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新日本プロレス WRESTLE GRAND SLAM in MetLife Dome1日目について



新日本プロレスの今年4回目となるドーム大会がいよいよ開催されます。
今回の会場は所沢にあるメットライフドーム(西武ドーム)。

新日本プロレスが同会場で大会を行うのは、2014年のG1クライマックス決勝以来。オカダvs中邑という夢のカードでした。

個人的には2017年に「リアル脱出ゲーム大パーティー」で一万人の前に立たせていただいた、思い入れのある会場でもあります。
当時「ここでオカダと中邑が戦ったのか…」と感慨深いものがあったことを覚えています。いや普通は「ここでプロ野球の試合してるんだな」って思うんだろうけど。

※ステージからの景色3方向。



さて今回のメットライフドーム大会は2日連続の開催です。そこでまず初日である9月4日の試合について、僕が思うアレやコレやを書いていきたいと思います。
プロレスをあまり知らない人にも分かりやすく書いていくつもりですので、まあ読んでみてください。

10年来のタッグチーム

僕が注目している試合は、なんといっても第2試合。YOHとSHOの一騎討ちです。

僕がプロレスを見始めた頃はまだ2人ともデビュー前で、先輩たちのコスチュームを片付けたり、負けた選手のフォロー(肩を貸してあげたりとか)をしていました。

デビューしたのは2012年。今年でキャリア10年目です。
(てことは僕のリアル脱出ゲーム司会歴と同じです)

デビュー以来ずっと2人はいわゆる「ニコイチ」の状態で、若手時代からライバルでありコンビのような関係性を続けていました。
海外武者修行でメキシコに遠征していた時は「ザ・テンプラボーイズ」というタッグ名で活動していたし、日本に帰ってきてからも「ロッポンギ3K」と名前を変えて2人で組んできました。

2人とも若くて華があって動きもカッコいい。YOHは技術があってキレイだし、SHOはパワー型で見ていて興奮します。
その特長の違いが、またコンビっぽくていいなあと思っていました。

でもファンとしてはボンヤリと「うーん、何かが足りないな…」と感じていたのも正直なところです。

ファンを惹きつける要素

プロレスというのは特殊なものでして、単純にカッコ良かったり強ければいいというものではありません。その選手に気持ちを乗せることができるかどうかが非常に重要なのです。

「この選手の考え方には共感できる」
「あの時のインタビューには納得できる」
「本音ではそう思っていたのか。なんて素晴らしい考え方なんだ」
などなど、ファンは選手の「人間的な魅力」を感じ取って応援していくものです。

そのへんはアイドルを応援する気持ちに近いかもしれません。ルックスやダンスパフォーマンスも魅力の一つではあるんだけれど、何よりも頑張ってる姿とか、少しずつ成長していく過程を応援したくなる…という。


そんな中でYOHとSHOによるタッグチーム「ロッポンギ3K」(スリーケーって読むよ)は、ちょっとチャラい若者2人がスマートに戦うようなチームでした。
インタビューでの発言もスマートそのもので「必ず俺たちが勝ちます」や「負けたのは悔しいけど、まだ諦めません。リベンジするので応援よろしくお願いします!」といった感じ。

それに対して僕はモヤっとした感情を抱えていました。

端的に言うと「それ本音か?」というところです。

人間ってのはそんなにスマートでポジティブな生き物ではないはずで、他のライバル選手に対する嫉妬とか怒りを持っていないワケがない!と思うのです。でも2人は自己プロデュースでスマートにファンを獲得したかったのか、そういった感情を表に出すことがほとんどありませんでした。

とことん明るくて超ポジティブで突き抜けて楽しいキャラクターというわけでもなく。
腹立たしいほど感情を逆撫でしてくるヒールというわけでもなく。
むちゃくちゃに強いというわけでもなく。
ファンサービスが超凄い!ということもなく。

全てにおいて中途半端な印象があって、ファンとしては推したいけれど気持ちが乗せにくいな…というのが本音でした。

ほら、あなたの知人や友人の中にも
「この人まだ僕に本音を出してくれてないよなあ。なんか気を遣われてるのかな。」
って思っちゃう人いるじゃないですか?
(僕はいます)
なんか距離あるな。なんか心を開いてくれてない気がするな。って。
まさにその感じです。


崩壊することはチャンスでもある

しかし、ついに10年間のタッグチームに終わりがやってきました。

YOHの度重なるケガによる長期欠場。
それによって自然とタッグとして活動する機会が減り、結果的にSHOがシングルプレイヤーとして注目され始めたのです。

SHOは元々パワーファイターで、インタビューでの発言こそ中途半端ではあったけれど、試合中は感情剥き出しで戦う選手でした。そのファイトスタイルが少しずつファンに伝わって、いつしか「SHOはタッグを組まない方が輝いてる」という声が聞こえるようになりました。


シングルで戦うSHOをもっと見たい。


そんな中でYOHがケガから復帰。再びタッグチームで活動を再開させたのです。

少しずつ注目を集め始めたSHOとは違い、相変わらず本音が見えないままスマートに戦おうとするYOH。
それを受けてSNSの一部の声ではあるけれど、ファンの中では確実に「SHOの独り立ち待望論」が大きくなっているのを感じました。

するとついにSHOがYOHに対して裏切りの暴行。試合中に仲間に対して攻撃を仕掛けたのです。
プロレスではこうした裏切り行為はとても重要で、タッグチームの解散はもちろんのこと、お互いの見た目やキャラクターを一新させるタイミングにもなります。


ついに長年のタッグチームが終わりを告げた。
SHOが独り立ちして一気に人気レスラーになっていくのか!?裏切ったけど、今後どうするんだ!?
裏切られてしまったYOHはどうなっていくの!?

タッグチームを組んでいたことでお互いに出し切れていなかった個性や感情が、ついに解放されるチャンスです。

2人の未来をかけた一騎討ちに注目しましょう。

ちなみに僕の勝敗予想は「SHOの反則負け」。
一進一退の攻防を見せつつ、最後は試合に関係ない誰かが乱入してSHOをサポート。YOHはボコボコにされながらも勝者となり、SHOはそのまま乱入してきた選手のチームに加入する……という。
あくまでも僕の理想も混ぜた予想ですが。さて、どうなるでしょうか。


棚橋弘至選手の役割と未来

他の試合についても書きたかったのですが、YOHと SHOだけで随分と長文になってしまったので割愛します。

強いてもう一試合だけ注目をあげるなら棚橋vs飯伏のUSヘビー級タイトルマッチですが、ここは何としても棚橋に勝ってもらいたいと願っています。

ここ5年くらいの棚橋はケガと年齢で思うような結果がついてきておらず、都合の良い咬ませ犬的な役割が多い印象があります。だとすると今回も「海外に流出していたチャンピオンベルトを奪い返す役目→そのまま飯伏に取られる役目」という流れになってしまうような気がしていて、それは避けて欲しいなと思うわけです。

まあ更に本音を言うとUSヘビー級のベルトは失ってもいいから、またいつかIWGP世界ヘビー級のベルトを巻いて欲しいのですが。
そのルートを進むためには、ここで飯伏に負けてベルトを失っておいて、来月から始まるG1シリーズで優勝し、来年1月の東京ドームでタイトルマッチ…となるわけですが、それもなかなかイバラの道ですね…。

※プロレスはチャンピオンベルトが何個もあるんです。訳わかんないですよね。棚橋が持ってるのは「海外とかも巻き込んで戦うこと」をコンセプトとした「USヘビー」って名前のベルトです。「IWGP世界ヘビー」というベルトが、新日本プロレスが用意してる最高峰のチャンピオンベルトです。実質これが金メダルみたいなもんです。

ファンはいつも勝手なことを言う

今年は積極的にドーム大会を打ちまくってる新日本プロレス。
こんなご時世だからこそ攻めの姿勢で、というスタイルは最高にカッコいいなと思います。試合数が少なかったり、集客が厳しかったり、現地で声出して応援できなかったり…色々な制限はあるものの、結局僕たちはファンとして好き勝手言いながらプロレスを追いかけることを生き甲斐にしている奴らです。

今日から始まるメットライフドーム大会が終わったら、またきっと勝手な意見や予想をしながら僕たちはプロレスを楽しむことでしょう。

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