お金が脱走するほうだったら

お金が動物園のお猿のように、または、
動物園の園長のように脱走するほうだったら。

ちなみに、お猿は追いかけて、園長は追いかけないです。
園長はどうせトイレしに帰ってくるので。

《お金が脱走するほうだったら》

まず金庫に冷暖房を完備させますね。
そして金庫にお金をしまう生活スタイルになると思います。
とにかく金庫業が潤うと思うので、政治家が群がると思います。
その政治家の怪しいお金も勿論金庫の中に入り、
『政治家の金庫』という、新作の故事ができると思います。
ちなみにこの新作の故事の意味は『上には上がいる』みたいな意味で、
ここのボケ考えるのに、5分使ったので、もう勘弁して下さい。

あとはそうですね、お金によって逃げる速度違うでしょうね。
紙幣は風を利用して逃げる、亜熱帯の珍しい種スタイルでしょうね。
風に自分を舞わせて、遠くへ逃げ出すでしょう。
硬貨は自分を車輪のようにして、逃げると思います。
一円はそのハイブリットかもしれませんね、軽いし。
「安いのに多彩」と人間から裏で笑われそうですね。

金庫もそうなんですけども、
基本的に『溝無くし』が合言葉になると思います。
『溝無くし』住宅が流行ると思います。
元々そうですか。
でもまあ特に溝無くし住宅になると思います。

だからペットのために開けている窓とか無くなりますね。
というかもはやお金がペットになると思います。

そうなってくると
金庫に片付けることは虐待、と、なるかもしれません。
結果、政治家の金庫という新作の故事はマッハで死語になって。
「ワイルドだろぉ〜」みたいな扱いになって。
最終的に、政治家の金庫がマックス月収を暴露するんでしょうね。

こうなってくると、お金のブリーダーが出現しますね。
お金に躾をするブリーダーが。
お金に躾をするブリーダーって、安全な仕事、かつ、
信頼が求められる仕事なので、人気な職業になるかもしれませんね。
お金のブリーダーやっていると、異性からもモテるみたいな。

そんな時、事件が起きた。

急にお金が脱走しなくなったのだ。

いろんな説が流れた。
お金しか罹らないウィルス。
お金が疲れ切った。
いやそもそもお金が脱走するなんて夢だった。

お金のブリーダーは職を失い、途方に暮れていると、
1人のおじさんが話しかけてきた。

「ワシをブリーダーしてくれぇ」

脱走していた動物園の園長だった。
お金のブリーダーは軽く会釈をして、家路に着いた。

家に帰ると、すぐに寄ってくるはずのお金はもう動かなくなっていた。
あんなに俺のシックスパックの溝を走る硬貨が動かないなんて。
家の中で裸になるのは、もう終わりだ。

俺は裸で家の外へ出た。
そして外を走った。

すると脱走していた動物園の園長が並走してきた。
いい、別にそれで良い、もう俺の人生は終わりなんだから。

そんなことを考えていると、
徐々に、何だか、四つ足で走りたくなってきた。
四つ足で走ると毛が全身から生えてきて、俺は、虎になった。

虎になった俺に
動物園の園長が急にタックルしてきて、俺はその場に倒れた。

「よーし、よしよし、辛かったなぁ、辛かったなぁ」

動物園の園長に優しくされると、俺は何だか涙が溢れた。

「うちの動物園に来るといい」

俺は動物園の園長について行った。

俺は虎になった。
つまり。

ハッピーニューイヤー、今年は寅年です。