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VRChatでの音楽生活について

はじめましての方ははじめまして。お会いした事のある方はこんにちは。
私はVRChatにてSpotLightTalksというOpenMicBarをイメージしたワールドを運営している青猫と申します。

当記事をご覧頂きましてありがとうございます。

SpotLightTalksという場所については、私の他の記事やTwitterの[#SpotLightTalks][#VRSLT]公式タグ、アドベントカレンダー2日目の旅人ことはさんの記事5日目93Poetryさんの記事をご覧頂ければどういった場所かというのがご理解頂けるかと思います。

今はSpotLightTalksについての説明は省かせて頂きまして、ここ一年半ほど続けて来たVRChatでの音楽生活を送るに当たって感じた様々な事を、思い出しながら綴っていこうと思います。

この記事はmemexさんが主催されている【VR音楽活動のススメ Advent Calendar 2020】へと参加させて頂くにあたって書かせて頂いております。
他にもVRの音楽について様々な方が記事を執筆されていますので、お時間が許すならば、ぜひアドベントカレンダーからご覧になって頂ければと思います。

ではまず、自分自身の演奏環境の説明を行おうと思います。


私は主にサイレントギターを用いた弾き語りをさせて頂いておりまして、サイレントギターからのライン入力と、ダイナミックマイクからの音声を2CHのUSBオーディオインターフェイスにてPCに取り込んでいます。
そして取り込んだ音声はL・Rに分かれていますので、一度SyncRoomを通してチャンネルをモノラルにまとめて出力しています。
SyncRoomは普段から誰かと音を合わせたり、セッションに参加したりする時にかなり頻繁に使いますので、その流れでそのまま使っていると言った方が正しいかもしれません。

具体的にどんな機材を使っているのか?

⓵マイク BEHRINGER ( ベリンガー ) / Ultravoice XM8500

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人前で音楽を演奏するのにこんなんで良いのかな?ってぐらい安価なマイクですが、通販サイトのレビューを見て頂ければわかる通り粗悪なものではありません。
あれば何かの役に立つかと思って別の物を買うついでに買って仕舞っておいたものにはなりますが、VRCを始めた事で日の目を見る事になりました。
レコーディングをするのでもなければこんな選択肢もありだと私は思います。トラブル対処の為に2本買ってもSHURE58より安いですね。(笑)
中のスポンジを不織紙に変える事で58とほぼ同じ性能になるとかならないとか、そんな事も出来たりするマイクです。
私の場合はコンデンサマイクも所有しているのですが、雑な扱いをしても耐久性が高い点とコストパフォーマンスが高いこと、別記事で記載している自作消音器の中に仕込んで、夜中でも歌が歌えるようにとこのマイクを使用しています。

⓶TRAVELER GUITAR ( トラベラーギター ) / Ultra-Light Acoustic

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サイレントギターのひとつになりますが、本来は持ち運んで出先で演奏をする為のギターになります。
ぶっちゃけて言ってしまいますが結構弾きにくいです。普通のアコースティックギターと違ってボディーがありませんので脇に挟んで固定が出来ません。
ボディ下についてる金属のバーを太ももに載せ、左手で弦を押弦しながらネック側の重量を支える必要があります。
やむをえず本体を少々カスタムしつつ、プレイスタイルや姿勢も工夫してプレイしているといった現状です。
コード弾きでの弾き語りはそこまで苦労しないかと思いますが、ソロギター等の細やかな演奏は難易度が上がると思った方が良いです。
幸いストラップが取り付けられるので、立って弾ける人はストラップを使用する事である程度安定するかもしれません。

ただ、デメリットばかりではなく良い点ももちろんあります。
音もさほど悪いわけではありませんので、普通に演奏出来ます♪
まず軽い!1.4キロほどしかありませんので、片手でひょいっと持ちあげられます。また、サイレントギターの中では比較的安価な部類ですので、新品にも手が届きやすいかと思います。

もしこのギターを使ってみようという方がいらっしゃいましたら、微力ながらアドバイス致しますのでTwitterのDMでご連絡下さいませ。

ちなみにバーチャル空間でもこのギターを持っていまして、この3Dモデルにつきましては友人でモデラーのどっこいさんが厚意にて作成してくれました。本当にいつもありがとうございます。

⓷ ZOOM ( ズーム ) / AC-2 Acoustic Creator アコギ用プリアンプ

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サイレントギターのそのままの音だと少し寂しいので、AC-2を挟む事によって音色に変化を持たせています。
ボディ鳴りを再現してくれるのですが、再現するボディ形状が選べたり、またリバーブを掛けたりする事も出来ます。ブーストボタンがついていたり、チューナーが内蔵されているのもとても助かるポイントですね。

⓸オーディオインターフェイス
SyncRoomを使用したセッションや合奏等を行うには、遅延が少ない環境を用意する必要があります。WindowsPCでは【ASIO】という規格で通信が出来るUSBオーディオインターフェイス(以下、AIF)が必須と考えて下さい。
遅延がある状態で合奏すると、遅延している人に合わせようとして他の人の演奏のテンポがどんどん遅れていくという事態が起こってしまいます。

VRCでの音楽の始め方については、3日目のAMOKAさんの記事に丁寧な動画がありますので、ぜひご覧になって頂く事をオススメいたします。

さて私が使用しているAIFなのですが、実は2つのAIFを併用してVRChatでの音楽生活を楽しんでいます。

1.VRChat音声用AIF Sound Blaster X-Fi Go! Pro

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2.演奏用AIF FOCUSRITE ( フォーカスライト ) / Scarlett 2i2

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この二つのAIFを同時に接続する事によってPC内の設定項目をシンプルにする事が出来て、PCの動作が安定する様にして音声トラブルを出来る限り防いでいます。

⓹ヘッドセットもしくはイヤホン+後付ピンマイク
ちなみに私はHMD(Oculus)の音回りは不安定な印象を受けますので、全く使用しておりません。VRモードの時はイヤホンと後付けピンマイク、デスクトップモードの時はヘッドセットを使用しています。

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簡易的な接続図を書いてみましたので、参考にしていただければ幸いです。
まず演奏側ですがギターをAC2を通してScarlett2i2へ送り、ダイナミックマイクも同様にして、AIFからPC内SyncRoomに入力しまして、そこからSyncRoomAudioDriverを使ってTopazChatStreamerへ出力し、TopazChatのサーバーへ送られます。
そしてVRChat内ワールドに設置されたTopazChatPlayerがサーバーからストリーミングを受け取って低遅延・高音質でワールドに演奏が流れるという訳ですね。

VRChat側は通常VRCをプレイするのと同じく、ゲーム内音声とボイスチャットが出来る様に設定します。そしてそれぞれのAIFからのアウトプット(SyncRoomのモニター・VRChat内の音声)を分岐ケーブルを使って物理的に一つにまとめています。
試した事はありませんが、VRChat側はおそらくUSB-AIFじゃなくて内蔵サウンドカードを利用しても出来ると思います。

演奏側用とVRChat用が完全に別系統になったとてもわかりやすいシステムとなっています。

余談ですが、X-Fi Go! PROにはボイスチェンジャーやエコーを掛けるソフトが付属していたりしますので、VRChatで音声を変えて遊んだりしています。
値段もリーズナブルですし、とりあえず会話する為のAIFとしてもおススメです。

画像7イヤホンまたはヘッドセットで聴く音をまとめる為にこの様な分岐ケーブルを使用しています。

アウトプットをケーブルで直接繋ぐと、AIFの機種によっては不具合が起きる可能性もありますので、使用される際は十分ご注意をお願い致します。

話が逸れますが、今現在TopazChatのサーバー代等はよしたかさんが負担してくれています。今ではVRChatでの低遅延・高音質な演奏には欠かせないモノになっていると思います。
VRCでTopazChatを頻繁に利用される方につきましては、もしよろしければFANBOXを経由してTopazChatの安定した運営をご支援頂ければと思います。( FANBOX: https://www.pixiv.net/fanbox/creator/2489593

VRで演奏するという事

VRで演奏していて感じる事は本当に沢山あるのですが、特にお伝えしたい部分をピックアップさせて頂こうと思います。

まず一つ目。ランニングコストが安い!

リアルでの演奏経験がある方はよくわかって頂けると思いますが、演奏する事に掛かる費用がリアルよりかなり安いです。
楽器を運搬する・自分が移動する・場所を確保する・お客さんに来て貰う等々、リアルで演奏するとなると様々な費用と時間が掛かりますが、VRChatでの演奏の場合では、スタジオでないと音出しが出来ない楽器を除いて楽器や自分が移動する必要はありませんし、場所についてはパブリックワールド(有志の方がアップロードしてくれている共用ワールド)を使用すれば場所のコストはゼロですし、お客さんも自宅から参加出来ます。


練習するにも人前で演奏するにも、前もって大がかりな準備をする事もなく、自宅から気軽に音楽を楽しむ事が出来ます。

実際に私はほぼ毎日自分が参加しているユニットの練習を自宅から行っていますし、毎週末コンスタントに50人弱の人の前で演奏が出来ています。

リアルでは有り得ない事ですよね。社会人ともなると頑張っても週2回の練習に月1回のライブぐらいでしょうか。それに練習の頻度を上げるたびにコストが増えていきます。

VRChatで音楽を始めるときに多少は多めにイニシャルコストが掛かるとはいえ、VRChatはデスクトップモードであればある程度の性能を持ったPCがあれば始められますし、通常の活動に掛かる費用・時間を考えれば比較的安価に済むと思います。

そして二つ目。人前で演奏出来る機会が多い!

前述の通りコストが安く準備に時間が掛かりませんので、演奏する事へのハードルがかなり下がります。すると空いた時間を利用して即日参加OKのイベント等に思い付きで出演する事が出来ます。
度胸がある人ならばパブリック(共用スペース)に出て、その場でストリートライブという形をとる事も出来ます。

自分で一人気ままに演奏するのと、誰かの前で演奏するのでは緊張感が段違いなのは想像に難くないでしょう。
特にVR空間ではアバターとはいえ実際に見られている感がありますので、HMDを被っている状態だとリアルと感覚はそんなに変わりません。

その様な状態に身を置くとどうなるか?

やっぱりみんな緊張するんですよね、そして失敗してしまう事も多々出て来ます。
ただ、この経験って本来ならリアルでライブをしなければ得られない事であって、それが自宅に居ながらにして経験出来て、しかもミスをしても挽回するチャンスが毎週末訪れます。

緊張して失敗してしまった!とか、練習が足らなくてミス連発した!!とか、悔しい思いをしても次がすぐにやって来るので凹んでいる暇があまり無いんです。
そうすると、今回はミスしたけど来週末は絶対良い演奏してやる!っていう練習のモチベーションに変わっていきます。
そしてその結果ステージで良い演奏が出来たら、よっしゃ来週もやってやるぞ!ってなるんですよね。

実際自分が主催しているイベントでも、本当に凄いスピードで上達していく人を目の当たりにしていますし、自分自身も演奏に対する意識がかなり変わりました。楽器の上達の為そしてステージの場数を踏む為に、VRChatは本当におススメできます。

次は三つ目。気軽に音を合わせる事が出来る!

VRChatの音楽シーンでは、YAMAHAのSyncRoomを使って気軽にセッションを楽しむ人が沢山いらっしゃいます。かく言う自分もVRChatに入ってからセッションに参加させて頂く様になりました。

その場で曲を決めて演奏するセッションや本格的なジャズ・ブルースセッションも行われていますが、まだ難しいと思われる方にはAmbientflow.Kuさんが主催されている「おとあそび」という誰でも入りやすいセッションも行われていますので、ぜひ調べてみて下さい。

またVRChatのセッションでは、時折その場限りの面白い光景を目にする事が出来ます。
フルトラッキング(全身トラッキング)で踊るダンサーさんが入って演奏に合わせて踊ってくれたり、ワールドに仕込んであるパーティクルを音楽に合わせて出して幻想的な景色を生み出したりと、これまでも本当に奇跡の様な瞬間を沢山見る事が出来ました。

前述のAmbientflow.Kuさんがその一つを動画に残してくれていますので、もしよければご覧になって下さいませ。
SLT - Autumn Music Concert Day2 Final [放送用字幕版][音質向上版]

一人で演奏しているだけでは感じる事が出来ない、他の誰かと音を合わせた時の楽しさや嬉しさ、ぜひ体験して欲しいと思います。

最後に4つ目。初心者にもやさしい世界!

VRChatではそれぞれがお互いに褒め合うという文化が根付いています。
まだまだ拙いパフォーマンスだとしても、みんなその努力を見てくれてきちんと褒めてくれているという場面を、あちこちで目にする事が出来ます。

ミスしてもみんなちゃんと良かった所を褒めて伸ばそうとする姿勢がありますので、過度に凹んでいる人を見る事はあまりありません。

そういったやさしい世界だからこそ、チャレンジしてみる事へのハードルが低くなっているんだと思います。

私の周りでも楽器をまたやろうかなとか、楽器買ってはじめてみました!とか報告をされている方が時折居らっしゃるので、本当に素晴らしい事だと思っています。

もし自分も音楽やりたいけどどうしようかな?と迷っている方が居るならば、やった方が良いと自信を持って伝えたいです。
確かに楽器を習得する事がカンタンだとは言えませんが、音楽をやる事にもう遅いという事はありません。ぜひ一緒に音楽を楽しんでみませんか??

もちろん聴くのが好きな方も大歓迎ですので、もしよろしければぜひVRChatの音楽に触れてみて頂ければと思います。

音楽を聴く側にもたくさんのメリットがあって、ただ書き始めるとまた長くなってしまいますので、アドベントカレンダーの別の方の記事に記載される事を期待して、今回は控えようと思います。

最後に。

最後までお読み頂いた方は大変お疲れ様でした。
そしてお読み頂いてありがとうございました。

冒頭にも書きましたが、私はVRChatの片隅でSpotLightTalksというOpenMicBarを運営させて頂いております。

最近ではVRChatでの演奏に不慣れな方向けの時間帯を作ったりして、VRChatの音楽シーンを盛り上げる為に精力的に活動しております。

OpenMicBarというのはその名の通りマイクをオープンにしているバーという事で、来場者がマイクを持ちステージに上がれる場所という事です。
もちろんこの記事を見ている方でも、ステージが開いていればいつでも演奏をして頂く事が出来ますし、またご来店頂いてゆっくり演奏を聴いて頂く事も出来ます。

毎週土曜日23:00~ VRChat内 OpenMicBar SpotLightTalks

それでは皆様のご来場を心よりお待ちしております。

2020/12/07
SpotLightTalks店長
青猫/AONEKO

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