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書散裸#4 営業論基礎論外

二回目の単独ライブ「メラ」を終えて初の営業、呼んでいただいた場でネタを披露させてもらった。今回で自分は新大工の商店街祭り、現川甲子園、部室説明会、出島宵市、そして昨日のホームカミングデーと5回営業を経験させてもらった。11月12日にアカペライベントへの出演も控えている。

ホームカミングデーは長崎大学のOBの集う会、ようはお偉くなった高所得者のお爺たちの溜まり場だ。失敬。

今のところ、営業で成功した記憶がない。基本的に滑る。ツルッツルだ。もう削る余地がないくらい綺麗な断面。何も引っかからない、やすり要らずの状態。いや、これだけ聞くとネタが仕上がっているみたいに聞こえるか。とにかく空気が鋭い。徐々に客席を見れなくなる。見る余裕がない、というよりは首が万力をひねるように相方に吸い寄せられていく。

昨日の営業は2ステ、新ネタを2本披露した。新ネタを卸すことには慣れない。ピークはできた台本を人に見せるときで、それ以降の身内へのネタ見せ、本番と緊張感の度合いが個人的には薄くなる。これは人によって違うと思う。自分は舞台上、という人の視線がある、体温がある場でネタを披露する方が気持ちが乗る。やっていて楽しい。反応があれば、の話だが。まあ滑ることも胃どころか心臓がキリキリして悪くない体験だ。体調には確実に悪い。

今回自分がやったうちの一本目は今回の客層、上級国民年金受給者を狙い撃ちしにいこうと、さだまさし「関白宣言」を現代風にしよう、という趣旨のリズムネタをやった。ネタ創りは歌詞を変えることに難航したが、ネタ覚えはスムーズだった。いつかまた営業でかけるかもしれないのでその理由はその時に見てもらえばわかる、はず。今回の動画は営業妨害になりかねないので出さない。もっと営業向けに特化して進化させたうえで、自分がもっとうまくツッコめるようになりたい。

二本目は今回初めて舞台に上がる相方とやるネタだった。原案は彼が書いたもので、言葉は悪いがそのままやるには無理があった。滑る予感、というより場が成立しない。滑る空気感というより呆けた空気感になる気がした。そこで彼のネタを色々弄らせてもらって、私が脚色した部分が8割、彼の要素が2割になった。彼の人間性(これを我が部ではにん、人という呼び方が流行している)をできるだけ出せるよう努めた。彼のボケのやりたい雰囲気は残しつつくだりごとのオチを変えるとか展開を変えるとか。結果それがネタの本筋に集中できない構造になってしまい削ったので、9対1くらいになってしまった。実力不足。彼の初舞台をともに迎える身としてできる限りのことはしたかった。ネタ合わせはかなり多くやった。そうして挑んだわけだが、上述の通り白けた。とはいえ、彼も自分もネタ自体は完遂したので良かったとしよう。本番に弱いと言っていた相方だが、一瞬飛ばしそうになったものの自分で修正していた。このネタに日の目を浴びせてあげられなくて残念だ。何かしらの形でウケて納めたい。


そして翌日に長崎外国語大学で行われたお笑いステージを途中から見に行った。寝坊したのだ。からたちの出番は見れず、相席スタートの終わりくらいから見た。山添さん雰囲気がもうカッコいい。ジェラードンはまさにお茶の間に愛される芸人といった感じで、ツッコミ不在とはいえ平場もネタも盛り上がっていた。わかりやすさとお客さんとの距離感をもっと意識しなければ、と思わされた。何よりパンクブーブー、まあ上手い。軽く話してお客さんに触れた後にネタへ、当然面白いし営業用のわかりやすいネタ。しゃべくりと漫才コントを二本織り交ぜてやっていた。その節々にお客さんと絡むためのフリや、直接ネタに引き込むわけではないが、お客さんと距離を詰められる動きのボケなど、手数が多彩で、自分らの営業の拙さがわかった。やはり単純にネタをやるだけではだめなのだ。引き込まなければ。そしてパンクブーブー、平場が強い強い。最年長なのにバンバンボケる。見習いたい。

もっと営業に特化したネタを創らなければ、と思った。関白宣言も改良の余地があるし、子供向け、老人向け、全年齢にわかりやすい、など目的意識が営業用のネタには要る。営業ネタのライブを単独とは別で、お客さんの意見とかもらう交流型ライブとしてやってみたい。

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