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保活ガイド~何から手をつければいいかわからない人のために保活のやり方・スケジュールを完全解説~

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一人目の子どもの出産を控え、本当は嬉しいことなのに、保育園に入れるかどうか不安でたまらない…。

それが一人目の子どもを妊娠したときの私の心況でした。
子どもが生まれて保活をしだしてからも、その不安は保育園が決まるまで(息子が1歳半になるまで)常にあり、育休中の最大の関心事だったかもしれません。

本当はそんな不安になることに時間を割いてほしくない、というのが、過去の私と同じような、これから保活をする人達への願いです。

長男を1歳児クラスに入れる為に保活をし、認証保育園を経て認可保育園に入園させることができた経験を持つ私が、これから保活をする人に向けて、保活において何をしたらいいか、ポイントをガイドしていきたいと思います。

このガイドが目指すこと

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1.これから保活を始める人が、何をすべきかが分からずに不安な状態にならないよう、やるべきことを明確に示す

私が経験したことを踏まえて、何をすべきかをまとめていきます。
やることを全てやったとしてもまだ不安は残るかもしれませんが、まずは何をしたらいいかを把握し、実行することを、心の負担が少なく始められるようになることを目指します。

2.父親も母親と同じく、保活において考える主体となって動けるようになる

これは私が思っていた不満なのですが、「私ばかりが保育園のことについて考えている」と保活をしている間思っていました。
もちろん夫も、保育園の見学に一緒に行ってほしいときや、私が体調不良のときに代わりに見学に行ってくれたりはしました。
しかし、主体となって考えていたのは私で、私が言わなければきっとなにも進まないんだろうなと感じていました。

考えているのは私だけで、保育園に息子を入れられないかもしれない=仕事に復帰できないかもしれない、という不安を一人で抱えており、夫と「あなたは何も考えてくれていない、わたしばっかり考えているじゃないか」とけんかをしたこともありました。

子供を保育園に入れられるかどうかは、妻だけの問題ではありません。
子供が保育園に入園できなかった場合、仕事に復帰できずに最悪の場合は退職することになるかもしれませんが、そうなった場合、直近の収入だけではなく、将来の収入も減ってしまうでしょう。
また、妻が仕事で成長したいと考えている・仕事が好きな人の場合、家庭に入ることによってフラストレーションが溜まることもあるでしょう。その場合は、一緒に家族の幸せを目指して家庭を運営していく夫としては、見逃せない問題になってきます。

世の旦那さん方は、仕事があるから保育園のことは妻に任せたいという思いもあると思いますが、妻のほうも育児休暇中であっても、日中は家事育児があるため働いているとき以上に自分の時間がありません。(仕事をしていたら昼休みに好きなことをする時間がありますが、小さな子供がいると子供の昼寝中には夕飯の支度をしないといけないなどで、本当に自分の時間がありません)

このガイドでは何をするべきかを明確に示していきますので、ぜひ旦那様も保活において考える主体となって、負担は2人で分け合うことで半分にしましょう。

このガイドの使い方

最初にやること①~⑦まで確認していただき、実際に見学や申込などはいくつもの保育園に連絡を取りながらやっていくことになります。

このガイドの前提として、第一子の保活を行う、認可保育園が第一希望の人がやるべきことという内容で書いています。
(認可保育園というのが何なのかは後ほど説明していきます)

認可保育園が第一希望ではなく、入りたい保育園が認証や無認可の場合は、後で説明する保活のスケジュールなどにある認可保育園の申し込みなど、認可に関する部分を飛ばして読んでください。

やることまとめ
やること①:保育園の種類の把握
やること②:保活のスケジュールを把握する
やること③:保活のための情報収集・戦略を立てる
やること④:保育園の見学をする
やること⑤:認可保育園の申し込み
やること⑥:認可の結果がでたら→入園の場合
やること⑦:認可の結果がでたら→待機の場合

やること①:保育園の種類の把握

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では、早速やること①です。
保育園の種類は大きく分けて3つです。

・認可保育園
・認証保育園
・無認可保育園

、、、初めて聞く方にはその違いがわかりませんよね。

保育園にも行政に認められているかによって種類があり、それぞれ特徴が違います。
まずはその違いを把握することが保活の第1歩なので、保育園の3つの種類について解説していきます。

認可保育園

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 認可保育所とは、児童福祉法に基づく児童福祉施設で、国が定めた設置基準(施設の広さ、保育士等の職員数、給食設備、防災管理、衛生管理等)をクリアして都道府県知事に認可された施設です。
保護者が仕事や病気などの理由で、0歳~小学校就学前の子どもの保育ができない場合に、子どもを預かって保育します。区市町村が運営する公立保育所と社会福祉法人などが運営する民間保育所(私立)がありますが、認可保育所は公費により運営されています。
出典:福ナビ 東京福祉ナビゲーション「認可保育所と認証保育所の違い」

認可保育園の特徴としておもに下記があります。
・国が定めた設置基準をクリアし、都道府県知事に認可された施設
・公立と私立がある
・申し込みは住んでいる各自治体へ
・入園の選考基準は各自治体で決められている
・保育料は収入に応じて決められる

私の住んでいる江東区は保育園が多くありますが、駅から比較的近く利便性が高かったり、園庭がある保育園はほとんどが認可保育園で、人気が高いです。
私も保活中は、認可保育園が第一希望で、落ちたら認証か無認可保育園に入れる、という希望順位でした。

入園の申し込みは、年度初めの4月入園(4月が年度初めなので入園できる枠が一番多い)に申し込む場合、前年度の秋ごろ(10月~11月頃)に申込期間が設定され、その期間内に各自治体へ申込をすることになります。
申込期間は各自治体によって違うので、お住まいの自治体の情報を確認してください。

入園の選考基準は、多くの自治体で親の就労状況や家庭状況を点数化して、点数の高い順に入園が決定されるしくみになっています。どういった基準で何点になるかなどは自治体ごとに異なり、複雑なので、後ほど別の項目で説明します。

認証保育園(東京都)

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「認証保育園」(正式には「認証保育所」)は東京都独自の基準を満たした保育園です。東京都以外の市区町村でも、認可保育園以外の保育園を独自の基準で認めている自治体は多く、呼称は自治体ごとに異なります。

これに対し認証保育所は東京都独自の制度です。
国の基準による従来の認可保育所は、設置基準などから大都市では設置が困難で、また0歳児保育を行わない保育所があるなど、都民の保育ニーズに必ずしも応えられていませんでした。
そのため東京都では、東京の特性に着目した独自の基準を設定して、多くの企業の参入を促し事業者間の競争を促進することにより、多様化する保育ニーズ応えることができる、新しい方式の保育所、認証保育所制度を創設しました。
A型(駅前基本型)とB型(小規模、家庭的保育所)の2種類があります。
出典:福ナビ 東京福祉ナビゲーション「認可保育所と認証保育所の違い」

認証保育園の特徴としておもに下記があります。
・東京都が定めた設置基準をクリアした施設
・申し込みは各認証保育園に直接おこなう
・入園の選考基準は各認証保育園でちがう
・保育料は各認証保育園が自由に設定できる
・自治体から保護者への補助金があることがある

認証保育園は見学を申し込み方法も、入園の選考基準も、保育料もすべて各園それぞれで違います。
私はそれを把握しておくのがけっこう大変でした・・・
しかし、認可保育園に入園できなかった場合に備えて、認証保育園の見学・申込も非常に大事になってきますので、各認証保育園の情報を管理しやすくする方法は後々記載します。

補助金に関してですが、私の場合は長男が認証保育園に通っている間は、住んでいる江東区から補助金をもらっていました。
長男の通っていた認証保育園は比較的ほかの認証より安く、補助金をあわせると、認可保育園より少し高いくらいの金額で通わせることができていました。
補助金の有り無しや、どのくらいの金額がでるのかなどはお住まいの市区町村によってちがうので、チェックしてみて下さい。

無認可保育園

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無認可保育園とは、市区町村などの認可を受けていない保育園のことです。

文字通り"認可されていない"保育園です。色々な施設があって、24時間保育をしていたり、保育方針が特徴的だったり、オプションでいろんな習い事ができるような人気園もあります。
認可保育園だと、補助金がもらえる代わりに「園児を選べない」「保育料の上乗せ不可」など縛りも発生しますので、あえて無認可のままで運営している園もあります。玉石混交で中には残念ながら劣悪な保育環境の園もあるようです。
出典:スゴいい保育「認可保育園と無認可保育園。保育を語るときに必ず知っておきたいこと」

認証保育園と同じように、無認可保育園は申込方法、選考の基準、保育料などが各園それぞれでちがいます。
保育料は自治体からの補助がないため、高額になることが多いです。

私の家の近くにも無認可保育園があり、申し込みをしました。
ただ、見学をしたときに、園児たちが昼食を食べる部屋が狭かったり、保育師が園児に「うるさい」と言っていたりしたのを見て、できれば通わせたくないな・・・と思っていました。

ただ、そこの園は申込金3万円がかかりましたが、申し込んだ時点で4月から入園できる枠を確保できたので、どこにも入れなかったらどうしようという不安はなくなり、精神的にすごく楽になりました。

その後、申し込んでいた別の認証保育園に入園できることになったので、その無認可園には入りませんでした。

まとめ:保育園の種類

今まで説明してきた保育園の種類をまとめると下記です。

認可保育園=国の基準をクリアし、認可を受けている
        申込先:各自治体
認証保育園=認可保育園ではないが東京都の基準をクリアしている
        申込先:各保育園
無認可保育園=どこからも認可を受けていない
        申込先:各保育園

これから、他のやるべきことを説明する上で基盤になる情報ですので、覚えておいて下さいね。

やること②:保活のスケジュールを把握する

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次は、どの時期に何をするべきなのかをお伝えしていきます。
一度保活を経験した私がベストだと思うスケジュールは下記です。

妊娠前~出産:
・保活のための情報収集・戦略を立てる
 (・認可保育園のしおり入手
  ・自分たちの点数確認
  ・通える園の洗い出し)
・認証・無認可保育園(認可保育園)の見学、申込方法の確認(申込)
出産~入園前年度の8月頃:
・認可保育園の見学
・見学できていない認証・無認可園の見学・申込
入園前年度の9月~11月頃:
・認可保育園の申し込み
入園前年度の2月頃:
・認可保育園結果発表
・不合格なら認可外保育園の手続き

では、それぞれについてなぜこの時期がいいのか説明していきます。

妊娠前~出産:情報収集、戦略を立てる、認証・無認可保育園の見学(申込)

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妊娠前から出産するまでにここまでこなす人は、保活において相当意識が高いです。

私も情報収集は妊娠中にしましたが、見学は産まれてから行っていました。

しかし、一度経験してみると、もっと早く見学に行きはじめるのがベストだったと感じています。
なぜなら、認証保育園や無認可保育園の申込方法は園によって違いますが、入園の選考基準が先着順のところが多いからです。

先着順の園で入園の確立を高めるには、早く申込をするのが一番です。
申し込みがいつからできるかも園によって違いますが、産まれたら申し込みできるところだと、出産前に見学していて、産まれてすぐに申し込みをするのと、産まれてから外出できるようになってから見学・申し込みをするのとだと、やはり産まれてすぐに申し込めた方が入園できる確率は上がります。

そして、見学の前に「情報収集、戦略を立てる」を入れています。

この理由は、認証・無認可園への申し込みの必要性を判断するためには、住んでいる地域で自分の家庭がどのくらい認可保育園に入りやすいのか、自分たちの点数を役所に確認するなどの情報収集をする必要があるからです。

また、入れるかどうかのギリギリのライン(いわゆる「ボーダーライン」)ならば、認証・無認可園への申し込みも必要で、さらに、認可園への入りやすさを上げる為にできる事があれば検討するという、戦略を立てることも必要になってきます。

出産~入園前年度の8月頃:認可保育園の見学・見学できていない認証・無認可園の見学・申込

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認可園の見学は、認証・無認可園の見学よりも遅い時期でいいと考えています。
というのも、認可園の見学は、認証・無認可園の見学よりも優先順位が低いからです。
認可園の申し込みは役所にするので、見学時期が遅くなっても入園の可能性に影響しないからです。また、認可園のほうが見学の予約がとりやすい傾向にあります。

そして、もしこの時期に見学できていない認証・無認可園がある場合は、なるべく早めに行って申し込みをした方がいいです。
私が本格的に保育園の見学に行きはじめたのはこの時期で、長男が生後6ヶ月になった4月~8月頃でした。
長男が入園できた認証保育園(選考基準は先着順の園でした)には、8月に見学に行って申し込みをしていましたが、9月に行ったママ友達は入れなかったと聞きました。

入園前年度の10月~11月ごろ:認可保育園の申し込み

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こちらはこの時期がいいというよりは、この時期にあるやるべきことですね。
お住まいの自治体によって、この認可保育園の申し込みの時期は異なりますので、ご確認ください。

子供を年度の始まりの4月から保育園に入園させたい場合、私の住んでいる江東区では毎年この時期に募集受付をしています。
(募集要項である「江東区保育園等入園のしおり」は9月頃から区役所や区の出張所で配布されます。区のHPからダウンロードもできます。)

特に4月に入園させたい訳ではない場合、年度途中の申し込みもできますが、年度途中に入園ができるのは欠員が出た場合に限られるので、ほとんどの場合は仕方がなく4月入園を希望するという状況になると思います(私もそうでした)。

ちなみに、この時期の募集は一次募集の受付です。一次募集期間を過ぎると二次募集の対象となってしまいます。
二次募集は一次募集で欠員や辞退が出た場合の募集になるので、一次募集と比べると入園のチャンスはかなり低くなってしまいます。

受付方法はほとんどの自治体が郵送での受付はしておらず、直接窓口にてかと思います。
募集の受付期間の最後のほうは役所の窓口が混み合いますので、早めに行かれることをおすすめします。ただでさえ小さい子を連れて役所に行くのは大変なので。。
提出書類には勤務先の会社に書いてもらうものもあるので、早めに準備するのがいいと思います。

入園前年度の2月頃:認可保育園結果発表・待機なら認可外保育園の手続き

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認可保育園の4月入園の結果発表は毎年2月ごろとなっています。こちらも自治体によって日にちは多少違います。
(江東区では毎年2月の初旬です。)

江東区の場合、最初の結果発表は「一次利用調整」の結果で、待機となった場合はそのまま二次利用調整の対象となります。二次調整結果の発表は3月初旬となります。

一次利用調整の結果が待機の場合、認証・認可外保育園の入園の手続きをします。
手続きの方法は保育園ごとに異なりますので、見学や事前に問い合わせた際に把握しておきましょう。

私が経験したのは大きく分けて下記の2つです。

1.認可保育園の結果発表後に説明会が開かれ、入園の申し込みをする認証保育園
2.事前に申し込み(待機の登録)をしており、特に手続きはいらない認証保育園

1の場合、次年度の入園希望の受付はそのときだけだったので、ものすごい数の人が参加していました。

2の場合、本当に待つだけでした。長男が入園したのはこの2のパターンの園でしたが、内定の連絡が来たのは3月に入ってからでした。

認証・認可外保育園の次年度の入園人数は、在園児の認可保育園の結果次第で決まるので(どのくらいの人数が認可保育園に移るのかがわからないと決められない)、ほとんどの認証・認可外保育園の入園選考・内定連絡は、認可保育園の結果発表の後になります。

認証・認可外の内定の連絡がすぐに来ない場合も多いと思いますが、自分の順番がどんなに遅くても希望はあります。
なぜなら、みんな複数の園に併願して入園申し込みをしているためです。待機している人の中には認可に決まった人や、別の認証に決まった人も含まれています。保育園側はその人たち1人1人に電話連絡をして入園の意思を確認しているため、時間がかかります。

もし認可保育園や認証保育園などで通う園が決まったら、他の申し込みをしている園には申し込み取り下げの連絡をしましょう。
(通う保育園が決まると安心して忘れてしまうのですが。。)

やること③:保活のための情報収集・戦略を立てる

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スケジュールを把握したら、早速実際のやることに入っていきます。
まずは情報収集、戦略を立てます。
そのためには下記をする必要があります。

・認可保育園の入園のしおり入手
・自分たちの点数確認
・ボーダーラインをもとに戦略を立てる
・通える園の洗い出し

順番に見ていきましょう。

認可保育園の入園のしおり入手

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この入園のしおりとは、認可保育園の利用案内のことです。
(各自治体で呼び名は異なりますが、ここでは「しおり」と呼ばせていただきます。)
このしおりには認可保育園を利用できる期間、入園の選考基準や保育料、各保育園の情報など、認可保育園の利用に関する情報が記載されています

このしおりがなぜ必要かというと、これをもとに入園の選考方法と自分たちの世帯の点数を確認していくからです。
このしおりはけっこうな情報量があり、一度全てに目を通すのが望ましいのですが、まずは自分たちの世帯の点数がどのくらいになるのかについて書いてある箇所を確認し、点数が何点になるのかを確認するだけでもいいでしょう。

入園のしおりは役所の保育課で配布しています。
また役所のHPからでもダウンロードできる所もありますので、お住まいの自治体のHPを確認してみて下さい。

入園希望年度のしおりがまだ配布されていない場合、今回は点数を確認する目的なので、前年度のしおりでも大丈夫です。
ただし、選考基準など変更がある場合もあるので、入園希望年度のしおりが配布開始されたら、入手して目を通しましょう。

自分たちの点数を確認する

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自分たちの世帯の点数が何点になるか確認する前に、まず認可保育園の入園の選考方法を説明していきます。

認可保育園の入園の選考方法

ほとんどの自治体が入園の選考方法として、世帯の就労状況や家庭状況を指数化(点数化)し、指数の高い世帯から入園を決定する方法をとっています。
指数が同点の場合は、定められた「優先順位」によって入園を決定します。
(※ここでは東京都江東区を例にとって説明していきます。)

認可園の入園の選考方法
①各世帯を指数化する
  指数=「基準指数」+「調整指数」
   →指数の高い世帯から入園を決定
②指数が同点の場合
   →「優先順位」によって入園を決定

指数は「基準指数」「調整指数」の合計で決まります。

「基準指数」は、保護者がなぜ保育を必要としているのか、その状況によって決められます。
例えば江東区の場合、「就労で外勤(自宅以外)」、「月20日以上で週40時間以上の就労を常態」としている場合、基準指数は12となります。フルタイムで勤務している場合はこちらにあたります。

「調整指数」は、保護者や児童個人の状況によって加算される指数です。
例えば江東区での調整指数の対象になる状況をいくつか抜粋すると、下記のようなものがあります。

・保護者が江東区の保育園に勤務している(勤務する予定)の場合:+1点
・ひとり親世帯または父母不存在世帯(祖父母同居を含む)の場合:+2点
・1歳児クラス以上に申し込みの方で、育児休業復職予定の方の場合:+2点
・希望する保育園に兄弟姉妹が在園している場合:+2点
・申し込み児童を認証・認可外保育園に預けている場合:+2点

例えば、両親ともにフルタイムで働いており、妻が育児休業から復帰して1歳児クラスに入園を希望する場合、江東区での指数は下記のようになります。
【基準指数】   【調整指数】 【指数】
父:12点  +    2点   =26点
母:12点    (1歳児クラス以上に申込、育児休業復職予定の方の場合:+2点が適用)

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そして、もし希望する保育園の1歳児クラスの定員以上に26点の世帯が並んだ場合、「優先順位」によって入園が決まります。
例えば、江東区の優先順位を高いものから順に下記に抜粋します。(「平成31年度江東区保育園等入園のしおり」から抜粋)

■江東区の優先順位
①江東区民であること
②ひとり親世帯または父母不存在世帯
③単身赴任世帯
④世帯基準指数の高い世帯
⑤児童を職場同伴していない世帯
⑥小規模保育園の2歳児クラスの卒園に伴う翌年度の4月転園申込の場合
⑦南砂第五保育園の2歳児クラスの卒園に伴う翌年度4月転園申込の場合
江東区民が江東区以外の保育園に在籍している場合で入園希望月から継続要件がないとき
⑧希望する保育園等に兄弟姉妹が在園している場合
⑨保護者の事由が、障害・疾病・介護・災害のいずれかである場合
⑩養育している児童(18歳未満)の人数の多い世帯
⑪区内に65歳以下で保育にあたることができる祖父または祖母のいない世帯
⑫経済的困窮度の高い世帯(平成30年度の市区町村民税で判断します)
⑬江東区に引き続き居住している期間が長い世帯

指数が同点の場合は、上記の順位によって入園が決定されます。

例えば、18歳未満の子供が2人の世帯と、1人の世帯が同じ点数で並び、優先順位①~⑨の状況が同じである場合、優先順位⑩によって子供が2人いる世帯の方が優先順位が高くなります。

このように、指数=「基準指数」+「調整指数」で点数化された後、
同点であれば「優先順位」によって、入園が決定されます。

東京都江東区を例にとって入園の選考方法を解説しましたが、お住まいの自治体によってどの条件で何点になるかや、優先順位の内容は異なります。

次で解説する「ボーダーラインをもとに戦略をたてる」際に自分たちの指数が必要になってくるので、ご自分の世帯の指数が何点になるかを確認してみてください。

可能であれば、役所に出向いて自分たちの世帯の指数を確認できるといいと思います。
というのも、私はしおりだけを読んでいても、「「週40時間以上の就労」の就労というのは休憩時間も含めるのか?」といった細かい所がわからず、問い合わせた経験があるので、疑問点はまとめておいて役所の担当者に聞くのが確実です。
(ちなみに、江東区では休憩時間も就労時間に含めますとの回答でした。平成30年11月現在も変わりません。)

ボーダーラインをもとに戦略をたてる

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次は自分たちの指数と、通える範囲の認可保育園のボーダーラインを比べて、それをもとに戦略を立てましょう。

まずボーダーラインとは何かですが、それぞれの保育園に入園できた人のなかで、最も低い点数のことです。

ボーダーラインが公表されている場合、昨年度の実績なので、人気によって変動するので申し込む年度もそのボーダーラインになる訳ではありませんが、戦略を立てる際の参考にはなります。

例えば、A保育園の1歳児クラスの平成30年度のボーダーラインは「26点(優)」だったとします。
これは26点の世帯が並んで、優先順位によって決まりましたという意味です。
この場合、指数が24点の世帯は申し込んでいても入園できていないということになります。また、26点の世帯でも、優先順位が低い場合は落ちてしまっています。

ちなみに保育園ごと・クラス年齢ごとのボーダーラインは公表している自治体としていない自治体があるようです。公表している自治体はHPに表があることが多いので、HPを確認してみてください。
公表していない自治体は、窓口や電話で問い合わせると、担当者によっては教えてくれるかも知れません。。

では、家から通える範囲の認可保育園のボーダーラインと、自分の世帯の指数を比べてみましょう。

ボーダーラインの点数を超えていれば、次年度も入園できる可能性は高いことになります。
ボーダーラインと同じ場合は、優先順位で落ちる可能性があります。
ボーダーライン未満の場合は、普通に申し込んでも落ちる可能性が高いでしょう。

考えられる戦略①:認可外加点をねらう

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ボーダーライン未満か、ボーダーラインと同点の場合、加点になる項目があり、その対策を取れる場合は検討してみましょう。

例えば、多くの市町村で加点になる一般的な例でいうと、認可外施設に預けて職場復帰している場合、加点がつく場合があります。これを一般的に「認可外加点」といいます。

(江東区でもこの認可外加点は2点加点になりますが、1歳児クラス以降では育休復帰の加点も2点あり、この二つは重複して計算されません。江東区では0歳児クラスに申し込む場合にのみ、認可外に預けて加点を狙うのは有効な対策といえます。)

とはいえ、認証保育園や無認可保育園も年度途中の入園は無理ということも少なくないと思います。

しかし、ご自分の市町村で、どんな条件で預けていれば加点になるかを確認してみてください。

江東区では認証や認可外保育施設のほか、家庭福祉員やベビーシッター(全国保育サービス協会に登録している事業所)、居宅訪問型認可外として都道府県に届出を行っている方に預けて復帰していても加点の対象となるので、ベビーシッターや居宅訪問型認可外を検討してみるのも考えられる戦略としてはあります。

(ただ、1歳児ならまだしも、0歳児を加点のために預けて働くというのは、なかなか感情的に難しいかもしれませんよね。私たち夫婦はそうだったので、下記の戦略の②③番を結果的にとることになりました。)

考えられる戦略②:ボーダーラインの低い保育園をねらう

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ボーダーラインの一覧を見ていると、同じ○歳児クラスで比較しても、ボーダーラインが低い保育園があると思います。(ない場合はすみません。)

その保育園は、駅から遠くて交通の利便性が悪かったり、園庭がなかったり、開所時間が短かったりと、何らかの理由で他の園よりも人気がないか、めちゃくちゃ定員が多くてボーダーラインが低いのだと考えられます。

通える範囲にあり、希望の園を複数申し込みできる市区町村なら、その園を候補に入れてもいいと思います。

ただし、いくらボーダーラインが低くて候補に入れたいと思っても、その園に決まった場合に通えるかというのはよく検討した方がいいでしょう。個人的には、通勤時間に+30分以上かかるような保育園では、通うのが大変なのでおすすめしません(それだったら駅前の認証保育園の方がよかったとなりかねません)。毎日の送り迎えは夫婦で分担するのが一般的だと思いますが、お母さんはできると思ってもお父さんは難しいと思っていたらいけないので、夫婦でよくすり合わせましょう。

ちなみに、息子が入園した認可保育園は、このボーダーラインが低い園です。駅から遠くて園庭がないため人気が他よりは低く、1歳児の定員が多めのためボーダーラインが低かったと考えられます。ボーダーラインが低い=人気がないということを意味していますが、ふつうにいい保育園です。

考えられる戦略③:認可の加点はあきらめ、4月入園の認可外と併願する

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私たちが息子を1歳児クラスに申し込むときに取った戦略です。(戦略というか、結果的にそうなったので戦略といえるか微妙ですが…)

私たちの点数は24点と加点なしに対し、通える範囲の保育園のボーダーラインは軒並み26点(優)、24点(優)でした。認可保育園に入園できるかはわからないので、すべりどめとして認証や認可外保育園にも4月入園の申込をしていました。

この戦略をとることにした方は、認証・無認可の保育園にできるだけ早めに見学や申込をしていきましょう。

前述ですが、認可外や認証は先着順で入園が決まるところが半分くらいのため、早めに(できれば妊娠中に)各保育園に問い合わせることをおすすめします。

通園圏内の保育園の洗い出し

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次は、認証・認可外保育園も含めて、通園圏内の保育園の洗い出しをしていきましょう。

戦略を立てた段階で、認証・認可外保育園への申込をする場合と、ボーダーラインの低い認可保育園を狙う必要のある場合ももちろん、どの保育園に申し込むかを決める為にも必要です。

ここで通える保育園を全て洗い出し、洗い出した保育園に見学・申込するようにすれば効率的です。(私は距離的に遠いところの保育園まで見学に行っていましたが、そこに内定が出てもおそらく行かなかったので、効率の悪いことをしていました。。)

地域にある保育園を把握する

さて、洗い出す為には住んでいる地域にある保育園を把握しなければなりません。保育園の種類によって、何を確認すればよいかが異なります。下記に保育園のリストの入手先を記載します。

・認可保育園→入園のしおり 又は役所のHP
・認証保育園→役所のHPにある可能性あり(問い合わせてみるといいと思います)
・無認可保育園→ネットで探す 又は 役所のHPにある可能性あり(問い合わせてみるといいと思います)

東京都の場合、東京都福祉保健局のHPに認証保育所認可外保育施設(ベビーホテル・事業所内・院内・その他)の一覧がありましたので、ぜひ参考にしてください。
・東京都認証保育所一覧(A型・B型)/東京都福祉保健局
・認可外保育施設について/東京都福祉保健局

※認可外施設の一覧表では「ベビーホテル」という区分がありますが、ふつうに月極めで預ける保育園もこの区分に含まれていますので、ベビーホテルという分類に惑わされないで下さい。

保活アプリ「きっと」を活用する

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2015年生まれお子さんを持つ、保活を経験したソフトウェアエンジニアの方が、保活を応援するアプリ「きっと」を作成しておられます。保活に活用できるアプリなので、ぜひチェックしてみてください。

iOS版アプリ

まだ東京23区とその周辺、埼玉、大阪市、横浜市にしか対応していないようですが、

近くの保育園をマップで確認できる
優先順位ごとに保育園を並び替えられる
保育園ごとに詳細情報がわかり、メモがつけられる

という機能があり、「保活によるストレスを軽減する」という願いをこめられているそうです。(私も同じ願いでこのガイドを書いているので、非常に親近感を感じます。)

私ももし自分が保活をしていた2016年にこのアプリがあったら、使っていたと思います。対応エリアの方はぜひチェックしてみてください。

開発者の東京保活管理人さんのブログはこちらです。

通える保育園を洗い出し、リスト化して管理していく

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地域の保育園を把握したら、そこから通園圏内の保育園をピックアップしてリスト化しましょう。

通園圏内として個人的におすすめなのは、通勤時間にプラス30分以内の移動時間で行けるところです。我が家は最初の認証も、現在通っている認可保育園もこの範囲に収まっています。毎日のことなので、特に朝はこれより時間がかかると大変だと思います。

保育園をピックアップしたら、認可と認可外に分けてリスト化して管理するのがおすすめです。

リスト化する理由は、2つあります。

1つ目の理由は、保育園をピックアップすると10~20くらいにはなると思いますが、その保育園たちに見学予約の電話はしたか、申し込みはしたか、いつから見学予約の受付開始になる等の園ごとの進捗状況を個々に覚えておくのは、特に認証・無認可園だと園ごとに本当にバラバラなので至難の業だからです。

2つ目の理由は、夫婦で状況を共有しやすくなるからです。どの保育園に対して何をしたか、またいつ何をするべきかを見える化しておくということです。

認可と認可外でリストを分ける理由は、申し込み方法と時期が違うからです。
認可保育園の申し込みは入園前年度の秋ごろと一斉なのに対し、認証・無認可保育園は各園で時期が異なり、先着順のところが多い為、そちらから見学予約(申し込み方法も)の問い合わせをしていったほうがいい為です。
認可保育園の見学は、子供が生まれてからでも遅くはありません。

リストは紙でもexcelでもgoogleスプレッドシートでもいいのですが、googleスプレッドシートだと、編集したら共有されるためおすすめです。スマホのアプリからでも閲覧・編集できるので、夫婦で共有もしやすいです。
googleスプレッドシートはgoogleが提供するサービスで、googleのアカウントを持っていたら使用できます。) 

こちらは私が実際に作成したスプレッドシートです。

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リストの項目は、私は下記で作っていました。

【リストの項目】
・保育園名
・住所
・電話番号
・0歳児クラス定員
・1歳児クラス定員
・全体の定員
・受け入れ年齢
・園までの所要時間
・見学の予約をしたか(したら「済」にする)
・見学日
・申し込み(待機リストに登録)したか(したら「済」にする)
・申し込み日
・選考基準
・To do(次に自分が何をするべきか)
・備考(電話連絡時に言われたこと等)
・所感

(認証・無認可保育園のリストの項目です。認可保育園のリストでは「申し込み」「選考基準」「To do」はいりません。)

私はこのリストを作ったら、育休中に久しぶりに仕事した感があって楽しかったのを覚えています。(笑)

使い方としては、見学の予約をしたらその項目を「済」にしたり、今は見学できませんのでいついつにまた問い合わせてみて下さい等といわれたらその状況をTodo欄と備考欄に書いておくなど、このリストを使って各保育園へのアクション・進捗管理をしていきます。

この自分たちだけの保育園リストで管理していけば、保活がぐっとスムーズに進められるので、最初だけ頑張って作ってしまいましょう。

やること④:保育園の見学をする

次のやることは、保育園の見学です。各保育園に電話をかけ、見学の予約をしてから見学に行きましょう。

認証保育園・無認可保育園の見学に早めにいき、その場で申し込める場合は申し込む

認証や無認可園に連絡するときには、見学予約と同時に申し込みの手続きについて確認しましょう。

見学の際に申し込めるところもあるため、申込用紙に記入する可能性のある内容(両親の勤務する会社情報や、時短勤務を予定している場合は何時から何時の時短にする予定かなど)はあらかじめまとめておいて、すぐに書けるようにしておくとスムーズです。

私は夫の会社の住所や電話番号がパッと出ずに困りました。また、時短勤務にする場合はあらかじめ勤務時間をどうするかを考えておいた方が良いです。(しかしほとんどの場合、勤務時間は暫定でもいいといわれると思います。)

【申し込み用紙に書く可能性のある事項】
・両親の会社情報(社名・住所・電話番号)
・両親の携帯番号
・勤務時間
・時短勤務を予定している場合は、時短後の勤務時間
・通勤時間
・入園希望月

見学時のチェック項目

初めて保育園に見学に行く場合は、何を見れば良いのか分からないと思いますが、いくつか見学に行くうちに比較対象ができて、自分の中でなにを見たら良いかが固まってくると思います。

チェック項目として、私は主に下記を見ていました。

【保育園見学時のチェック項目】
・園児たちの様子(どんな過ごし方をしているか、雰囲気など)
・先生たちの様子(園児との接し方)
・希望クラスの受け入れ人数
・希望クラスへの在園児の兄弟の下の子の入園(申し込み)予定(←特に認可保育園で)
・発熱時のお迎え要請について
・延長保育の有無・何時から延長保育か
・朝の支度で保護者がすること

1つ1つなぜこの項目を確認していたかを説明していきます。

・園児たちの様子(どんな過ごし方をしているか、雰囲気など)
 園児たちがどんな様子で過ごしているか見て、その印象を夫に話していました。園児が見学している私に話しかけてきて可愛かったりなど、予期せぬことが起こったりして、見学は楽しかったです。(笑)

・先生たちの様子(子供との接し方など)
 先生たちがどんな感じで子供に接しているか、マイナスな言葉を使っていないかなど見ていました。

・希望クラスの受け入れ人数
大体はもらう資料やHPにクラスの定員は書いてあるのですが、何人くらいが持ち上がりで進級して、何人くらいが新規の入園になるのかを聞いていました。認可だとほぼ決まっているのであまり聞きませんでしたが、認証や無認可の場合は聞いていました。しかし結局は毎年違うので、参考にしかならないのですが…。

希望クラスへの在園児の兄弟の下の子の入園(申し込み)予定(←特に認可保育園で)
こちらは認可保育園で主に聞いていました。江東区は兄弟加点があり、兄弟がいる保育園への申し込みの場合は2点加点される為、上にお兄ちゃんやお姉ちゃんがいる子が希望のクラスに多く申し込む年は、第一子が入園できる可能性が低くなってしまうからです。希望クラスの新規受け入れ人数が3人のところに、すでにお兄ちゃんやお姉ちゃんが在園している子が2人申し込む予定、という保育園がありましたが、そこは受かる見込みが相当少ないだろうとおもって候補からはずしました。

・発熱時のお迎え要請について
 熱が何度になったらお迎えの要請がどんなテンションでくるのかです。37.5度を超えたらただちになのか、38度くらいになって様子見していても下がりそうにないのでなるべく早く来て下さいなのか、様子見しているのでお仕事に支障のない範囲で早めにお迎えお願いしますなのか、これは園によって違います。いつも熱がでたら飛んで帰れればいいですが、そんなときばかりではないので、あらかじめどうなったらお迎え要請がくるのか、把握しておくと良いと思います。

・延長保育の有無・何時から延長保育か
 資料やHPに書いてあることも多いです。私は時短勤務で働く予定でそんなに遅くはならない予定でしたが、たまに残業する可能性もあったので、スポットの延長の場合はどんな料金のかかり方をするかを聞いていました。また、何時までの延長で捕食(おやつ)がでて、何時までなら夕食を提供しますという保育園もあったり、私立の保育園の方が延長時間が長く、公立のほうが短かったりするので、確認しておいたほうがいいでしょう。

・朝の支度で保護者がすること
保育園に着いて、子供を受け渡してから、保護者が着替えやコップ、連絡帳等を所定の場所に置くなどの対応が必要かどうか、またその内容についてです。これがあるのとないのとでは、5~10分程度ちがうので、あらかじめ確認しておいた方がいいです。
私の個人的な印象ですが、認可保育園では月曜日はシーツ掛けがあったり、持ち物は基本的に保護者が所定の位置に置くなどとやることが多く、認証では玄関で子供と荷物を先生に渡すだけだったりして、保護者自身がやることが少ない気がします。

保育園の見学は夏の暑い時期に、0歳児を抱っこしながらなどだと大変ですが、園ごとの特色がわかったり、こっちよりあっちの保育園に行かせたいという希望がでてきたりなど、しないと分からないことがたくさんあるので、夫婦で分担しながら行けたら良いと思います。

認可保育園の申し込み(毎年10月~11月頃)が始まるまでに、リストに洗い出した保育園の見学に行き終わるようにしましょう。

やること⑤:認可保育園の申し込み

ついに認可保育園の申し込みですね。認可保育園の申し込みの際のポイントを解説していきます。

募集要項「入園のしおり」に一通り目を通す

自分たちの点数を確認する際に目を通していても、前年度から変更点があるかもしれないので、もう一度目を通しましょう。

変更がないかチェックする主な項目
・新規の開設園はあるか
・選考基準(指数や優先順位)に変更はあるか
・そのほか、待機になった場合の手続きや、入園後の在園の条件等に変更はあるか

新規の開設園があったり、選考基準に変更があったりした場合、どう申し込みを出すか、希望園の書き方などに関わってきます。

しおりは9月頃から配布されるので、いつから配布になるかは役所のHPや広報誌でチェックしておきましょう。配布になったらすぐに受け取り、目を通して変更点がないか確認していくとスムーズです。

提出書類を確認し、準備する

しおりを読んで、提出する書類は何が必要かを確認しましょう。用意しないといけない書類の種類が多く、勤務証明書等の会社に書いてもらわないといけない書類や、認可外に通っているお子さんはその証明書を保育園に書いてもらわないといけない等、準備するのはけっこうな手間がかかります。

また、いざ書き出すと、「ここの書き方はどう書けばいいんだろう…」という疑問が出てくる場合もあると思うので、それは役所の保育課に問い合わせる必要もあります。

種類も多くて大変ですが、1つ1つやっていけば必ず終わるので、ぜひ早めに提出書類の準備をはじめることをおすすめします。

ちなみに、参考までに、江東区の31年度の入園申し込みの提出書類は下記でした。

【江東区の31年度の入園申し込みの提出書類】(保育の事由が外勤の場合)
・提出書類確認表
・支給認定申請書兼保育所等利用申込書
・家庭状況届け
・児童の健康状況申告書
・勤務証明書(父母それぞれ必要)(勤務先に書いてもらう)

ベースは上記の書類ですが、状況によってはこれにプラスで提出が必要な書類があります。
父母どちらかが外勤ではなく自営の場合はまた別の書類を3種類、既に認可外に通っている子がいる場合は受託証明書、ひとり親世帯の場合はまた別の書類が3種類ほど、30年1月1日に江東区に住んでいない場合は住民税(非)課税証明書などが必要です。

入園希望の保育園の決め方

入園希望の保育園をどう出すかは、自分たちが何を重視するかや、加点が見込めてボーダーラインよりも上になりそうなどの状況によって違ってきます。希望の保育園をいくつでも書ける自治体ならいいですが、第○希望までしか書けないなどの制限があると、この選択によって、認可保育園に受かるか待機になるかがかかってきます。

保育園の希望順位を決めるための論点として、下記の4点が挙げられます。
なかなか順位が決められない場合は、下記の要素それぞれについて何を最重視するかを夫婦で話し合ったり、それぞれについて点数化してみるのも良いかと思います。

認可保育園の希望順位を決めるための要素
・立地(交通の利便性のよさ)
・園の特色:ハード面(施設の広さ、園庭の有り無し等)
・園の特色:ソフト面(保育士さん達の雰囲気、保育の特色や力を入れていること、英語・音楽・体操等の活動)
・入りやすさ:ボーダーラインの点数・倍率

認可保育園だけが保育園ではない

どこでもいいわけじゃないが保育園には入れないと困る、というのが本音だと思います。通わせたい保育園の希望度と、ボーダーラインや倍率などの入りやすさのトレードオフで、悩みに悩む方もいるかもしれません。

そんな方に向けて、認可保育園だけが保育園じゃないよ、というのを伝えたいです。
ハード面(園の広さや園庭など)では認可保育園のほうが認証や無認可園より充実している傾向はありますが、認証や無認可でも良い保育園はたくさんあるので、認可保育園に入ることをゴールにしなくても良いのではないかと思います。

実際、息子が最初に通っていた認証保育園は、施設は小さめでしたが、その分先生方の目が行き届いており、クラスも10人程度で少人数だったので手厚く見てもらっていた印象でした。

その後、今通っている認可保育園に転園したのですが、今の保育園はクラスの人数が多く、帰り際は必ず担任の先生から引き渡されるわけではないので、前の保育園のように子供のその日の様子を丁寧に教えてくれるというよりは、「今日も元気に過ごしていました!」で共有が終わったりして、やはり大人数なので保護者への共有は丁寧にとはいかないのかなと思っています。息子は園に馴染んでいるし、先生方もマイペースな息子を受け入れた対応をしてくれているので、いい保育園ではあるのですが、2つの保育園を経験してみて、保育園ごとに特徴は違うということを実感しています。

また、以前通っていた認証保育園は息子が転園した2年後に認可保育園になりました。

以前は、その認証保育園は小学校に上がるまで在園できましたが実際には3歳児までしかいなかったため(みんな認可園に転園していってしまうそうでした)、息子も途中で他の認可園に受からなければお友達が少なくなってしまうと思っていました。しかし、認可保育園になれば1クラスの定員をさらに少なくして5歳児クラスまで途中で在園児が減っていくことはなくなるでしょうから、今にして思えば、絶対に認可園に転園しなければ、と思わなくても良かったと思っています

と言っても、認証や無認可でさえ入れるか分からない状況の場合、そんな悠長なことをいってと思われるかもしれません。ですが、ちゃんと動いていれば、どこかの保育園には入れるとおもいます。こんなことを言うのは自分が保育園に入れたからだろう、と思われるかもしれませんが、私も保活中はどこにも入れなかったらどうしようと悲観的になっていたので、そんなに悲観的にならなくても、案外どこかには入れるよ、というのを過去の自分と同じように悲観的になっている人に伝えたいです。

やること⑥:認可の結果がでたら→入園の場合

認可保育園の結果の通知は、全国的に2月の上旬から中旬にかけて郵送で送られてきます。

結果が入園か待機かによって、その後のやることはもちろん違ってきますので、そちらを説明していきます。
まずは、結果が入園の場合です。

併願していた認証・無認可保育園に申し込み取り下げの連絡

併願していた認証保育園、無認可保育園に申し込み取り下げの連絡を入れましょう。
ついつい受かったことに安心して忘れがちですが、確保していた自分の枠を次の方に譲りましょう。そうすれば、認可が待機になって気落ちしている人に少しでも早く希望を与えられます。。

健康診断を受ける・入園説明会に参加する

入園の前には健康診断と入園説明会があります。

健康診断は入園する児童の健康に異常がないか、保育園で集団生活ができるかを確認するために行います。
集団でやるのか個別でやるのかは市区町村によって違うとおもうので、役所からの案内を確認しましょう。

ちなみに息子が認可保育園に入る前の健康診断は個別でした。自分でかかりつけの小児科に行って健康診断をしてもらい、所定の用紙を書いてもらう形式でした。

入園説明会は各保育園で行われます。入園後の持ち物や用意するもの、決まりごとなどを保育園側から説明されます。
息子のときは1時間程度かけて、保育園で用意してくれた冊子を見ながら、担任になる先生から説明してもらいました。終わった後は、あれとこれとあれも用意しないとね、、とけっこうくたびれたのを覚えています。

定められた日までに職場復帰

育児休業中に申し込みをして入園した人は、定められた日までに職場に復帰しなければいけません。(それができないと退園になってしまいます)
江東区では、入園した月の月中までに復職しないといけないので、4月入園の場合は4月30日までに復職する必要があります。

やること⑦:認可の結果がでたら→待機の場合

次は、認可保育園の結果が待機だった場合にやることを説明していきます。

2次募集の申し込み

4月入園の2次募集の申し込み手続きが必要な場合はしましょう。
ちなみに、江東区では1次利用調整で待機になった場合は、そのまま2次利用調整の対象となるため、特に手続きはいりません。

自治体が設置している無認可園や、待機になった場合に申し込める保育事業の申し込みを検討する

認可園を待機になった場合に申し込める、各自治体が設置している無認可の保育園がある場合は申し込みを検討しましょう。待機の通知と一緒に案内の書類が入っていると思います。

ちなみに、令和2年度末までの事業ですが、江東区では区内に3施設、「保育ルーム」という名称で区が設置した認可外園があり、1~3歳児クラスの認可保育園に待機になった江東区民は申し込みができました。

この時期が申し込み期間の認証・無認可保育園の申し込み

少数派ですが、認可保育園の結果が出たあとに申し込みを受け付ける認証園や無認可保育園がありますので、入園の申し込みをしましょう。

入園の説明会と申し込み受付を当日にセットでやる園と、説明会は事前にしていて、申し込み受付をこの時期にするというパターンがあると思います。
いづれの場合も、事前に情報を得ておけると安心なので、やること④「保育園の見学をする」の時点で、リスト化した保育園の申し込み方法を問い合わせておきましょう。

認可保育園、通える範囲の認証・無認可保育園に申し込みをしたら、あとは待つのみです。

認可の2次募集にも落ちた場合は、5月以降の入園申し込みの手続き

残念ながら認可保育園の2次募集でも待機となった場合は、5月以降の入園の申し込みをしましょう。

認可外の保育園に預けて復帰するパターンと、育児休業を延長するパターンがあると思いますが、それぞれで必要な書類が異なることがあるため、必要書類はしおりや各自治体の保育課に確認して提出しましょう。

まとめ:保活ガイド~初めての保活のやり方~

約2万字の長い記事に最後まで目を通して下さり、ありがとうございます。
ここまで読めば、保活が初めての人でも全体像を把握できたのではないでしょうか。
保活において何をすればいいのか把握できたら、あとは実行するのみです。

どこの保育園にも入れないんじゃないかという不安は残るかもしれませんが、私の経験から言うと、本当に職場復帰しないといけない人はどこかの保育園には入れているので、ちゃんとやることをやっていれば入れる、と大きく構えれば大丈夫です。

私がこのガイドを書こうと思った一番の理由は、保育園に入れないんじゃないかという不安をずっと抱えたまま育児休業を過ごす人を減らしたいからです。幼い子供と過ごせるすばらしい期間に、そんなことに神経をすり減らさずに過ごしてほしいです。
そのために、できるだけ効率的にやることを済ませ、そしてやることをやったら後は果報は寝て待つくらいの楽な気持ちで過ごしてもらえたらなと思います。

やることまとめ
やること①:保育園の種類の把握
やること②:保活のスケジュールを把握する
やること③:保活のための情報収集・戦略を立てる
やること④:保育園の見学をする
やること⑤:認可保育園の申し込み
やること⑥:認可の結果がでたら→入園の場合
やること⑦:認可の結果がでたら→待機の場合

全ての保育園に子供を預けたい人が、希望する保育園に子供を入園させられる社会になることを祈っています。

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