夜空にたったひとつだけの星

遥か昔
地球が誕生した日から
この地上に
生命が誕生するたび
銀河にも星が
ひとつ生まれた

だからわたしが生まれた時
この夜空のどこかに生まれた
ひとつの星がある

ある夜
わたしは気付く

いつも人懐こそうに
こっそりとわたしを見ている
ひとつの星が
ささやかに瞬いていることを
しかも
わたしが泣く時だけ

なぜならその星は
涙の中でしか見えないから
そしてその星は
わたしと
わたしを愛する人にしか
見ることが出来ない、なあんて
ちょっとわたしに似て
意地悪な星

だから
いつかわたしが死ぬ時
その星が流星となって
宇宙の闇の彼方へと
帰ってしまうのかどうか
残念ながら
わたしには確かめられません

わたしが死んだ後も
その星がこの夜空の中で
瞬いているのかどうか

だけどもしもわたしの星が
わたしが死んだ後も
瞬いていてくれるのだとしたら

わたしはあなたにだけ
こっそりと
その星の居場所を教えておこう

あなたが泣いた時
その時あなたのそばに
もうわたしがいなくても

星が、わたしの星が
あなたをやさしく
包み込んでくれるように

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