大田区議北澤潤子氏を偲ぶ

kanda.jun

今月の初めに何人かの方から、大田区区議会議員北澤潤子氏の9月4日の逝去を知らされた。
実は、7月の10日に端正な字で書かれたお手紙を頂いていた。建築基本法制定準備会編の「持続可能社会と地域創生のための建築基本法制定」(A-Forum出版)と拙著「小さな声からはじまる建築思想」(現代書館)を読んでいただいての感想が、猫と花柄の4枚の便せんに認められていた。その後、釜石へ行ったり、母の葬儀があったりして、お返事しようと思ってはいたのが、そのままになってしまったのが、心残りである。「民主主義を学び、きたえていくためには『まちづくり』が大切なのではないか」と感じたという結びに、何か答えてもみたかったのだ。
知り合ったのは、2019年の1月であろうか。大田区長選に立候補することを決めて、同時に行われる区議選のため、政策のすり合わせをした区議の一人である。生活者ネットは、意識の高い女性を中心とした政治集団という印象であった。池上本門寺前や池上駅前での街頭演説を何度かご一緒した。事務所での会にも顔を出して初等教育についての議論をしたこともある。昭和のくらし博物館の活動にも関係されており、文化や生活そのものに政治の役割を意識されていたと思う。
ご自身は乳がんを13年前に患い、不安を抱えておられたと思うが、選挙運動では、「普段より調子が良い」様子を見せられ、当選後もいつも明るい表情で活躍されていた。そして、4年後の区長区議選を意識して、15人の区議たちと勉強会をはじめることとなり、幹事を買って出ていただいた。「神田塾」と名付けられ、コロナ・パンデミックになるまでは定期的に続けられ、その打ち合わせは、いつも蒲田の生活者ネットの事務所であった。今も延期になったままの勉強会のテーマは「プレーパークの活動」であるが、これも結局かなわないままになっている。生活者ネットのルールにより、今期が区議としては最後だったので、残りの期間でやるべきことも見えていたろうから、さすがに無念に思われたことと察する。私への手紙は、その思いの一部を託されたようにも感じる。
4月の20日に、zoomで勉強会の幹事引継ぎ会をやったのが、オンラインではあるけどお会いした最後。そのときは5月28日に勉強会再開と予定していたものの、緊急事態宣言で中止・延期となっている。その頃から、調子悪くなって、区議会への出席も大変という話を人づてに聞いてはいたけれど、まさか、こんなにも早く逝ってしまわれるとは、想像できなかった。
まだまだ大田区のため、これからの子供たちのためにやっていただくことが沢山あるのに、と申し上げるべきではなかろう。気持ちよく暮らせるようになるには、政治がとても大切。そんな政治を実践していた人を失ったのは、残念であるが、いろいろ教えていただいたようにも思う。それを生かしていくことが、わたしたちの役割と思える。
安らかに旅立たれたことと存じます。見守っていてください。お返事の手紙です。合掌。

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