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本当は私の事なんてこれっぽっちも好きじゃないんだよね

陸君はさ、本当は私の事なんてこれっぽっちも好きじゃないんだよね。君は私のアイコンしか見てない。だってさ私って少しかわいいでしょ。それであなたと私、2人で、紫の上に対する構造的差別について、新宿通りを歩きながら話した事があったよね。紫の上が性的差別されてるかどうか、またその性質はどのようなものか。議論する人なんて他にいないじゃない?だからあなたは私に対して、愛じゃなくて、まずは物珍しいなぁ、希少だなぁという感情を抱いたのよ。それで感慨深く私の顔を見つめながら、こう思ったの。かわいい。もうその時には、そのアイコンしか見えてないの。それはあなたがスワイプした時に見た、そのアイコン写真に写っていたものよ。その時にあなたは好きって言ったの。もう紫の上の話なんか完全に忘れてね。それであなたはその後、夕方の森ビルの見える土手で、運動部のかけ声にかき消されながら、だいたい30分くらい私のどこが好きか滑稽に語ったわ。もう何を言ってたか覚えてないけれど、思った事があるわ。あなたは本能的な欲望にまみれてるし、それを隠すのも下手だけど、その様子はとっても人間的で、美しいわ。


屋上に🐘買います。