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身長さえ高ければ。

その頃の息子の夢はアーティストで、夢に向かって頑張っていました。
オーディションも何度か受けていたのですが、ある時から不合格の連絡と共に必ず言われるのが『スキルはあるんだけど、、、身長さえ高ければ、、、』でした。
レッスンに通っていたスタジオからは『身長だけ!とにかく背を伸ばして!』

ダイエットならばお菓子を我慢したり色々努力出来るのですが、身長を伸ばして!と言われ続ける事に親子共々参っていました。
親として何をしてあげれるんだろう、、、。

低身長の治療に行こうと思ったきっかけは、絶対に勝ち取りたかった映画のオーディションに落ちた事でした。

演技もしたことが無い、劇団に入っている同世代の子達の中、監督さんを前に演技をする声を私は廊下で聞いていました。

廊下にいても緊張感を感じる雰囲気に、息子の成長と、真剣さを感じました。

結果は不合格。

『身長さえ高ければ、、、』またもやそう言われてしまいました。

息子に『アーティストになりたいという夢が本気なら、お母さんも真剣に向き合うわ。病院で成長ホルモンの注射を打ってもらう相談に行こう』と言うと即答で『行きたい!!』と答えました。

先生に【成長ホルモン注射】が打ちたい。と相談しました。
周りに低身長で成長ホルモン注射をしている子が居たので、そういった治療があることは何となく知っていたからです。

先生は『今から伸びるよ〜!』

と言ってくれたのですが、

夢があってオーディションを受けている事。

不合格の理由で毎回身長さえ高ければ、、、と言われること、

急いでいることを伝えると先生は真剣に相談に乗ってくれました。

身長、体重、血液検査などしましたが、残念な事に低身長の治療の数値には達していなく治療は出来ない事が判明。

その時初めて

『治療をしたいです!』

『はい、わかりました、治療をしましょう』

とはいかないことを知りました。

六年生の秋でした。

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