練習スペース011 IAIGIRI

IAIGIRI「百人漫才(full)」

出場コメント
【アドバイスを生かしてフルを作りました。】

いや~、母校が文化祭やると聞いたから暇つぶしに行ってみると、意外と楽しいな~。
しかも、目玉イベントに百人漫才っていう珍しい事やるみたいだし。
今から講堂でやるみたいだから、ちょっと覗いてみようかな。

「皆様こんにちは。文化祭盛り上がっていらっしゃいますでしょうか?
 本日『山ノ下中学校』のメインイベントとなる『一致団結』とテーマにした、『百人漫才』をこれから披露しようと思います。」

へえ、一致団結かぁ。良い目標じゃん。

「『百人をまとめて漫才を作るのはとても大変でしたが、そこも踏まえてご覧になれれば嬉しいです。』との事です。
 それでは張り切ってどうぞ!」

おっ、さっそく始まるみたいだぞ。

『ドタタタタ!!!!!!!!!』

百人がステージに立つから、地響きが凄いな。

「はい。どうもー!宜しくお願いしますー!」
       「はい。どうもー!宜しくお願いしますー!」
     「はい。どうもー!宜しくお願いしますー!」
       「はい。どうもー!宜しくお願いしますー!」
「はい。どうもー!宜しくお願いしますー!」
   「はい。どうもー!宜しくお願いしますー!」
「はい。どうもー!宜しくお願いしますー!」

かけ声が見事にバラバラ!!もうちょっと合わせて来て!!後、わざと合わせる気が無い奴もいるだろ!
……大丈夫かな。後先不安なんだけど。

「どうも、イナバ物置ズです!宜しくお願いしますー!!」

「百人乗っても大丈夫!」がキャッチフレーズのイナバ物置から、チーム名取ったの?
いやいや、チーム名に捻りが無さ過ぎでしょ!ストレート過ぎるぞ!

「 ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
 ○○○○○○○○○マイク○○○○○○○○○
 ---------------------」

しかし、ステージ上がかなり密だな。
上から崩れてきたり、ステージから人が落ちそうで危なっかしい。

「どうも、目覚まし時計をセットするけど、必ず止めてしまい二度寝してしまう吉田でーす!」
「どうも、たまにくしゃみが3連発で出てしまう田中でーす!」

いやいや、この自己紹介を100人分やるの!?しかもどこかで聞いたことのあるようなつまんないあるあるネタだし。

「まあ、自己紹介もそこら辺にしときまして……」

あー良かった。吉田と田中の自己紹介は、そういうボケのフリだったんだな。
100人いるから、『えーっ!?100人分やるの!?』って思ってたんだけど、
で、その後『いやいや、たった二人しか紹介しとらんやないか!』ってツッコんで笑いを取るのか。そういうボケ方もあるのか、勉強になるな~。

「あのさ、自分が注目されたいからそうやって出しゃばって、自己紹介を中断させるのよくないよ。」
「ほら、後ろ振り返って他の人達見てよ。自己紹介できなくて、不満そうな顔をしてるよ。ちょっと出しゃばってしまった事を、今すぐこの場で謝ってくれない?」
「ご、ごめん……。」

いや、向こうにとっては予想外のトラブルだったんかい!そういう揉め事、教室でやってくれないかな?
こっちとしては、今の無理やり中断して本題に進める方がスムーズでいいんだけど。

「まあ、気を取り直しまして。いや~、アツはナツいですね~。」
「「「「「「夏は暑いだろ!!!!!!!!!!!!!!!!!」」」」」

ちょっと待って!ツッコミが99人で、ボケが1人!?
どう考えても、ツッコミとボケの人数逆だろ!!!
ボケの人、あんだけ大勢にツッコまれたらトラウマになるだろ……。

「「「「「「もういい加減にしろ!どうもありがとうございました!」」」」」」

えっ!これでネタが終了!?殆ど漫才らしい事できてないよ!
肝心のネタがあんだけで、漫才として成立できてないよ……。

「ちょっと待った!せっかくの百人漫才なのに、全然設定生かしきれてないよ!」

おっ、優等生が名乗り出たぞ。ここで流れが変わるか?

「確かに!でも百人を生かした設定って一体何があるんだろ?」
「「「「「「うーーーーん………」」」」」」

ちょっと待って。悩んでいるけど、ここから先アドリブじゃないよね?
悩んでるフリってト書きにに入ってるんだよね?

「あっ!大勢で出来ると言えば、卒業式の呼びかけがある!」

楽しかった運動会!思い出に残った修学旅行!みたいな奴か。
なるほど、これなら100人でやっても違和感がない。

「楽しかった!」「「「「「「「運動会!!!」」」」」」
「思い出に残った!」「「「「「「修学旅行!!!」」」」」」

まだ修学旅行に行けてない中1と中2の人らは、複雑な思いで言ってるんだろうな。

「…………クタクタになるまで頑張った」        「…………集団合宿」

すげえ不評!嫌々言った感が半端ない。
まあ確かに、俺が在学していた当時もこの行事があって、二泊三日ずっと走りっぱなしで嫌だったから気持ちはわかるけどな。

「コラーッ!!私の考えた行事がそんなに嫌だったのか!!校長先生のお墨付きだぞ!!!」

ああっ!教頭先生がステージに乱入しちゃったよ!こりゃ一波乱あるか?

「「「「「「「「「「はい!!!!!」」」」」」」」」」

今までにない一致団結!!口答えした教頭先生、隅っこで口を開けたままポカーンとしちゃってるよ。

「卒業式の呼びかけは確かに百人でやるのは丁度いいけど、なんか味気ない!」
「せっかくの文化祭だから、盛り上がる事をしたい!!」

おっ、段々といい雰囲気になってきた。

「やっぱり学校行事の中で一番盛り上がったのは、運動会!」
「そして一番白熱した競技と言えば、騎馬戦!」
「なので今から馬の形を作って、実践しようと思います!」

いやいや、こんな狭い所でやめた方がいいって!絶対無事じゃすまないから!!

「うんしょ……。うんしょ……。」「はい、そこ詰めてー」
「もっとこっち!こっち!」「気を付けて!転ぶよ!」
「 (((((( ○○○  ○○ ○○   〇○)))))
(((((○ ○○  ○○○ ○○○ ○○)))))
(((((〇○○ ○ ○○○  ○○    ○○)))))
(((((○○ ○○  ○○○ ○○   ○○)))))
 ((((○○  ○○  マイク ○○   ○〇))))
  ---------------------」
 〇     〇   〇   〇  〇  〇

いや、何人か舞台に入り切れてないし、ぐちゃぐちゃだし、落ちてる人いるから!!
もうチーム名のイナバ物置の跡形の欠片も無いな!

「百人漫才のご覧になっている皆様にご報告です。大変申し訳ございませんが、予期しないトラブルが起きましたので……」

いや、予期できるわ!絶対こうなると思ってたわ!

「申し訳ございませんが(痛い痛い!)、百人漫才の方は(もっと優しく……)、これにて終了と(怖いよー、怖いよー!)なります。」

さっきから断末魔が聞こえるんですけど……

「誠に残念な終わり方となりますが(うおおわっ!よろけた!)、まだまだ文化祭は続きますので(ぎゃっ!落ちる!!)、この後の見世物も是非楽しんでご覧ください!」

いや、楽しめるかー!!


・【点数と感想】

13点

一番面白【さっきから断末魔が聞こえるんですけど……】

百人漫才というアイディアは前回と変わらず、面白かったです。

百人漫才を見せたいのか、ツッコミを入れる人を見せたいのか、
どっちつかずな印象を受けました。
百人漫才がメインなら
【あー良かった。吉田と田中の自己紹介は~】などが、
説明的過ぎて、百人漫才のテンポが悪くなってしまっています。
ツッコミを入れる人がメインなら
このツッコミの人も巻き込まれたほうがいいと思います。
特に見せたい、
読み手にオススメしたい部分を強調的に書く(作る)と、
意図を伝えやすいと思います。

最初と重複しますが、とにかくどっちつかずです。
主人公は誰で、メインカメラはどちらに向いているのでしょうか。
教頭先生が入ってきたところはすごく良いです。

百人漫才がメインなら
〇にこだわらなくてもいいのかなと思います。
例えば、一人『☆』になって
『急にスターが誕生した!』『他の生徒と全然違う!』など。
ツッコミを入れる人がメインなら
『さっきから聞いていたら
 貴方のツッコミが一番だ! 一緒にやって下さい!』
『じゃあ百一人になっちゃうよ!』
と巻き込まれていくなど。


・【お便りのコーナー】

更新が遅れてしまい、本当に申し訳御座いませんでした。
FULLを作って頂き、誠に有難うございます。

前回の作品を読み返してから拝読するか、
それとも読み返さずに拝読するかで悩んだのですが、
読み返さずに拝読しました。
拝読したあとに読み返しました。

前回は(多分)短かったので気になりませんでしたが、
今回は分量があったので、誰が主人公なのかどうか気になりました。
多分ツッコミを入れる人が主人公なんだと思いますが、
ただ外からツッコむだけだと、長い場合、単調になってしまうかな、と。
陣内智則が映像コントをしているイメージでしたら、
このままでもいいとも思うのですが、
そうでなかった場合は何か主人公側にも動きがあると、
もっと読み手を引き付けるような感じになると思います。
読み手は主人公に共感して話を進めていく構造なので、
読み手=主人公となります。
その読み手をハラハラさせるような、
どうなってしまうんだろう感があると、読むほうにも熱が入るかな、と。