アオミネ

エッセイを書いてる人 / ブログ→https://aomine.blog

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  • 価値観

    「〜について」というタイトルのエッセイを集めました。

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    原稿用紙2枚分の物語

最近の記事

自意識過剰

夏の午後の日差しが電車の窓越しにちらつく。 山手線の窓ガラスがUVカット仕様なのは流石と言わざるを得ない。 電車の出入り口脇のスペースに立ち、外を流れていく景色をアテもなくぼーっと眺める。 焦点の合わない、窓に反射する電車の様子に目をこらすと何かが明滅しているのが目についた。 振り返ると、視界の端で自分に向けられたスマホのレンズがきらりと光った。 スマホの持ち主は吊り革に掴まり、別に何かを撮影しているのでもないだろうが、こちらの方に体を向けて立ってい。 時折、辺り

    • 文化資本の欠如

      昔から同年代の人間とは話が合わなかった。 「こいつ、俺より頭悪いのかな」なんて考えてたことも正直ある。 このモヤモヤをうまく言語化してくれる言葉がずっと欲しかった。 小学生男子は口を開けば、下ネタばかり。 英語の6も発音できない猿ばかりだった。 行動原理も理解できないものが多い。 水道で手洗いうがいをしたり、歯磨きをしているときにちょっかいをかけてくる女の子がいた シンプルにウザかったのだが、後日呼び出されて告白されたときは面食らった。 完全に当時の自分の理解

      • 熱風

        日テレがジブリを子会社化したらしい。 先日、宮崎駿監督の最新作「君たちはどう生きるか」が公開された。 これが生涯最後の作品と言われる今回の作品。プロデューサーの鈴木敏夫と共に後期高齢者になるタイミングでの決断だった。 過半数の株を取得したのではなく、42.3%の株を取得。 完全子会社化ではなく、過半数の取締役を送り込むことによる実質的な子会社化という形らしい。 もしジブリ作品の配信が解禁されるなんてことがあったら、ちょっと、いやかなり嬉しいなぁと期待する自分もいたり

        • サンドウィッチ

          ポテチを箸で食べる人はときどき見かけるけど、サンドウィッチを箸で食べる人には出会ったことがない。 サンドウィッチは構造上、パンで挟んだ食べ物なので、具材をパンで挟んだ状態を保ちながら食べる必要がある。 だから、箸やスプーンで食べることは、そもそ想定されていないのだ。 コンビニでサンドウィッチを買う際に必要な呪文がある。 「お手拭きください」「お手拭き要ります」 詠唱破棄すれば、十中八九お手拭きを入れてもらえない。 お弁当やおにぎりを食べるときは直接手で食べるわけで

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          嫌な死に方

          一番嫌な死に方って何だろう。 正直、あんまり考えたことがなかった。 ただ漠然と死なないように毎日を生きている。 だからこそ考えるべきなのだが、きっかけが無かったら死に方に思いを馳せるのは死ぬ直前だったかもしれない。 とりあえず、苦しい死に方は嫌だな。 特に、焼死とか溺死、失血死みたいな、徐々に生体機能が停止していく死に方。 これらは苦しみが伴いそうだ。 弾丸で確実に脳幹をぶち抜くのはどうだろう。 生体機能は瞬間的に失われ、意識もほとんどタイムラグなく喪失する。

          嫌な死に方

          ティーサングリア

          連休最終日。 今日はモスバーガーでティーサングリアを飲みに来た。 サングリアは通常、赤ワインで作るカクテルなのでアルコール飲料。 しかし、モスバーガーで提供されるティーサングリアはノンアルコール。 いわゆるモクテルというやつだ。 しかも、ブドウジュースで作った”なんちゃってカクテル”ではなく、赤ワインからアルコールを飛ばしたものを使う本格仕様。 最初はメニュー写真みたいな、こんなのが出てくると思っていた。 けど、実際にはこう。 紙カップだから、ティーサングリア

          ティーサングリア

          推しの紅茶

          今日は某紅茶屋さんで試飲をしてきた。 ウェルカムティーのニルギリのアイスティーがうますぎて、紅茶の探求が開幕5秒で終了しかけたが、そこをグッと堪えて留まった。 5種類のダージリン2ndフラッシュを何やら訳知り顔で眺めていたら、店員さんに声をかけられたので、一番値段が高いダージリン2ndフラッシュの試飲をお願いする。 正直、どこの茶園かは忘れてしまった(おい)。 でも、この前のアフタヌーンティーで飲んだ春摘みに比べて、マスカテルな香りが胸いっぱいに広がり、味も濃厚だった

          推しの紅茶

          危機的状況

          久々の休日。 ショッピングモール内のフードコートで昼を済ませたあと、1つ階を上がったところにある本屋でゆっくり羽を伸ばしながら、棚に差してある背表紙を眺めていると、突然催した。 これが青木まりこ現象なのか、さっきデザートに食べたアイスフロートのせいなのかははっきりしなかったが、今はそんなのどうでも良い。 本屋を出て、お手洗いの案内看板を探す。 便意が限界に達する直前、3つ目のトイレで個室の空きを見つけることができた。 小便器の前に人がいるのも構わず走り込み、鍵を勢い

          危機的状況

          雨の匂い

          降り始める前から気配を感じる。 もわっとした湿気を含んだ生暖かい空気が鼻を刺激する。 雨の匂いだ。 もうすぐ雨が降る。 電車に揺られていると、何やら外が騒がしい。 窓の向こう側を見ると、ひどい土砂降りだった。 さっきまで晴れていたのが嘘のような雨模様。 入道雲がもくもくと湧き立ち、雷の音が遠くで轟く。夕立やにわか雨は夏の風物詩として語られるのは、こういうことが珍しいことではないとうことを意味している。 目的の駅についても、雨の勢いは衰えを知らない。 僕は諦め

          今日もぼちぼち。

          思考を深めるのには、ゆとりのある時間が必要だ。 忙しく流れる時の流れに身を任せていると、日々の雑事は心に留める間もなく忘却の彼方に去ってしまう。 だから、なんとなく一日を振り返って、中身のない日記を書くことしかできない。 今日はヨーグルトに冷凍ブルーベリーを入れて食べた。 ヨーグルト一口に対し、ブルーベリーを3粒、なくなる次第容器に補充し、1カップのヨーグルトに対し、袋の半分のブルーベリーを平らげるプチ贅沢。 でも、自分へのご褒美ってささやかでもこういうのでいいと思

          今日もぼちぼち。

          生きることについて

          生きることについて考え続ける行為そのものが、生きるということなのかもしれない。そんなことをふと思った。 「安楽死について」「生きることについて」というお題でエッセイを書き始めようと考えを巡らしていたら、僕は意外と色々考えているんだなと、なんだか自分を再発見したような気分である。 その思考の過程で生まれたエッセイが4篇あるので、よかったら暇なときに自分の考えを深めるための肥やしか、新しい発想を産むための触媒にでも使ってもらえたら、これ幸いである。 生きることについて①

          生きることについて

          新宿御苑をぐるぐる

          新海誠の「言の葉の庭」を観たばかりということもあって、映画の舞台のモデルとなった新宿御苑の東屋に聖地巡礼に赴いた。 東京の中心地・新宿にこんな場所があったとは。都市と自然が一体となって、新宿という風景を生み出している。 いい天気だ。 家に帰ってから、腕に日焼け止めが塗られていないことに気付いた。南無三。 やって参りました、こちら東屋。 画角もいい感じです。 お爺さんとお婆さんの談笑を10分強、眺めた甲斐がありました。 “秋月孝雄”視点の一枚。 チョコをつまみに

          新宿御苑をぐるぐる

          個性について

          「ぼっち・ざ・ろっく」を見た。 主人公が超のつくほどのコミュ症で、さすがの僕もここまでではないなと、逆に勇気づけられた気がする。 下北沢でカレー巡りをしている僕には馴染みのある景色も多く、親近感を持って楽しむことができた。 そして、鎌倉で生しらす丼を食べたくなった。 好きなキャラは山田リョウ✌️

          個性について

          新海誠の映画について思うこと

          君の名は、天気の子、すずめの戸締まり… 話題にはなるし、ネタバレされるのは好きではないので一応見ている。 たしかに楽曲は素晴らしい。 RADWIMPSが織りなす珠玉の数々。特に三浦透子をボーカルに迎えた「天気の子」の祝祭/グランドエスケープは鳥肌ものだ。 しかし、あんまり面白いとは思っていなかった。 だから、総じて新海誠の作品は積極的に見たいとは思わず、これまであまり見てこなかった。 …そう、今日までは。 「秒速5センチメートル」を見た。 そこには等身大の、手

          新海誠の映画について思うこと

          アフタヌーンティー行ってきた

          以前のエッセイで「アフタヌーンティーに行ってみたい」というエッセイを書いたら、人生初のアフタヌーンティーに行けることになった。 舞台はパークハイアット東京。 新宿駅からタクシーで向かって5分ほど。 エントランスに降りると、そこには非日常空間が広がっていた。 2階のホールからエレベーターで41階(!)の会場に登る。 運ばれてきたのは食べるのがもったいないほど、色とりどりの綺麗なティーフーズ。 (メニューはこちら) 匂わせ写真をパシャリ。 パシャリ。 パシャリ。

          アフタヌーンティー行ってきた

          てるてる坊主

          ティッシュをくしゃっと小さく丸めて、もう一枚のティッシュで包んで、首元を輪ゴムで締め付ける。 そうして出来たものをカーテンレールの片隅にぶら下げる風習はいつから行われているのだろうか。 そう思って調べてみた。江戸時代ごろの文献には登場するらしい。 そんな昔から晴れへの祈願を一身に受けてきた、てるてる坊主に久しぶりに今日ばかりは自分もお願いしてみる。重荷を増やしてごめん。 でも、期待してるぞ。

          てるてる坊主