風呂には、入らないことにした。【読後感想】『水たまりで息をする』高瀬隼子
去年の夏、第167回芥川賞を『おいしいごはんが食べられますように』で受賞した高瀬隼子は、2019年に第43回すばる文学賞『犬のかたちをしているもの』でデビューした。そして、今回の『水たまりで息をする』は、ちょうどその間に書かれた作品になる。
僕は純文学が好きで、純文学の新人賞受賞作品と芥川賞受賞作品については、ここ5年はもれなく読んでいる。さらに芥川賞で言えば、さかのぼるようにして読むようにはしている。これまでに歴代の3割くらいは読んだんじゃないだろうか。
……嘘だな。「芥