するとこういう感じです。それらの阻害要因もセットにして整理してみました。

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このnoteはいい感じにはたたらくTipsアドベントカレンダー2019の一環として書きましたので、キャリア選択を事例としながら、1つずつ見ていきましょう。


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選択肢

いい選択ができる可能性を高める上で、選択肢を増やしていくこと自体はムダではありません。先ほど述べたように、選択肢だけ多くてもしょうがないのですが、とはいえあまりに少ない状態だと「自分にとってのいい選択肢」が含まれていない可能性もあるのかなと(キャリア選択であれば、内定がないと選びようがない状態)。なので、特に若いうちは選択肢を広げる努力が必要なのではないでしょうか。自分が「この仕事もあり」「こういう働き方もあり」と思えるように価値観を広げていく(精神的に豊かになる)ことも含めて。

※選択肢を広げられない場合は「配られたカードで闘う」「置かれた場所で咲く」という素敵な考え方もあります。


要素2
選択基準

お次は「選択基準」です。選択肢があればあるほど、それらの中からより良いチョイスをするには選択基準が必要です。例えば就職・転職であれば「やりがい」「給与」「ワークライフバランス」「今後のキャリアの広がり」など、ほかにもさまざまな要素がある中で、何をどれくらいの割合で重視するのか、自分にとっての基準が大切となります。

ここで大事なのは、世間一般の基準や世間体・他人の評判ではなく、あくまでも自分の主観・価値観・感覚・欲を踏まえて考えるということです。食べログ上の評価のみで判断するのではなく、ちゃんと自分の味覚を信じられるといいですよね。

一般的に「選択肢が多いと選べない・むしろマイナス」と言われていますが、そんなことはありません。この基準や選択軸さえハッキリしていれば、選択肢が多いことはそのままプラスとなります。

要素3
判断力

第3の要素は判断力です。選択肢(要素1)が豊富でも、選択基準(要素2)が明確でも、判断を誤っては意味がありません。それでは判断を誤らせるものは何でしょうか?

僕は大きく2つあると思っていて、1つめは「信頼性の低い情報」です(もしくは情報がそもそも不足していること)。断片的な情報しか持たない就活生が社会人になってから「こんなはずじゃなかった」というパターンですね。

2つめは「認知バイアス」です。人は常に正しく物事を認知できるとは限りません。思考の誤りや思い込みが意思決定や選択に影響を与えることがあります。これは誰しも内に抱えているバグのようなものなのですが、バイアスの存在を知っていることは、「自分はバイアスにとらわれていないか」とセルフチェックする上で有効となります。

ここではバイアスについて詳しくは触れませんが、気になる方はこちらをどうぞ。 →「バイアス」の画像検索結果

 

要素4
決断力

第4の要素は「決断力」です。判断力と似ているようですが別物です。判断がどちらかというと「頭・思考」によるものだとしたら、決断は「ハラ・ハート」によるものです。いわゆるハラ決め

人は動物です。動物である以上は未知のものを大なり小なり恐れます。また、すでに語り尽くされていることではありますが、決めることは捨てることだとも言えます。

そのため、「未知のものへの恐れ」「捨てることへの抵抗」は決断を阻害します。もちろん「いま決めなくてもいい」という判断もありますが、意思決定には旬があることも知っておいたほうがいいでしょう。

そして願わくば、その意思決定が「他人に期限を決められたから」という受動的なものではなく、能動的なものであってほしいなと思います。


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その後のスタンス

意思決定はその瞬間だけでは終わりません。自分が決めたことが「正しかった」となるようにしていくプロセスが必要となります。特にキャリアや結婚生活には正解があるわけではないですし、事前に予測しきれるというものでもないので、正解を選ぶというよりは、選んだものを正解にしていく努力が必要になるかと思います。

とはいえ、それに縛られすぎるのも実は危険でバランスが大切です。不退転の覚悟は時として自分を必要以上に苦しめることになります。「意思決定したときの自分は、今の自分とは別の人」という考え方もありますので、自縄自縛により健康を損なうということはくれぐれも回避してほしいなと思います。あとは、過去の自分の選択を正当化したくて意固地になるのも難しいところ。

僕が言うまでもなく、人生は選択の連続です。一度選択しただけでは終わりではないので、たまに足を止めて自分の心の声を聴き、選択のチューニングをすることで、いい感じにはたらいていけるのではないかなと思います。


さいごに、まとめ。


いろいろ書きましたがまとめると、

■豊かになるとは「選択肢が増えていく」ということ。
■豊かさには「金銭的」「技術・経験」「精神的」なものなど、バリエーションがある。
■豊か=幸せとは限らない。選択肢の中から「いい選択」をする必要がある。
■いい選択をするためには1.選択肢、2.選択基準、3.判断力、4.決断力、5.その後のプロセス が大事。

人生はこれまでしてきた選択でできているといいます。一つひとつ いい選択を積み重ねて、いい人生にしていけたらいいなと思います。

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