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花のある暮らし

 なんてタイトルをつけると、すっごく心優しい人みたいな気がする。私はもともと花を育てることにそこまで興味があったわけじゃなかった。きっと枯らしてしまうだろうからそれなら買わないでおこう、ってタイプ。要するにちょっとズボラ。

しかし今年の3月に義母のお葬式を終え(怒涛の3日間)、義母の持ち物を整頓してから、花が好きだった彼女が懸命に育てていた花々の鉢植えが気になるようになった。水やりをする母が去って、肝心の花は枯れて土のみが入っている状態だった。そしてある時ふと思い立って、二つ花を植えてみた。できるだけ気に入った色のものをふたつ。

それ以来、毎朝花の調子を確認するのが小さな楽しみになった。風の強い日は室内にかくまって、雨の日は少し天から恵みをもらって。

最近では虫たちも遊びに来るようになった。手をかけてやる対象が存在するというのは、存外心だけでなく生活にも張り合いをくれて豊かにしてくれるものなんだと知った。花たちが梅雨が明けてから来るであろう猛暑に耐えうるかは分からない。けれど、もう少し鉢を増やしてもいいかなって考えている今日この頃。去った母から教わった花の楽しみ方である。

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