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詩のような・短歌のようなもの

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とても稀に、詩のような・短歌のようなものを書くことがあります。
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2024年3月の記事一覧

短歌のようなもの

プレーリードッグ 光浴び けぶる君の背 飛び石に   友の足裏 まどろみのなか 無題 訳もなく 魚類図鑑を はらはらと   奇々おどろし 生きる場はありて (2010年)

ワラビーとヒツジ

ワラビーとヒツジ ワラビー 気がつくと君は 短き前あしをこごめ すっくりと わたしを見つめていた 責めるでもなく 挑むでもなく ワラビー 1頭分の重さで ヒツジ はたと我にかえり 高らかにガルロンは鳴る ふかふかの藁が待つ 崖を覗き込まずにはいられない それゆえ 1頭分の重さは愛しい ワラビーに会って (2011年)

100円エスプレッソのお店

「100円エスプレッソのお店」 雲ひとつない 濃く 明るい夜だから 寒さもスパイスとなる よい夜だから 散歩することにいたします ローマに行きたいと思いました (2011年)

本棚を眺める

「本棚を眺める」 旅の足跡のようであり 車窓のようであり 古い洋服箪笥のようである しょうのうの匂いか トウガラシか 図書館のキリリとした佇まいも好もしいが 誰かの ひとさおの本棚は なお おもしろい (2011年)