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海を見たよ 降りそそぐ五月の日差し あの頃はいつもひとりで 海を見たよ 長い坂道を汗かきかき 自転車押していた きみはまだ少女で ぼくには その自転車の さびたハンドルさえ まぶしかった 駅前の駐輪場で きみの自転車見かけては ハンドルにこっそり 触れようとして できなかった 五月生まれ へえ、おんなじ ただ少しぼくの方が 数年早かっただけ 海が見たいの まだ一度も 見たこと、ないんだ 生まれてから、わたし それじゃ今度の五月 今度五月が来たら 見にいこうよ