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DeNA楠本泰史の打撃フォームが美しいので調べたら黄金比が潜んでいた

※2020年4月26日タイトル変更

「美しい」の尺度

 楠本泰史の打撃フォームは美しい。私がそう主張したとしよう。賛同の声も寄せられるかもしれない。だが「〇〇選手の方が美しい」という声も挙がるだろう。「そもそも、何をもって美しいとするのか」とも問われるはずだ。

 そう。私の言う「美しい」には明確な基準がない。「何を美しいとするかは人それぞれ」と言われれば、それで終わってしまう。私と他人の「美しい」の物差しは異なって当然であり、同時に比較することもできない。

 一方、どこでも誰にでも通用する普遍的な尺度を示すのは、数字だ。明確な基準がないとされる美しさを数字で解明したものに、「黄金比」がある。

 上記サイトで解説されている通り、黄金比は「人間が最も美しいと感じる比率」のことであり、古代から著名な建造物や美術品に数多く用いられてきた。一般的には近似値「1:1.618」が黄金比とされている。

黄金比「1:1.618」と打撃フォームに潜む比率

 私が楠本の打撃フォームを見たときに感じる造形美的な美しさを、普遍的な尺度で説明できないだろうか。そう考え、楠本の打撃フォームに潜む比率を調べた。

 私が美しいと感じるのは、バッターボックスに一本足で立つときの下半身の造形。そこに、美しさの根拠が隠されているように思っていた。

 比率を導くため、以下のようにExcelに写真を張りつけ、その上に長方形の枠を当てた。

※ こちらに使用した写真は、横浜スタジアムで筆者が購入した「BAY☆LIVE PHOTO」のもの

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 横幅の長さは、膝の先端から腰まで。縦の長さは、膝の先端から足元まで。Excel上でそれぞれの長さを表示させ、比率を導き出す。

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 その結果、「1:1.673」(以下、小数第四位以下は切り捨て)と、なんと黄金比「1:1.618」に極めて近い比率が導き出された。私が感じていた楠本の打撃フォームの美しさは、普遍に通じるものだったのだ。

 しかし、黄金比に近い比率はこの写真でのみ成立している可能性もある。別アングルから撮影した写真でも検証した。

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(2019年10月20日 宮崎・清武第二球場にて筆者撮影) 

 前回検証した写真とは、反対側の位置から撮影したものである。前回の写真は公式戦のものであり、こちらの写真はフェニックスリーグの試合前の素振りであるという違いがあるものの、また1:1.581と黄金比に近い比率が表れた

他の「一本足打法」バッターの“比率”

 すると、ふとある疑問が頭の中をよぎった。他のいわゆる「一本足打法」バッターも、同じように打撃フォームに黄金比を秘めているのだろうか。

 一本足打法のパイオニア、王貞治氏の現役時代の打撃フォーム。楠本と同様の手法で、下記リンク先の写真から比率を導き出した結果、「1:1.913」だった。

1970年の王の打撃フォーム Photo by スポニチ

 また現役一本足打法バッターの代表として、秋山翔吾の打撃フォームも下記リンク先の写真で確認した。導き出された比率は「1:2.26」だった。

日刊SPA! 秋山翔吾(西武)

 どうやら、一本足打法だから黄金比が表れやすいということではないらしい。体格や構え方といった要素が偶然噛み合った結果、楠本の打撃フォームに、黄金比にほぼ等しい比率が発生したのだと言える。

新しい打撃フォームに黄金比は生まれるか

 ところが、楠本は打撃フォームを変えるというのである。

 バッターは見た目の美しさを追求しているのではない。可能な限り打てるように、フォームを試行錯誤する。新しい打撃フォームの全容は明らかになっていないが、今まで成立していた黄金比が表れなくなる可能性もある。

 昨年以上に打撃成績が伸びれば、ファンの私としても本望である。それでも、目にも美しい打撃フォームで引き続き視覚的にも楽しませてくれたら、という期待も捨てきれない。全貌が明らかになる春が待ち遠しいところだ。