タピオラ合唱団とコルテカンガスと間宮芳生とそれから、の話。

 フィンランドのちょっと特殊な児童合唱団「タピオラ合唱団」とフィンランドのコルテカンガスという作曲家と、日本の間宮芳生という作曲家について、感動したこと。

【感動ポイント1:タピオラ合唱団と私】

卒業論文は「タピオラ合唱団の音楽教育と日本の音楽教育の比較」について書いた。と思う。正直タピオラ合唱団について調べて終わった感もある。その途中である指揮者の先生から「世界をつなぐ歌の橋」という本をもいただいた。その先生が翻訳され、著者エルッキ・ポホヨラのサイン入りの1994年に出版された本だった。また論文を書いていく途中で、その後の合唱活動を共にする指揮者にも出会った。まずそれが一つ。

【感動ポイント2:タピオラ合唱団とコルテカンガス】

そして、今フィンランドの作曲家コルテカンガスの「フィヨルドの三つのスケッチ」という曲の解説を書いている。次の公演のプログラムに載せるため。コルテカンガスのことは正直よく知らなかったが、タピオラ合唱団、という字が楽譜の中に見えたため、どの解説が書きたいかと言われた時に真っ先に立候補した。書き始めるにあたって、先述の「世界をつなぐ歌の橋」を久しぶりに持ち出した。何か参考になることが書いてあるかも知れない。結果、参考になるどころか、ダイレクトにタピオラ合唱団とコルテカンガスとの関わりが詳細に書かれていた。コルテカンガスの顔写真もあったし、なんとタピオラ合唱団とコルテカンガスは共に来日して公演していたことも書かれていた。コルテカンガスの日本に対しての印象まで。それが二つめ。

【感動ポイント3:コルテカンガスと間宮芳生】

本の中には、1991年に間宮芳生がフィンランドを訪問し、ポホヨラと出会い、ポホヨラがフィンランドの若手作曲家コルテカンガスと間宮芳生が共作することを思いついたことも書かれていた。90年代に日本の静岡で初演され、「木々のうた」というらしい。楽譜も、作曲家同士の書簡のやり取りの本も出版されているようだった。私は最近間宮芳生が大好きだったので感動。これが三つめ。

【感動ポイント4:歌の橋と私】

また、本の中では「歌の橋」という曲についても詳しく書かれていた。それはトルミスによるフィンランドとエストニアの民謡をミックスさせたような曲で、私が所属する団体で以前歌い、これも偶然私が解説を書いていた。この本のことをその時は思い出さなかったが、ネットの情報をかき集め、感動しながら書いたことを覚えている。これが四つめ。

【感動ポイント5:タピオラ合唱団と広島と私】

そして、ポホヨラがタピオラ合唱団とコルテカンガスと共に来日したのは1977年、また1991年で、その来日時に忘れられない思い出を残したのは、広島だったと書かれていた。1991年は8月の平和記念式典にも参列した、と。私が生まれたのは1991年の2月である。同じ頃、広島にいたのか、と、感動した。

【感動ポイント6:易経】

ところで、コルテカンガス作曲「三つのフィヨルドのスケッチ」は古代中国の書物「易経」の英訳から採られていた。中国語ではイーチンと読み、英訳では「Book of Changes」というタイトルらしい。陰と陽の原理で森羅万象を読み解く、占いにも用いられる書物らしい。書かれたのは5000年前くらいか。その言の葉を北欧の湾の風景を描くに用いるセンス。東洋と北欧の精神性の一致に気付いた者の成せる技。


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