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日本全国縦横無尽 感想その1

日本全国縦横無尽47都道府県完走されましたので、セットリストどおりにCD音源を聴いてコンサートを含めた楽曲感想を書きたいと思います。

「光の世界」
コンサートではとても丁寧に感情を込めて歌っていました。ひとりごとのように自分に問いかける声、大空へ真っ直ぐに響かせるような声、1曲の中でも多様な歌い方をされていたんですが、生の声はCDよりもダイレクトに耳に飛び込んできた印象です。ピアノの美しい旋律とシンプルな照明がまさに光の世界。圧倒的な孤独とやわらかな光。その光の世界に宮本さんは喜びも哀しみも抱えた姿で立っていました。アルバム『縦横無尽』でも1曲目なので、冒頭から宮本さんの素晴らしい歌声に聴き惚れてしまいます。

「夜明けのうた」
ランタンの灯りをつけてゆっくりと静かに始まる。こちらもすごくすごく丁寧に歌っていました。夜が明けていくようにその歌声もだんだんと熱を帯びて美しく力強く響いてきます。サビの部分では伸びやかな歌声と共に、映像と照明によって白々と夜が明けていく様子が表現されていて鳥肌が立ちました。CD音源では、じっくりと歌詞を聴きたい。安易な希望の歌ではない、暗闇の中に差す一条の光のような歌です。宮本さんの歌声はランタンの灯火のように今も心に残っています。その光が新しいわたしへやさしく導いてくれているような、あたたかくなる一曲です。

「stranger」
とんでもなく滅茶苦茶にカッコいいギターリフから始まります。名越さああーん!(←ツアーギタリストです)と心で叫んでいました。照明もザ・ショータイムとばかりにド派手でカッコいい。前曲のやさしい歌声とは対照的な鋭く突き刺すような声で、完全に縦ノリヘッドバンキングで盛り上がる一曲です。strangerとは何者か?わたしは存在はするけれども実在はしないモノだと思います。

「異邦人」
カバー曲。宮本さんが歌うとstrangerと同じく概念としての異邦人に思えます(ん?原曲もそうなのかな)。映像と相まって不思議な浮遊感のある曲に感じました。コンサートでは長い後奏で、宮本さんの叫び、慟哭、咆哮といった、声にならない声に心を持っていかれて揺さぶられました。圧巻。

「きみに会いたい-Dance with you-」
コンサートでは小林武史さんのピアノと宮本さんとの超絶カッコいい掛け合いで始まって痺れます。CD音源とも違う、聴くたびに毎回印象が変わる不思議な曲。宮本さんの表現力の多様さに目をみはります。今回はどんな姿を見せてくれるのか、と楽しみになる一曲でした。チョコレートのように甘くとろけるような感じもあれば、鋭く突き放しては手招いて誘うような翻弄する感じもあり。無邪気さと妖艶さが同居する宮本さんの、魅力全開のパフォーマンスでした。

「化粧」
カバー曲。とつとつとひとりごとを言うような感じから始まって、心で泣くような叫びに変わる歌声に。声が泣いてる。感情が声にのってギュッと切なくなる。ちょっとハスキーボイスの女性が歌っているかのように感じました。

「春なのに」
カバー曲。コンサートでは語尾を短めにした歌い方と綺麗に伸ばした歌い方とで、“実際に話している声” と “心の声” の違いが表現されているように感じました。こちらも女の子の、言いたいのに言えないでいる感情が歌声に現れていて。宮本さんの伸びやかな歌声が美しく切ない。

続く



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