影裏(映画)感想(ネタバレあり)

原作と映画と映像特典に言及してます。
めちゃくちゃ長いです。
物語の核心に触れるネタバレがたくさんあります。ていうか主にそのことしか話してません。むしろ、こねくりまわしてぐっちゃぐちゃにしてます。ごめんね、大好きだよ。(…どっか歪んでんの?)

あと、綾野剛の出演作のネタバレもあります。「怒り」の一部を書いてます。




本大好き、な子どもだったのですが、途中からミステリーに傾倒し、純文学なんて授業で読んだくらいかな、なレベルの私ですが、なんだかとても波長が合って楽しく見ました。綾野さんが出てるから?うん!九分九厘そうだね!!(台無し)


でも、作品のなかに散りばめられた余白を感じたいなあと思った。

映像と、そこに生きる彼らが美しかったからだろうね。


…とまあ、早くも露呈しましたが、作品の感想と綾野剛の感想が激しく入り乱れる構成となっております。


真面目な感想は、人間の光と影、表と裏を二人の青年のやりとりを介して見つめるお話。そこに甚大な自然災害という抗えないきっかけが投じられ、断絶の先で思いを寄せた人の見えない一面を追うことになる…らしい。


めちゃくちゃエモそう…とドキッとしたのが最初の印象。

しかし、どう考えても綾野剛(のやってる役)が傷付くとしか思えないトレーサーに、見たいと見たくないが激しくせめぎあって、

知る(MIU404から沼入り直後)→

買う(数ヵ月後)→

見る(数ヵ月後)

の期間に半年以上費やしました。

買った後にどれくらい置いてたんだ…?あ、ここは意外と短ぇ、一ヶ月半だ。


歩く傷、な綾野剛は「怒り」で見て、ギョエ~……って絶句してましたので…。でもあそこまでのダメージはないだろうと…。(とりあえず生きとるだろうと…)

(珍しく綾野剛にハマる前に映画館で見れた作品)(円盤も手に入れたのでまた後日感想を)


沼に入ってるもんですから、先に入水した(視聴した)方たちの感想を浴びることがあるんですけど…TLのみなさんはうまいんですよね…。

ネタバレにぎりぎりならないあたりで「見てえ~…っ」ってなるとこねらって投下してくるわけですよ。やられてしまうんですよね…。

(タグ辿りは視聴後にね。こっちは容赦ないネタバレの嵐だからね。視聴後の楽しみ)


とりあえず綾野剛の脚がめちゃくちゃ綺麗で、それが見られるらしいってのが一番最初に得た重要な情報だった。(マジか)


予告と少しの感想から、私は勝手に日浅が同性愛者で、今野との間に何かがあっていなくなっちゃったと思ってたんですね。なんか綺麗な中村倫也も一瞬映るしさ。それは日浅側の登場人物だと思ってたの。日浅の過去を語る一部分だと。日浅も、もう山ほど後ろに何かありそうだけど、今野の方もよっぽどいろいろあんじゃん??

綺麗な中村倫也に気付くまでは日浅は犯罪者かと思ってたし。あまりに顔が不穏だったので…。

…まあ、そこは、当たらずとも遠からず、でしたね…。

(ここで、日浅に感じる不穏さに同性愛者であること、を一因に置いているととれる表現がありますが、正確には「そう対応される社会である」という設定が日常的に使用されてきた表現を当たり前にしてきてしまった自分、が炙り出されてますね…。そんな悲劇としてのエンタメ摂取みたいなことはやめろ…今後はそういう表現にNOと言いたい。と同時になんのためのそういう表現なのか?という視点をもった上で見たい。それは血肉となると思うので)


冒頭の重苦しさはんぱない。暗すぎて何が映ってるか判別できないレベル。

今野の瞳に映る鈍い光だけが見える。


それだけに、次に来る噂の美脚プロモーションビデオか??な今野の起床シーンの明るさ、平和さ、あどけなさが爆発的に襲いかかる。普通に心拍数上がる…。こんなんありか?

体毛薄すぎない…?調整したりしてる…?脛は(明らかに毛があるし。女もあるが)男だけど太ももはあれはどこのモデルですか…?

肉感が完璧なんですけど。

吸い付きたい人いっぱいい(黙れ)


そしてどうしても股間に注目してしまう…え、だって、アングルとかぜえったい意識してんじゃん!?


この時点で私は日浅に今野がねらわれる側だと思い込んでいるので、頭の中はこんなんいつ襲われてもおかしくないじゃんあわわわわ…状態です。爪先からの舐めるようなショットとか完全にそうじゃん?だって!エロいし可愛いし!!顔色いいし!ほっぺたほんのり薔薇色なんだよ!?なに?乙女なの?あれか?天が与えし天使なのか??


光が美しくて柔らかくてさー、股間もやわらかそうだけどさー(黙れ)なんでシャツ脱いだの?暑いの?サービスなの??

ていうか、同じ綾野剛なのになんでこんなに体がちがうの??

こないだ亜人見た後でほんとに脳が「???」ってバグるんだけど。筋肉少なめの滑らかな色白乙女と胸筋パンパンの戦闘おじさんを行き来できるのなんなの??


家の中の今野は少女で乙女なんだけど、スーツ着た今野は普通の男性だね。儚めではあるけど。

そんで、ジャケット羽織ってない方が断然いいんだよね…!!!あの細腰が…毎日丁寧にアイロンがけしてるワイシャツのスラックスにギュッとなってるところが眼福すぎる…。ネームもいいよね…。これは単純に私の性癖です。

前髪めちゃくちゃ刺さってんのが視力低下を心配させるけどな…。

佇む、がまさにな雰囲気の今野。幸薄いとか、儚いとか、そんな言葉が似合う。似合いまくる。


初視聴は可愛いシーン満載で抱えてたクッションの原型がなくなるくらい握りしめてた。

踊るとこさ!!なにあれ!!動きも表情もめちゃめちゃ可愛いんだけど、ちっちゃい声で「おっきいわー、ちっちゃいわー」って振り付け呟いてるの!!めちゃめちゃ可愛い!!声も言い方もかわいい!!


日浅に後ろからだーれだ、されるとこも、あのビクッとなるとこもおずおずと答えるとこも堪らなく可愛い…。この辺りの今野はおずおずとって表現を具現化したような雰囲気なんですよね。埼玉から先月転勤してきたとこ…あんまり職場には馴染んでなさそう。

そんなに強くは出ない割に禁煙だよって伝える辺り、なんだろうな~怖いもの知らずっていうか、悪意にはたくさん触れてそうなんだけどなあ。なんか不思議な雰囲気の人ですよね。いい人、というのとは違うと思うし、正義の人ってわけでもないんだけど、優しい人、なのかも。きちんと伝えるけどそこまでで。優しい人だけど強い人ではなくて、弱い人ではないけど行動力はあって。感情の起伏があんまりない、穏やかで静かな人。


鈴村さんの感じが怖すぎてだめ。ああいうのまじトラウマだ。

頭はたかれるんだよ?初対面のおばちゃんに…。

あの後今野さんはぶちギレないんだよ…静かに俯くだけなの…なんでなのかなー、とか、なんか他にもイライラすることあったのかなー、とか、考えてるんだろうか…。舌打ちのひとつもないのよね…。

それは今野さんの怖さでもあると思う。底知れなさ。でも日浅とのやりとりには苛立ちや許容しきれない部分があって、急に今野さんに温度を感じる。なんだろな。

心を許すラインが、今野さんには結構厳しいところにあるのかな。

中村倫也と話す今野さんは生き生きしてるように見えた。

あれだよね、部屋に行くつもりで、部屋で一緒に一時を過ごすつもりでホテルに行ったしエレベーターにも乗ったんだよね?でも、一緒に過ごすべきじゃないと思った?なぜ?日浅への操立て?そんなことするかなあ…。かずやにわるい?確かに…。

絶対、悶々としてたとは思うんだよなあ…。あの後、急に行くことにしたのは、そういうこともあったんじゃないの?やりきれなさもあったよな…。


あの鮎の川原での日浅はダメだよね~。ちゃんと今野見て言わなきゃさー。めちゃくちゃ傷付いちゃってんじゃん。そんなやり方じゃだめじゃーん。

絶対、憎からず思ってるくせにさあ…。

そこからの中村倫也だもん…。下心というか傷心だったよな、間違いなく…。

エレベーターの中のかずやが可愛すぎて悶える…。虚無な感じの今野さんは、傷心で会いに来ちゃったことに後ろめたさがあったかな。互いの肩に身を預けるハグの、和哉のぴったり感と、今野の思い詰めた感じとが、美しくも切ない。最後まで今野を思いやるように見つめる和哉の目の綺麗なこと。フロアでため息をつく今野さんの内省が、ひりつくような緊張感で迫る。


大体の場面で今野さんが登場すると「…めっ…ちゃ可愛いやんけ…!!」って感動してた。

儚い系綾野剛のイメージビデオじゃない?

少女と少年と青年と見せられてる。


絶対どっかでマスターベーションのシーンが出ると思って待ち構えてしまった…。多分、暗喩くらいはあっただろうな…。


今野さんのおうちがおしゃれ可愛くて好き。絵が好きなんだなあ。いっぱい飾ってある。本も好き。ベットのヘッドボードの上もおしゃん。

全身グレーコーデでも問題なく決まる綾野剛。スタイル良すぎ。でもなんかちょっと小柄に見えるのよね、今野さん。


中盤?その前くらい?に会社やめちゃって日浅がいなくなるじゃないですか。てっきりそれでおらんくなるんかと思って、えっはや!と思ってたら、もう一回現れた。


311のあと、憔悴しきって働くところから、必死で日浅への糸口を探すようになる今野。

可能性があるならつかみたい。その切実な思いがひしひしと伝わってくる。

最後が、嫌な、そうであってほしくなかった記憶で止まっているのが、嫌だったのかな。


日浅に軽い感じで話しかけるときの柔らかい声が、綾野剛ってこんな感じなのかしら??と思わせる。「~でしょ」とか「…うん」とか。軽く笑う感じとか。


日浅が転職した後、しばらくたってから今野の目の前に現れたのは、手土産を持っていけるようになってから、と思ってのことだったのかな。ポケットに折り畳まれて入っていた表彰状は、折り畳まれて無造作に入ってる辺りは日浅だけど、あんなものを大事に持っているのは日浅っぽくないなあと思っていた。そういうものに縛られないのではないかと。でも、そんなことはなかったんだろうなあ。むしろ、人一倍、評価に敏感だったんだろうな。

(私は原作の今野の日浅評の「昔なら…」って仮定するあたりの表現が好きで、それもある意味当たるのか、と思う)

今野に仕事の成果を話す日浅はとても楽しそうだし、褒められたことを聞いてほしくてしょうがない子どものようにも見える。

それを聞く今野はなんだか寂しそう。困惑のなかにあるからかな。


最初は泊まらずに帰っていた日浅。あんな時間にアポもなく訪ねてきた割に気にする質なのか、も不思議だった。日浅はなんで今野の家に行こうと思ったんだろう。

それがだんだんトイレも勝手に借りて「寝るぞ」だもんね。
あなたさっきチュー(熱烈なやつ)されてましたけど。


水音がしてるのがすげえ…やべえ…。

日浅の言葉で印象的なのは、影のことよりも、「分からないままがいいこともある」みたいなニュアンスの台詞。ニジマスのやつ。

分からないままにしておくことで平和なこととかかな。それを言った日浅が影の濃いところを見ろ、と。日浅は今野に対して開いたんですよね。甘えたともとれるかも。開いてもこいつは逃げないだろうと踏んだか、緩みが出て開いてしまったか。

今野のことを憎からず思っていたことは確かだと思うけれど(そうじゃなきゃあの後もあんな距離で過ごさなくない?)、あの発言は弄んでるとも誘ってるともとれる。でも、今野にしたら侮辱だったんじゃないかな。日浅を好きだという身の内に流れる感情を踏みにじられたように感じたのかも。日浅はきっとそんなつもりはなかったか、甘さがあったのかなと思う。今野と同じ温度で求めているわけじゃない日浅からしたら飲む酒を変えて誘うことくらいしか手段がなくて、それ以上に修繕することはできなかった。

もー、どんどん傷ついていく今野さんが可哀想すぎてさ~…。



今野さんの可愛いシーンベスト3!(突然どうした)

3位 日浅と魚釣りをしながら笑顔ではしゃぐシーンはじめ、日浅に笑わされているところ。

2位 朝日に照らされながらジャスミンの鉢に水やりするシーン。少女!!これはなに?無垢な少女なのか!?その前のベッドに投げたされた美脚も最高に美しいです!!

1位 はにかみながら見本から目を離さず、たどたどしくさんさ躍りを練習するシーン。きゅる最上級!!


大体すべてのシーンで「かわいいッ」って叫んでるので、ベストスリーむつかしいですね!!




重苦しく、息を潜めるようにして日浅を追う終盤は、今野が痛々しくてたまらない。幽霊のよう。


コース変更は、案内が送られてたんだよね。日浅はあんなことがあっても今野に甘えた。あんなことを言っても。だって日浅は知ってる。今野が自分を好きなことを。きっと許されると思っている。申込用紙の日浅の書いた文字を見つけたとき、なあ、今野。となんでもなく声をかける日浅の声が聞こえた気がした。

おい。コース変更金額三倍じゃん!!でけえな!!!


二回目見ると、あの音楽喫茶の頃には今野は日浅を好きなんだろうなあと思うね。面白そうに愛おしそうにじっと日浅を見つめる今野。視線に温度が載る。



2014年のお祭りから今野が突如、怒りの直人ヘアになってて吹く。やめて、雰囲気は近いからマジでやめて。


あとそんな軽装でそんな林?森?に入らないで!虫刺されが心配すぎるから!!ベープもってって!!!長ズボン履け!!!!


最後は突然現れた彼氏がエキゾチック東南アジア系なのに驚かされたままに終わった感。もうちょいあっさり顔おらんかったんかいな…。宣材見たらもう少し薄顔やないか…焼かせんなや…。インパクト強すぎんねん…。

何もかももってかれんねん…。

あと今野のビジュアルと雰囲気が直人寄りなのにいつまでも吐血する。

まあ、あんな綺麗な川に入ってにこにこ釣りしてる元気な子だから…幸せそうだから…良い…。



ここからは特典映像の感想!

主にメイキングと盛岡での完成披露試写会のことです。

メイキングは突然現れる今野のガワの綾野さん!へへへへ~と朗らかに挨拶する姿。なんか、今野さんより背が高くないか?

クワガタを見つけて嬉々として報告したり、笑いながら監督と感想戦したり、あの…あのシーン練習したり…(赤面)ぎゃんかわなんです…ここ…。

松田龍平さんが、日浅だと怖いしなにもんだ?って、感じだけど、オフってると、…可愛いんだよね!

本編だとぐいんと立っているのは日浅で、ふんわりゆるりなのが今野だけど、逆だな。龍平~ってしてるのが綾野さんで、剛くん~ってしてるのが松田さん。

本編は不穏だけど、現場は平和だった。癒しだった。可愛さしかない。

役と映画に真摯に向き合う綾野さんには毎度毎度惚れ惚れします。大好きです。

(クランクアップのときに生気のない人が画角に入ってて超気になる)


完成披露試写会は、そのふんわりコンビの本領発揮、いや、トリオか…監督も入って…。なんか、平和な試写会だね。

誕生日祝われてる剛さん、可愛すぎるよ~。にこーってなって糸目になるのが可愛すぎる。でもあのケーキはどぎついねえ。そら、「食べられるのかな…」って言うよね。あ、剛さんが言ったんじゃないよ?剛さんはそれ聞いて、自分が松田さんに振ったがゆえに「オブラートに包もうねえ」って言った方よ。


あー、可愛い!なんなの!綾野剛!!

好き…(泣いてる)



原作も読んだんですけどね、二回読んだんですけどね。一回目読んだのに忘れたからまた読みました。

でもね…なんか…の、残らないんすよ。多分よくも悪くも乱されないのかな。

サラサラ読めるし、スーッと流れていく。

…ん??

どういうことなんだろね…???

どこまでも謎を残す物語…。


(あと、岩手の方々は記念として撮られてキャンペーンもはられて、の作品の中身を観た時、どんなお気持ちだったのか…)

(岩手の自然が美しいのはめちゃ伝わった)

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