シャンデリアと仲良くなる方法

最強の四畳半フォークが作りたくて、部屋にシャンデリアを設置したものの
家に帰ってくる度にシャンデリアが会釈して、
まだ僕に対して他人行儀しているなと感じることってありますよね。
やっぱりシャンデリアとは
「おっぱい」
「ハムカツ」
「「最高」」
みたいな、つーかーの仲でしかありえない会話ができるようになって、
四畳半フォークを作る時、相談できる相手になってほしいですよね。
というわけで今日はシャンデリアと仲良くなる方法をお教えします。

【第一章 おい止めろ! それは止めろ! 異臭だ! 異臭を放つぞ!】

1.首筋を光らせることをまず止める。
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 貴方は光らせないとキマらない強迫観念で光らせていると思いますが、
 首筋を光らせていると、シャンデリアは
 「首筋を光らせているな」と思って警戒するので止めましょう。
 ほら、首筋を光らせることを止めると、蛾も寄ってこないので一石二鳥。

2.シャンデリアに吊るしているフォークギターを床に置く。
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 浮いているフォークギターってヒップアタックし放題だな、
 と思っているかもしれませんが、それは逆です。
 何がどう逆かはここでは申し上げませんが、とにかく逆なのです。
 このままだとシャンデリアが「何か重いなぁ、膝の皿割れちゃう」と
 言いながら、完全消滅してしまうので、吊るさないで下さい。

【第二章 何だ何だその態度は! 俺だぞ! オマエにとっての俺だぞ!】

1.バロンドールのポスターを貼る。
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 やっぱりシャンデリアもサッカーが大好きです。ソマリより好きです。
 巧いサッカー選手のポスターを貼ると、シャンデリアは喜びます。
 特にペナルティエリアで点が入るならズボン脱ぐぐらいの人が好きです。
 と、なると、バロンドールのポスターになりますよね。
 (ソマリとは、ソニックとマリオが組み合わさったゲームのことです)

2.パツンボーイのポスターは剥がす。
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 ヒマさえあればお尻をパツンパツン叩きそうなボーイのポスターは苦手。
 つまりミュージシャンはアウトです。
 ミュージシャンはリズムに合わせて、すぐお尻をパツンパツン叩くので。
 ただお尻の無いミュージシャンは大丈夫なので、
 セカオワの仮面を被った人とかのポスターなら大丈夫ですね。

3.バツンゴームのポスターは濡らす。
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 バツンとゴムがちぎれた瞬間を撮った写真のポスター、いわゆる、
 バツンゴームのポスターは、大安に濡らしてから供養しましょう。
 シャンデリアはバツンゴームのポスターを見ると、明日は我が身と思って
 震えてしまうので、ちゃんと供養しましょう。供養屋さんで。

【第三章 あぁぁぁあああ! 何だよ……サプライズかよ……ハフッ】

1.ハフハフ言う子犬を飼う。
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 シャンデリアはとにかくハフハフ言う子犬を好みます。
 どんなにジャンプしても自分のところまで届かないこともポイントです。
 ハフハフ言う子犬を高みの見物し、自分より下がいると思いたいのです。

2.ハフハフ言うフォークソングを作って歌う。
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 とにかくシャンデリアはハフハフ言う何かが好きです。
 君を……ハフハフ、ハフハフ、愛してる~♪ とか、かなり好きです。
 こうすることにより、自分に歩み寄ってくれていると思ってくれます。

【第四章 俺さ、簡単にパンティで屈する大人にはなりたくないんだ】

1.パンティと叫びながら、バロンドールのポスターを叩かない。
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 通称、パティンポス叩きをしてしまうと、一気に信頼度が下がります。
 人間関係も一緒ですよね、絶対にこれだけは止めましょう。
 確かにバロンドールのポスターなんてJリーグを見ない、
 海外好きのパンティ野郎だと思いますが、カッとなったら負けです。

2.フォークギターにパンティを穿かせて茹でない。
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 変な木の匂いがしてきて、シャンデリアが「変な木の匂いがする」と
 思うので止めましょう。そんなことしても寄ってくるのは蛾だけ。
 そのパンティを穿いていたあの人は、もう寄ってこないんですから……。

【第五章 歌って不思議だよな、だって金になるんだもん、俺は払わない】

1.シャンデリアにノートを渡して、作詞してもらう。
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 シャンデリアは作詞を任されることが至極です。
 今までのこと全部無視しても、作詞さえ任せば仲良くなれます。

これでシャンデリアとは仲良くなれましたね。
では、ここからおまけです。
いよいよ最強の四畳半フォークを作りましょう。

「(バロンドールのポスターを叩きながら)
 パンティーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!」
(どがぁぁぁあああああああああん)
「いやでも作詞任せてくれたから嫌いになることは無いよ」

 そして……

題名:最強の四畳半フォーク
作詞:僕 with シャンデリア0221(オニニー)
作曲:僕 a.k.a. 鬼のニス(オニニー)

 君を……ハフハフ、ハフハフ、愛してる~
 君の残したハフ! パンティも、額縁に……ハフハフ、ハフハフ、飾~
 君を……ハフハフ、ハフハフ、愛してる~
 君の残したハーフマラソンのチラシも……ハフハフ、ハフハフ、供養~

 ハフ、ハフ、ハフハフ、ハハハハハハハハハフハフ、ハフゥ~ン、
 ハフ、ハフ、ハフハフ、ハハハハハハハハハフハフ、ハフゥ~ン、
 四畳半フォーク



「あっ、僕こと鬼のニスくん、本当にアーティスト・デビューしたんだ」
 私は元彼のSNSを見る日課が宗教上あるので、そのことを知った。
 勿論、私が言ったボケを本気にしていることも、その日課で知っていた。
 『四畳半フォークにはシャンデリア』というボケを本気にしちゃって。
 鬼のニスくんは相変わらず天然だね。
 そんな鬼のニスくんとの日々は煌めいていた。
 どんな溝のダイアモンドよりも。
 でも宗教上、元彼を作らないといけなかったので、別れた。
 もし私の最初の人が鬼のニスくんじゃ無ければ。
 既に私に元彼がいたら、鬼のニスくんの異臭の木ギャグ今も見てるかな。
 ううん、やめよう。こんな話。心が窮屈になるだけだ。
 大切な友達に誘われて始めた宗教のほうが大切なはずだ。
 鬼のニスくんなんて別に、元彼を作るだけの存在だったはずで……えっ?
 ”はずで”って、自分で思っている。存在だった”はずで”なんなの。
 分かんないよ。
 分かんないよ。
 分かっているよ。
 鬼のニスくんは、鬼のニスくんは、私にとって、

《《《……喜びパンティの人だから……》》》

(意味:パンティで大喜びしてくれる素敵な人のこと)

 だから。
 私は。
 マラソン仕込みのペースで走り出していた。
 まるでハフハフ言う子犬のように。

(了)