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vol.48 初めて猿島に行ってきました。

先月、両親が長野から上京したので、弟も呼び久々の家族ご飯会を開催しました。唐揚げ、鴨肉、魚…たくさん注文して、一瞬で食べ物が消えていきました。みんなフードファイターです。特に母は、満腹という感覚があまりなく、どんどん食べることができるので羨ましいです。

ご飯会中、父から「明日は猿島へ行く」と聞き、私もついていくことにしました。神奈川県横須賀市にある無人島、猿島。ずっと前から行ってみたかったのですが、なかなか腰が上がらず…。「これは良い機会だ!」と思い、その場で猿島へのフェリーや、猿島の入場券をネット購入しました。猿島への旅の準備完了です!

ただ問題なのは、集合時間です。父からは、「横須賀中央駅に10時30分集合」と言われ、愕然としました。朝が苦手な私にとって10時台は早朝だからです。両親に「朝、電話して起こそうか?」と心配されましたが、一人で頑張って早起きし、なんとか集合時間に間に合いました。早起きできた自分を褒めたいと思います笑。

猿島は本当に綺麗な場所でした!ジブリ映画「天空の城ラピュタ」に出てくる廃墟になった庭園に迷い込んだような気持ちになりました。大自然の中に何百年前のレンガが苔に覆われていたり、煉瓦造りの長いトンネルがあったり、まるで時が止まっているかのようでした。

島に着いたら、最初にガイドツアーの方に猿島の歴史を教えてもらいながら、島内を一周しました。2周目は家族だけでゆっくりと。私の理解度がとても低いので、ガイドツアーの方からの説明を1回聞くだけでは十分に理解できず、2周目の時に父にもう一回ガイドツアーしてもらいました笑。なぜ父は1回話を聞いただけで、全て理解し、覚えてしまうのでしょうか。本当にすごいです。父の理解力、私も習得したいと切実に思いました。

猿島への行き帰りは、フェリーに乗りました。私は海のない場所で育ったためか、海を見るとテンションが上がります。しかもフェリーにも乗れたので「わあああ、海の上を走ってる!」とわくわくしながら、乗っていました。乗船中、航跡(フェリーが走った後に残る、波や泡のあと)を眺めていたら思い出した作品がありました。鈴木康広さんの《ファスナーの船》という作品です。

この作品は、鈴木さんが飛行機の窓から東京湾を見下ろした時、海の上を進んでいる船とその航跡がファスナーにみえたそうです[1]。船のファスナーが海(地球)を「開く」ようにみえたのをきっかけに《ファスナーの船》(2004年)が作られました[1]。

《ファスナーの船》は、2010年に瀬戸内国際芸術祭にて瀬戸内海を、2018年以降は隅田川で地球を開きました。この船は、人も乗船できるそうです。席はお見合い席となっており、人が座るとエレメント(ファスナーの噛み合う金具部分)のようにみえるそうです[2]。いつか《ファスナーの船》に乗れたら嬉しいです。

もうすぐ夏本番!夏休みはどのように過ごしますか?海や川に行き船に乗ったり、飛行機で旅行したり…海を上空や船の上から眺める機会があるかもしれません。船を見つけたら、《ファスナーの船》のように船がファスナーに見えるか眺めてみるのも良いのかもしれません。

鈴木さんは他にも、綿棒が入ったケースを照明に見立てた《綿棒の照明》(2000年)や、キャベツの葉に水が溜まっている様子を見て、「キャベツに”器”が潜んでいるのでは?」[3]という考えから《キャベツの器》(2004年)を発表するなど、私たちが一般的に認識しているものから別のものに変身させています。鈴木さんのように「日用品や普段目にしているものから、違うものに置き換えてみたら何になるのだろう?」と想像すると、違う風景がみえてきそうで楽しそうです。

<引用>
[1] ”Opening the River”. 隅田川 森羅万象 墨に夢.2020.
https://sumiyume.jp/event/zipfastenership2020/, (参照 2024-06-16).
[2]”ファスナーの船”. YASUHIRO SUZUKI. http://www.mabataki.com/works/ship-of-the-zipper/, (参照 2024-06-16).
[3]”キャベツの器”. YASUHIRO SUZUKI. http://www.mabataki.com/works/cabbage-bowl/, (参照 2024-06-16).
<参考文献>
[4]鈴木康広(2015). 『近所の地球』.青幻舎.
[5]鈴木康広(2011). 『まばたきとはばたき』.青幻舎.

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