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藻のいつか

藻のいつか

藻のいつか

梅咲いて関節を私語するちから
花は首のうしろで睡る雛祭
灯の渦に君らがゐない花曇
花篝風の世水の世袖を振る
むなしくて布は瞼になりかはる
百千鳥光量があなたのうろで
こゑの層辛夷の空のみなみより
花はぬけがら楽器の方へ人は寄る
絶景は皮膚にあかるい水位まで
麦粒腫わたしが晴れる藻のいつか

麦粒腫…ばくりゅうしゅ。読みは「ものもらい」ではないです。

#俳句  #作品 

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