保護具を外すな

それとも過去も未来もなくて時間の経過は一冊の本みたいに全て書かれて全部一緒に存在してて、何かが開いているページ、あるいはその何かが読んでる文字、そういうのが今ってこともあるかな?

舞城王太郎「淵の王」

自分療養70日目。4:30起床。今日は病院に書類を取りに行き、それを郵便局で発送する。やることはそれだけ。他にもいろいろあるはずだが、頭の中を探るのが面倒で、何も考えずに想起したことだけをやるのみ。後は自然に思い出したことを次に行う。思い出せなければダラダラする。そんなテンション。自分の中心が消えていて、筋も通ってなく、反応するためのスイッチがほぼ全て切られているような感じ。

とはいえ先日模様替えをして、センスがないのはわかったまま、散っていたグリーンを一箇所に集めてみたら、少し気分がいい。観葉植物を買い足して、レイアウトを調整して、もっと立体的に、植物がメインで人がおまけなくらいに室内を植物まみれにしたい。

病院までは杖なしでいく。それに加えて、足首にはめていた保護具も外してみようと思い立つ。足首の縫合痕はまだ鮮やかに残っているが、スニーカー用の靴下にして、怪我をする前の格好で出かける。

無事に完了して帰り道。2.5kmを歩いていく。炎天下だったがリハビリも兼ねて。家と病院の間に大きなリサイクルショップがあるので、そこに行くのが目的。途中に小さな郵便局もあるのでちょうどいい。

メンタルを崩して転職をした。揉めに揉めた。二度と思い出したくないので、在宅でずっと使っていたデスクをどうしても変えたい。物に罪は無いがしょうがない。今度は120cmの丸テーブルにしたいと思い調べたが、値段が高く、いまの自分には贅沢。なのでリサイクルショップによいのがあればと思ったのだ。

苦労して3Fまで階段を登る。ズボンの裾が歩くたびに傷口を擦って、真っ赤になっている。痛みと痒さで辛いが手遅れ。せめて長い靴下でくればよかった。とにかく裾をまくってごまかす。

店内に110cmの丸テーブルが2つあったが、ブランド品なので手が出なかった。しかし110cmでも相当大きい。イメージと全然違った。120cmなんてありえない。100cmで探しなおすことにする。実際に見るって大事だとおもった。

そのまま歩いて駅近の花屋を覗く。地下にあるので階段を降りるのが面倒であきらめる。まあまあ蔓の伸びたヘデラが110円で売っているのが視界の端に見えたが諦める。たくさんあったので、後日でも残ってるだろう。110円だから一気に3つほど勝って大きめの鉢に植え替えたい。

炎天下を歩いたせいか、家に着いたらグッタリしてしまった。知らぬ間に眠っていて起きたら20時を過ぎていた。頭痛も酷くて熱中症かなと思い、塩をなめて水を飲む。その後は睡眠のサイクルもおかしくなって寝たり起きたりを繰り返す。こんなしょうもない一日が自分の本に書いてあるのだとしたら、それを書いた神は才能が無さすぎる。深い教訓でも提示してほしかった。『保護具は外すな、靴下もロングで!』こんな標語が一つだけとは。



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