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京都の維新とこれからの選挙

はじめに

昨年(令和3年)の衆院選において、日本維新の会は11議席から41議席へと大きな飛躍をしました。一方で、この勢いを一過性のものにしないためには今夏(令和4年7月)にある参議院選挙において選挙区での議席獲得や、次期統一地方選(令和5年4月)における議席の獲得が必要です。参議院議員は任期6年、地方議員は4年ということもあり、ここでの議席獲得はその地域における支持を長期的に根付かせる意味で重要となります。

筆者の生まれ・育ちが京都であることから、これまでTwitter上では京都におけるデータを掲載してきましたが、タイムライン上で流れて行ってしまうと自分ですら見辛いところがあったため、今回はそれらのデータを更新し、本記事にまとめました。何かの際にご参照頂ければ幸甚です。

なお、ここに掲載している内容は内部情報を含まない、令和4年5月時点で一般にオープンとなっている情報を整理したものですので、ご了承ください。

比例得票率MAP

まず京都府の市区町村を示した地図(Fig. 1)と京都府の衆院選における小選挙区の区割りを示した地図(Fig. 2)をご覧ください。

Fig. 1 京都府内市区町村地図(淡青色に示した部分は京都市)
Fig. 2 衆議院小選挙区の区割り地図

Fig. 1を見ると、京都府北部は大規模に市町村合併が進んでいますが、南部は細かな基礎自治体が多く存在していることが分かります。また京都市内を見ると、左京区・北区・右京区が南北に伸びており、面積も広いことも分かります。南丹市と接するこうした北部山間地域は、後から京都市に編入されたこともあり、府外の方々がイメージするような四条河原町、烏丸御池、祇園東山などとは違った印象かもしれません。Fig. 1の地図は本記事内で他の地図をご覧になる際に具体的な地名を確認するのにご参照ください。

Fig. 2を見ると、4~6区の広さに圧倒されるかもしれません。京都府の人口の過半数を京都市が担っているため、1~3区の人口密度が高くなっている構造にあります。選挙における戦力もやや異なったり、戦う上での難しさの質も変わってくることが想定されます。また、6区は京都府第2の市である宇治市を擁していることも分かります。
大雑把に、京都の中心地の洛中:1区文化と学問の都:2区お酒と竹の街:3区山の京都:4区海の京都:5区お茶の京都:6区・・・といった感じです。

続いて本題である、先の衆院選における日本維新の会の比例得票率の階級図をFig. 3に示します。


Fig. 3 令和3年衆院選の維新の比例得票率階級図

寒色ほど得票率が低く、暖色ほど得票率が高くなっていることを示しています。大阪経済圏と近い地域ほど得票率が高くなることが伺えます。また北部は総じて得票率が低いものの、冨田恵輔市議のいる京丹後市は外れ値的に得票率が上がっています。党所属地方議員がいるか、いないかはかなり大きな差として顕在化することが分かります。

また、各小選挙区ごとの比例得票率を比べると以下の通りです。

  • 1区:25.3%(堀場候補)

  • 2区:17.9%

  • 3区:24.2%(井上候補)

  • 4区:23.1%

  • 5区:18.1%

  • 6区:25.8%(中嶋候補)

候補者の有無で比例得票数に有意な差が生じていることは自明です。
最終的に1区の候補者は小選挙区での惜敗率が高かったため、比例復活にて当選しましたが、6区の候補者のほうがより多くの比例票を稼いでいたことも分かります。これは各小選挙区で構図が異なることに起因して、惜敗率へ大きく影響を及ぼすことから生じたことだと考えられます。

さて、過去の結果と比較してみましょう。Fig. 4に令和元年参院選の、Fig. 5に平成29年衆院選の比例得票率を元にした階級図を示します。

Fig. 4 令和元年参院選の維新の比例得票率階級図


Fig. 5 平成29年衆院選の維新の比例得票率階級図

ありがたいことに、京都府内全域で大きく票を伸ばせたことが分かります。
この票数を維持、向上するためには地元で地道に活動するプレーヤーが必要になります。そのためには、各地方議会選挙に積極的に候補者を擁立し、勝ち取っていくことが重要になります。そこで、次は今後の地方議会について整理していきます。

今後の地方議会選挙

令和4年5月現在、京都維新の会には次の地方議員が所属しています。

京都府議会
上倉淑敬府議(伏見区)、畑本久仁枝府議(西京区)、畑本義允府議(北区)
京都市会

宇佐美賢一市議(左京区)、久保田正紀市議(伏見区)、胡内大輔市議(右京区)、菅谷浩平市議(北区)
京丹後市議会:冨田恵輔市議
舞鶴市議会:鴨田秋津市議
亀岡市議会:松山雅行市議
向日市議会:村田光隆市議
長岡京市議会:西條利洋市議
宇治市議会:秋月新治市議
京田辺市議会:上田毅市議、秋月健輔市議
八幡市議会:山口克浩市議
木津川市議会:高味孝之市議

次に、今後の地方議会議員選挙及び首長選挙の一覧を示します(Fig. 5)。
比較のため、前回地方議会選挙時の当選者のうち最も得票数が少なかった候補者の得票数を「前回当選最低票数」として列記し、当該選挙区において維新が獲得した比例票数と並べました。

Fig. 5.1 今後の京都の地方議会選挙一覧①
Fig. 5.2 今後の京都の地方議会選挙一覧②

宮津市、綾部市、福知山市、城陽市など今は党所属市議がいない地域でも複数名の擁立が可能となる得票数を衆院選比例では獲得していることが分かります。町村議会においても、全ての地域で当選最低票数より比例得票数が上回っています。候補者の擁立と先輩議員たちからのしっかりとした助言、支援そして候補者本人の地道な活動があれば、充分当選できる可能性はある数字だと言えるでしょう。

また、これまで大選挙区の市議会に現在1名のみの市議がいる地域でも5~10名の市議を擁立可能そうな地域も多くあります。大選挙区制の衛星市の議会に1名のみではできる活動(政治活動・議会活動)も、実現できる政策も限られてくるため、今後は市長を本格的に狙いにいくフェーズに入ったともいえます。
首長選挙を本気で勝ち取るには議会の定数の1/3の議席数と、当該選挙区の府議を維新公認候補が勝ち取ることが前提条件となるでしょう。

京都維新の会に限らず、全国の維新都道府県総支部及び選挙区支部長たちは地方議員候補のリクルート活動を進めています。「出馬してみようかな」と思う市町村のある衆院選挙区支部長または都道府県総支部にご連絡することで、これまで政治に関わったことのない方でも何から準備すれば良いか相談に乗っていただけることでしょう。

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