ソーシャルディスタンスな。ライブに行ってきた話
4月25日。
今週の日曜日に、再び緊急事態宣言が発令されました。
商業施設の休業や、飲食店の時短要請。
イベントの無観客開催が要請されています。
その2日前―
4月23日。
僕は、コロナ禍が始まってから、初めての音楽ライブを訪れていました。
コロナとミュージシャンの歩み
僕は、音楽が好きです。
その中でも邦楽が好きです。
なぜ邦楽が好きなのかというと、歌詞が日本語だからです。
リズムやメロディは音楽を形作る重要な要素ですが
その人の言葉であり、主張であり、叫びである歌詞にこそ、
ズドンと強く魂を揺さぶられます。
だから、言葉がそのままに伝わってくる邦楽が好きなんです。
◆
僕は30代になってから、音楽好きの友人に誘われて人生で初めて音楽フェスに参加しました。
「アラバキロックフェス」東北を代表する大きなフェスです。
宮城県の山中にある6つの広大なステージで、広い広い空の下、様々なミュージシャンが、2日間、朝から晩まで音楽を演奏しまくります。
このアラバキで、フェスの魅力、音楽の魅力に圧倒され、そこから色々なライブに訪れるようになりました。
この写真は2019年に参加した時の写真です。
この時はえらい寒くて、凍えながらあちこち回ったのを思い出します笑
アラバキロックフェスは、毎年、ゴールデンウィークに開催されます。
昨年、2020年5月のチケットを僕は手に持っていました。
しかし、そこでコロナ禍が始まりました。
主催者の方々も、ミュージシャンの方々もなんとか開催の道はないかを探っておられましたが、みなさんご存じの通り、多くのイベントが中止となり、アラバキも2020年は無念の開催中止・・・。
その代わり、翌年。
毎年2日間開催の予定を振り替えて「ARABAKI ROCK FEST.20-21」として4日間開催を目指すと発表されました。
そして、今年2021年。
コロナの状況を見つつ、アラバキはソーシャルディスタンスを取れるように、ステージの構成と日程を変更。
4月29日~5月2日の3日間、参加者がキャンプゾーンで音楽を聴ける形での開催を予定していました。
ところが。
感染者の状況が悪化し、開催に直撃する形での緊急事態宣言が発令されました。
その結果、アラバキ2021は参加者の安全を考慮し、開催の5日ほど前に開催中止が発表されました。
僕自身、今年は参加の予定はありませんでしたが、大好きなフェスだから、そのフェスが好きな人達を見ているから、見ていて本当に悲しい。
ただただ、悲しい気持ちになりました。
開催に向けて努力されていた方、音楽を披露しようとしていたミュージシャンの方、参加を予定していた方、本当に無念な気持ちだと思います。
それぞれのミュージシャンの戦い
お話戻って昨年。
フェスだけでなく、コロナが蔓延し始めたころ、次々とイベントが中止になり始めました。
音楽ライブもどんどん中止になる中で、とあるバンドがツアーファイナルを「無観客・無料でZeppTokyoから生配信する」と言い出しました。
この生配信は、約10万人が視聴していたらしい。
「#打首生配信」がツイッターのトレンド1位に輝き、その他にも彼らに関する様々なつぶやきが飛び交っていた。
「お客さんを集めてライブをすることができない」という事態に対して諦めるのではなく、斬新な発想で素敵な企画を実現させてしまった彼らの姿は、たくさんの人々に勇気を与えたのではないだろうか。
日本全国が先が見えない不安や、暗い気持ちになっていた所に「バカなことやってんなwww」とクスリと笑わせてくれた打首獄門同好会は、本当にすごい。
音楽なんてただの娯楽ではあるけれど、人間が生きる元気や笑い、エネルギーを生み出す力を与えてくれます。
人間は「楽しい」が無ければ生きていけないです。やっぱり。
ソーシャルディスタンスな。ライブ
そして、先日の4月23日。
僕は「忘れらんねぇよ」主催の「ソーシャルディスタンスなツレ伝」ライブに参加しました。
2020年にコロナが始まって以来、1年以上ぶりくらいのライブです。
感染対策を実施したイベントが開催されていることはちらほらと聞いていましたが、自分で参加するのは初めてだったのでどんな感じなんだろうと思いながらの参加です。
まずチケット購入時。
万が一感染者が発生した場合に経路を辿れるように参加者全員に接触感染アアプリCOCOAのインストールと、連絡先の明記が求められます。
ライブ当日は、全員マスク着用。
入口での検温、夜8時以降のアルコールの提供無しなど、
このあたりは一般的な感染対策と同じような形でした。
席は全席スタンディング。
足元にパネルがあり、それで一定距離を保つようになっていました。
イベントが始まると、会場に大音量の音楽が鳴り響きます。
あぁ、ライブだ。
すっごいひさしぶりの感覚です。
みんなマスクはしてるし、声は出さないけれど、これはライブです。
体全体で感じる音楽と、会場の一体感、ミュージシャンの魂の叫び。
音と声を通して、体にエネルギーが満ちていくような感覚。
やっぱり音楽って素晴らしい。
ライブ終盤。
ボーカルの柴田さんがお決まりの曲「忘れらんねぇよ」でコール&レスポンスを求めます。
声出せねぇけど、いつものやるぞー!!
いつもお客さんが合唱するサビの部分で、
ベースだけが鳴り響くシュールなコール&レスポンス。
お前ら、オレたちがこんなに煽っても、
ルール守って、しっかり無言で
最ッッ・・・・・高にロックだな!!! 戦ってんな!!
大盛り上がりの中、アンコールも終わり。
スタッフさんの誘導で、密集を避けるように一定人数ごとに区切って会場を退出して終演となりました。
とても最高で、また明日を生きる力をもらえたライブでした。
参加して本当によかった。
忘れらんねぇよの柴田さんが語った言葉―
最近、年のせいか、コロナのせいか。
夜寝る前になると、このあたりがザワザワ~・・・っとすんだよ。
でも、朝起きるとさ。
飯食って、うんこして、また、バカみたいに生きてんだよな。
ライブが無くてもさ、人間て生きてけるんだよ。
でも、俺はさ。ライブが無いと生きている意味がないんだよ。
僕もそう思います。
「ライブ」の部分は、人によっていろいろな言葉に置き換わると思いますが、ただ生きているだけなのは、やっぱりツラい。
コロナ対策で引き締める所は引き締めながらも、人生に輝きを求める事は忘れたくないなと思えたライブでした。
最後に。
ミュージシャンの方々の努力と、お客さんへの思いやり、音楽に対する情熱は素晴らしかったです。
また、音楽をみんなで聴ける日を祈って、明日も1日をがんばろう。
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