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少し早めの仲秋の候

 ふと気付くと9月になっていた。「仲秋の候」という挨拶は二十四節季の白露から秋分の間に使うのが正しいのかもしれないが、明日から旧暦の8月で、葉月は仲秋だからまあいいかとフライング気味に使ってみる。この一週間ほど、noteも書かずに何をしていたんだろうと考えてみたら、ずっと台風10号を気にかけていたのだった(被害に遭われた皆様に心よりお見舞い申し上げます)。日々予報を覆しながら、これほど長期間、沖縄から北海道まで、離れた場所にも被害を及ぼした台風がかつてあっただろうか?還暦過ぎにして、自分の台風に関する常識が塗り替えられた感。
 で、9月である。夏休みは終わってしまったが、冬休みはまだ遥か彼方で影も形も見えない。去年もnoteに書いたように、9月は「9月になれば」とか「9月になったのに」とかたくさん歌に唄われ、爽やかなイメージが強い割には秋雨とか台風の月でもある。そのイメージに貢献している中秋の名月でさえ、昔ばあちゃんが「十五夜に晴れ間無し」と言っていたように、実際のところ晴れの夜は少ない。
 個人的に、9月は物忌みの季節だ(9月生まれの皆さん、ごめんなさい)。平安時代には、物忌みとなれば貴族は大事な用事があっても外出を避けたらしい。あの方角が悪いとなれば、前日に別の方角に行って泊まり、向きを変えてから出発する方違え(かたたがえ)というのもあった。何だか優雅というかのんびりしているというか…。勿論、現代に生きる(貴族でもない)私は身を清めるでも玄関に「物忌」の札を掛けるでもないけれど、何故か9月には冴えない出来事が起こりやすく、なるべく大人しくしながらやり過ごすようにしている。その中でも、最大の鬼門である13日の夜には細心の注意を払う。13は自分のラッキーナンバーなのに不思議な話だ。見方を変えれば、とても重要なことが起こる日ということなのかもしれない。ちなみに今年の9月13日は金曜日だ。
 ツイてない時はジタバタしても始まらない。人生「いい事ばかりはありゃしない」のである。そういう時は寝てしまうに限る。お酒は飲んでも飲まなくてもいいけれど、気が沈むお酒は避けた方がいい。とにかく毛布を頭から被って寝てしまおう。音楽無しで寝れる人はそれでOK、無いと寂しい私のお供は、昔からニーナ・シモンの「ニーナとピアノ」だ。トム・ウェイツもいいけれど、トム・ウェイツはやっぱりお酒を飲みたくなっちゃうし。最近、映画のラストにニーナ・シモンみたいなのが流行ってるけどどうなんだろう?あの曲の選択はさておき、ツイてない夜の子守歌をお探しの方がいらしたら、騙されたと思って一度是非!


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