(詩)男の子のように2

夏の雨が好きだった

暑さを
忘れさせてくれそうだし
止んだら青い空に
いつも虹が
架かっているみたいで

男の子のように
女の子が
髪を短く切るのは
失恋したからだとばかり
思っていた少年の頃

でも夏の日の
ショートカットは
ただ暑苦しいからだけ
なのかも知れない

だから突然きみが
髪を短くした夏の日
ぼくはドキッとしたけど
結局どっちなのか
最後まで聞けなかった
何だか恐くて

あの日も雨だったね
とっても静かで
やさしい雨だった

泣きそうだった
きみの横顔も
男の子みたいだった


夏の雨が好きだった
ショートカットの
きみの横顔
思い出すから

もしもきみに会っても
どっちだったのか
今でもやっぱり
聞けない気がする

夏の雨が好きだった
男の子のように
泣いてみたい
大人になった今でも

男の子みたいに
泣いてみたくなる
夏の雨

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