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【第1回きずな児童書大賞(奨励賞を頂戴しました)】「図書室ピエロの噂」のお話
概要
もう9月末の出来事なので、期間空いてしまったのですが、8月にアルファポリス様で開催されていた、児童書のWebコンテストで、奨励賞を頂戴しました。そのお話です。応援・ご投票・ご覧下さった皆様のおかげだと思っております。本当にありがとうございます!!
奨励賞を頂いた時の気持ち
まず最初に、この作品は、色々下読みして貰うことがあるのですが、母親が「この方向性も貴方にしては新しくて面白い」と、序・一章(私が書きたかった本編)を読んでくれて(プレビュー画面です)、応援してくれたので、母親に報告しました。感謝してます。
正直、結果が分かった時は、「そっか」と、なんだか現実感が、いつも以上に欠落しておりました。というのは、落選慣れしているから――ではなくて、このお話、私の中で近年ではかなり思い入れが強く、多分、結構私自分が書いた小説の存在忘れるのですが、生涯覚えているだろうなぁと言う作品だったため、誰かに刺さって貰えるんじゃないかと思っていたので、診て頂けたんだなぁと嬉しくなり、同時に「やっぱ刺さって下さった部分もあったのだろう」と感じ、でもそれは、嬉しいと言うよりは、「分かって貰えたのが幸せ」みたいな感覚で、奨励賞頂いたからでなく、「読んで貰っていた」と感じたのが嬉しく、「そっか」となりました。そして、読んで下さってる方がいたのは、ご感想頂戴したりしたので分かっていたので、その上で選考時にも読んで頂けたのだなが「+」された状態だったので、正直結果よりも、これを期に一人でも多くの方がご覧下さるかもしれないという部分が嬉しくてたまらない状態で、なんというか「そっか」でした。うん。支離滅裂ですが、なんというか「これで本になるかもしれない!!」みたいな興奮したノリではなく、「読んで貰えて嬉しいしその機会が広がった」みたいな感覚でした。
初の児童書チャレンジ
児童書自体は、今回読んで貰った母は、国語の先生だったので、私が幼少時から絵本・児童書をすごく与えてくれたり、私が望むと購入してくれたので、読むのは好きでした。でも、正直な話、自分が書く日が来るとは思っておりませんでした。
何故書いてみようと思ったかというと、今回奨励賞頂戴したのアルファポリス様ですが、本当はエブリスタ様の賞を見ていて、途中まで書いた形です。なお別名義で、同タイトルで中身が違うライト文芸を書いていたことがあります。
それで、私としては「子供も大人も楽しめる」というのと、「成長」みたいなものを、書いてみたかったので、書きました。
新ジャンル、こういうのは、私ジャンルごとに、若干書き方も変えるのですが、児童書なので子供にもわかりやすくと考えて書きました。特に漢字を開いたり、ルビを振ったりというのは、普段はほぼしないため、新鮮でした。
自分が考えていた各テーマなど(内容)
以下、アルファポリス様の近況ボードにも書いた内容と重複します。ネタバレ含みます。
序
これは、全体を通しての、伏線&登場人物&世界観説明をまとめることを意図した導入を目指しました。なので、主に書きたいことのはじまりみたいな流れです。ここに書いてあることを全て書きたいと思った(回収したいと思った)のが、そもそもの児童書執筆の動機です。
ライト文芸時は、群像劇を検討していたのですが、どうしてもしっくりこず、水間を主人公に据えてみたモノのやはりしっくりこず、という中で、児童書というジャンルを思い立った際、あ、これは、小学生主人公ならば、いけるような気がすると、自分の中でパズルピースがはまったような感覚でした。
ちなみに序の時点などで、意識した作品は、宮部みゆき先生のブレイブストーリーです。それで何故目指したかというと、過去に、某コミュニティのS様に、ブレイブストーリーのS様観点(児童書観点)の解説を伺ったことがあって、成長や裏テーマみたいなものを、せっかく児童書を書くのだから据えたいと思ったことがありまして、許可など頂戴していないのでお名前だすのあれなのですが、個人的にはS様とお話させていただいた経験が、本作の奨励賞を頂戴できた要因の大きな一つではないかと感じております。
SeasonⅠ
さて、書きたかった本編は、これです。成長が書きたかったんです。
一応構造に触れると、
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テーマがあって、「都市伝説」「兄弟関係」「成長」が、書きたかったんだったりします。なんで、兄弟がいっぱいでてくるのですが、どの兄弟も私は気に入っています。出てくる都市伝説は、
・まっかっかさん
・トンカラトン
・トイレの花子さん
・サレババ
・読んではいけない本
・人体模型の怪
・学校わらし
・(さるゆめ風/寺生まれのTさん風/ナナちゃん)
・血を吸う桜(と、八人みさき)
・図書室ピエロ
です。結構いっぱいでてきます(._.)φ
小学生向けの都市伝説の本をいっぱい読んだのですが、解釈様々で、私の独自解釈や設定もあります。
***
と、なっております。
何故現代都市伝説をまず扱ったかというと、別に賞の告知やら流行の児童書やらを見たからではないです。たまたま、ムーの都市伝説の本を読んでいて、私の頃はなかったものや、私の頃とは名前同じなのに内容が違う都市伝説があるのが、本当に時代の変遷を感じて楽しかったため、都市伝説ならば、大人も子供も(つまり親御さんや図書館に迎える方も)楽しめるのでは亡いかという観点でした。ただ、現代で小6主人公なのは、エブリスタ様の賞の「高学年対象、現代推奨」という記事を見たときに、ライト文芸時でかいていた自作を思い出したからです。
で、当初群像劇を検討していた理由でもあるのですが、私は兄弟関係の様々な事柄が書きたかったというのがあります。それで児童書でそれを試みたのは、一人っ子も今多いですが、なんというか、私の幼少期を振り返ったときに、一番そばにいた子供が、弟で、家族の中の同年代というのは、やはり意識する存在だと常々思っており(私はブラコンなので弟溺愛してます)、いつかテーマにしたいと考えていたのだったりしてました。
世界は人の数だけ人生(物語)があると思うので、ひとえに兄弟と行っても、関係性が様々であると私は思います。そういう部分を一つ取り上げたかったという作品です。寧ろ都市伝説より、兄弟部分の方が、子供の共感得られるかなと思ってました。兄弟姉妹いなくても、想像で。
さて、成長の部分なのですが、これは
①自分は大人だと思っている子供
②大人だと思っている相手が子供だと述べた時に、ハッとする子供
③怪異に自分が子供だと思い知らされて成長のきっかけを得る
④そこから変わりはじめる
⑤事件を経て②の相手を含めて、自分なりに子供という壁を越える
というようなところが書きたかったです。
影響を与える周囲の大人がいて、だからこそ強くなっていけるような、前向きな子供が書きたいというのが本音で、でも人間ってそんなに強くないから、醜さもいっぱいあるというのを表現したいというような心境でした。
ここまでが本編で、ここまでが読んで欲しいところでした。よかったら未読の方はご覧頂けたら嬉しいです。
SeasonⅡ
これは、友情と恋愛(等身大)がテーマでした。成長してどうなったのか、という部分で、正直、成長に終わりはないと思うし、ある側面で成長した(考え方や見方が変わった)としても、日常に大きな変化が生じるかというと、そうでもない、ただし、「自分の感じ方や、それを℃代にした行動には変化が生まれる」という部分を表現したかった章です。
扱っている都市伝説は、
・生首ドリブル
・保健室の少女
・黒板じじい
・放送室の幽霊
・カミソリを持って洗面器を除くと未来の恋人が見える
・テケテケ
・裏学校
で、この中で、元ネタが存在しない、完全に私の創作都市伝説が「裏学校」となります。知ると危険な七不思議の七番目、という部分はともかく、中身だけホラーです笑
SeasonⅢ
こちらは、一体感と新しい旅立ちに向けてがテーマだと自分なりには思っています。扱っている都市伝説は、
・きさらぎ駅
・バス幽霊
・ケセランパサラン
・人面犬
・くねくね
・寺生まれのTさん
・時空のおっさん
・NNN臨時放送
で、伏線をはったものの回収の側面(本筋ではなく小ネタ)が大きいのと、あとは電車の出発と、人生としての進路みたいなのをかけたラストにしてあります。状況や表現と、今後の未来への期待みたいなモノを、一緒に表現するのが好きなのは、どのジャンルでも同じです。私が好きな終わり方としました。初めて書いた児童書なのですが、陳腐かもしれませんが、どうしてもこの終わりにしたかったので、思うがままにそうしました。
書いていて難しかったところ
こちらなのですが、ご感想やご意見で、「主人公が小学生のわりに大人」と言われがちな作品でした。が、私は「本物の小学生はもっと頭が良い」と思いながら書いていて、言葉悪いですが、よく小説って、「馬鹿でもわかりやすい、最低レベルにあわせる」みたいな言い方されますが、私としては悪意あってでなく、普段児童書を読まない子供でも初めて読めるような、とにかく簡単な文章と共感できる性格を作っていたと思っていたのに、評価やご感想は「主人公が大人びている」だったため、私は、自分の中の小学生像を間違っているのかなと思いました。そこが一番、改善すべき点かなぁとも思います。共感して欲しいのにされないというのは、これはどのジャンルでも私の悪癖です。
最後に
応援して下さった皆様、ご覧頂いた全ての皆様に感謝です。本当にありがとうございます!! また、未読の皆様、よろしければ、本編だけでもご覧頂けましたらとても嬉しいです。どうぞよろしくお願いします!
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