景色のレイヤー

さまよい歩くことと賭け事には共通点がある。いずれも、結末よりも期待のなかに快楽が潜んでいて、充足よりも欲望を頼りにする。一歩づつ歩みを進めることで、あるいは卓に手札を置くことで偶然を心に迎えいれる。

レベッカ・ソルニット「ウォークス」


自宅療養105日目。4:50起床。起きがけにドラマを2本観る。両方ともまずまずだったが、一本の方は雲行きが怪しくなってきた。絶体絶命の瞬間に命を救われるのだが、その武器はスプレーとチャッカマンで炎をあびせる大道芸的なやつだった。しかも絵面も酷くて、そこだけとってつけたような感じになっていた。かなりシリアスなドラマだったのに残念。

朝から模様替えをする。テーブルとベッドの位置を変えただけだが、意外としっくりくる。朝起きたらテーブルのあるベランダ側へ向かうことは、光にこの身を差し出すことだ。明日の朝どんな目覚めをするか楽しみだ。

窓際での食事が楽しみになり、買い出しのついでにお酒も買ってしまう。月曜日の昼から飲むとか通常だったら考えられないが、許してしまう。ストックがあると思って少ししか買わなかったが、残念ながらストックは無かった。なのでほろ酔いで済んだ。

理性の結界が崩れて自我全員が飛び出すこともなく、ただ音楽を楽しんで2時間ほどで酔いも覚めた。クラブ的な場所はあまり好きではなく数えるほどしか行ったことはないが、音楽とアルコールの相性という意味では最高の場所なのかもしれない。そんな事を思う。

料理のリュウジとファッションのMB。この2人はユーチューバーの中でも言語化のセンスがずば抜けていて勉強になる。知識や語彙力もあるが、分析した結果を言語化するセンスが素晴らしい。売れっ子なのも当然だ。

特に美しい景色ではないが、部屋から見える景色が好きだ。狭い部屋だが、ベランダ側が一面窓だから視界がかなりいい。5階という高さもちょうどいい。いかにも人工的なビルやデパートがいくつも見えるが、その手前に二つの路線がクロスして走っているので、動きがあり、カーテンレールに吊るされた植物たちも一役かっている。

視界のレイヤーとして、植物→窓→ベランダ→コンビニ→電車→ビル群となっていて、一番見たくない物が一番奥にある構図。また、ベランダの柵は一面コンクリートではなく格子状なので奥の視界を妨げない。これも大きいのだろうな。いろいろ工夫しながら、もっと日常の中の快さを増やしていきたい。

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