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ざっくり学ぶ、該非判定のきほん

割引あり

今回は該非判定について解説します。

該非判定は輸出入、危険物に続いてアレルギー反応が出る人が多い仕事の一つです。私も正直、好きではありません。”やらないといけないかー”というテンションです。それくらい、読むのが憂鬱になる文字数意味不明な単語が並ぶ資料の数々です。
海外の輸出担当者も”Export-control is really Nightmare!”(輸出管理は本当に悪夢だ!)と言っていて万国共通なのだな、と笑ったこともあるくらい世界共通の苦行です。

それでは憂鬱が少しでもクリアになるよう、ざっくり学んでいきましょう。


該非判定とは


輸出しようとする貨物・技術がリスト規制品に該当するか否かを判定する作業を該非判定と言います。

国際社会の平和と安全を維持するために、武器やそれに転用可能な技術などを輸出しないよう規制されており、懸念のある貨物・技術をリスト規制品として法令により定められています。

法体系


該非判定の名前が一般に普及していますが、該非判定は輸出管理の一部です。
輸出管理は各国際レジームにより決められており、これが日本にフローダウンされ法律化されています。先進国の多くは同じルールで法令化されていますが、難しい話は一気に飛ばしてポイントは、

  • 技術の輸出:外国為替令

  • 貨物の輸出:輸出貿易管理令

で定められている事です。
どちらも外為法下の政令で無許可で輸出すると外為法違反となります。

メーカーで特に管理が難しいのは技術の輸出です。海外と技術情報のやり取りも違反になり得ます。メールやオンライン会議の前にも該非判定が必要です。商談であっても技術情報や図面情報、写真は求められますので判定後のやり取りが基本です。これらを管理するための自主管理体制が求められます。

なお、この法令は日本で最も多く改正される法律です。これ以降の内容は入門編の参考程度と考えてください。実務を行う際には常に最新の法令を確認する必要がありますので、ご注意ください!

規制


貨物・技術の輸出規制は2段階になっています。

  1. リスト規制:原則、経産省の輸出許可要

  2. キャッチオール規制:用途・需要者により、経産省の許可要(ホワイト国不要)

(リスト規制品)
1項:武器、2項:原子力、3項:化学兵器、4項:ミサイル
5項:先端材料、6項:材料加工、7項:エレクトロニクス、8項:電子計算機、9項:通信、10項:センサー、11項:航法装置、12項:海洋関連、
13項:推進装置、14項:その他、15項:機微品目

これだけで目眩がしそうですので、ざっくりイメージで大雑把に言うと
1−4項は直接的な兵器・武器
5-13項は兵器・武器を構成する材料・部品・装置・製造機器などです(この中に直接的な兵器も含まれます)。

(キャッチオール規制品)
16項:木材、食品などを除く、全ての品目

キャッチオールのポイントは、各メーカーが出す該非判定書は、ほぼ16項に該当している点です。全ての品目が対象だからです。輸出者ではないメーカーでは用途や需要者は判断できないため16項には該当している可能性があると記載しています。

よく知らないフォワーダーの営業担当者が”該当”の文字を見て、慌てて荷主に確認を求めたりしますが、落ち着いて用途や需要者の判定を確認しましょう。

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