日本全国縦横無尽 感想その3
セットリスト順コンサート&楽曲の感想続き。
「sha•la・la•la」
ミドルテンポの曲。やっぱり空を見上げているんだけど、こういう “軽み“ は宮本さんの新たな1ページなのかなと思います。途中、足どり軽くステップを踏む振りが結構好きです。“you“ で自分を指差していたので、これも自問自答している歌なんだなあと改めて。誰のために歌っているのかとの問いに、結局自分自身に歌っていると答えたのを思い出します。ミラーボールは後方から見るとほんとに会場中がきらきらしてすごく綺麗。参戦した中で1度、タンバリンをシャララン〜と鳴らす場面があってグッときました。
「浮世小路のblues」
コンサートを重ねていくうちにどんどん進化していった曲。玉田さんのプリミティブなドラミングに名越さんの超カッコいいギターが重なって会場中がうおーっと盛り上がって始まる。最初に聴いたときなぜこんな原始的な感じ?と思ったけれど、宮本さんの口から古の大地の息吹を〜と聴こえた瞬間に、おお!そういうことか!と感動しました。地の底からブワーッと湧きあがるような歌声がまさに “古の大地の息吹“ を現していて、まるで土地のエネルギーを吸い込んで放出しているような感じ。参戦した中では鹿児島公演がすぐそばにある桜島の雄大さに呼応するかのような力強い歌唱で個人的にベストアクトなんですが、山口では道標さ〜で自分の心臓をドンドン叩き、灯火を消すな〜で跪いて拳を床に叩きつけるという場面があって全身全霊を込めた魂のうたでした。
「passion」
第2部スタートの曲。「みんなのうた」では明るく楽しい感じだけど、コンサートではその名の通り情熱的に渾身の力を込めて歌い上げる。それはきっと歌詞の内容が俺の道だからだろうなと思う。伊達や酔狂じゃねえという気概を感じます。苦しい表情でそれこそ振り絞るように歌う時もあれば、力強く歌い切って満足という表情の時もあり。ツアーファイナルの山口公演ではやりきった!といういい表情でした。
「ガストロンジャー」
だらりと両腕をたらし集中して歌の世界へ入る。前曲のpassionの状態に影響されることもあるけれど、大丈夫?このままの流れで行ける?と心配してしていても、長いあいだ歌い続けられてきただけあって、いつの間にか宮本さんの力で曲の世界に引きずり込まれている。逆に前曲からの流れがすごくいい時はとんでもないパワーに圧倒される。おのれの全部使い尽くすように、身体全部を使って鼓舞する宮本さんに、こちらも負けじとガンガンに拳を突き上げました。これも山口公演が個人的ベストアクト。
「風に吹かれて」
この曲は “お手振り“ がどうにも馴染めなくて。曲の世界観と振りがチグハグな感じで心がついていけないんですよね。ソロコンサートはショーの要素が大きいのでその時の会場の雰囲気で振れないこともなかったけれど、最終的にはやはりだめでした。とてもいい曲だと思うのだけれど。うまく聴けない曲のひとつです。(楽しんでやっている方はそのままで楽しんでいいと思います。これは個人の問題ですので)
「今宵の月のように」
今回うた係に徹していた宮本さんが唯一アコースティックギターを弾く曲で、参戦した会場だけでも全て違う歌い出しでした。観客の拍手のタイミングなどもそれぞれの会場で全部違っていて、宮本さんと観客とのリズム・呼吸で対話しているような、ライブ=ナマモノを感じさせるものでした。エレファントカシマシ最大のヒット曲であるが故にこの曲もあまりうまく聴けなかったけれど、コンサートで体感した、このような宮本さんと一緒に作り上げていくというライブ感覚によってどんどん大好きになっていった曲です。
続く