シェア
『小説家』 書けない、と泣いているのは小説の中の私。 [完] #小牧幸助文学賞
「詩と暮らすようなものなの。この子と暮らすということは」 私はひとりそう漏らすと、膝の上…
心地良い音量で「レットイットビー」が流れている。だけどこのカフェで流れるレットイットビー…
ある家族の物語です。 父 、母。それにベビーカーに乗った子供とその横を歩く幼い姉。 4人は20…
「逃げる夢を見たって?」 男は、そう言って私と目を合わせようと起き上がろうとする。私は男…
誕生日。 誕生日よ、絶対。 その日は私の好きな白百合を持ってきてね。1本で構わないから。 …
春ってさ。 肌寒いよね。実は。 暖かくて、いかにも煌めきが弾けているようで、そう見えているだけ。 私の手足は冷えてる。 それって、春っぽいコーディネートのせいかもね。 だけどやっぱり、どこか空気が冷たいんだよ。体の芯から冷えていくような。 ・ 私は『管理人』と名乗る男性から知らされた住所へ向かっていた。その人は、姉の住むマンションの管理人だという。正確に言えば、姉が住んでいたところの。 知らない街へ向かう電車の窓から見える景色は、どことなく素っ気ない。それは「私には関係のな
『僕らだけの』 僕のために手話を覚えたキミから。「 」。 [完] #小牧幸助文学賞
「紅葉鳥って言うんだけどね」 器用そうな手先の使いかたをする看護師が、一枚のシールを台紙…
『病室』 鏡を見る。 気休めのニット帽で涙を拭った。 [完] #小牧幸助文学賞
『別れ』 本当の想いは 聞こえない貴方の右耳に囁く。 [完] #小牧幸助文学賞