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森薫『SCRIBBLES』(落書き集)出ます (その1)

「SCRIBBLES(スクリブルズ)」とは落書きのこと。
森薫さんは漫画連載の合間にも、手を動かして落書きを続けていて、今回書籍化する『SCRIBBLES』はそれらを本のかたちにまとめたものです。
▽ 落書きは、たとえばこんなふうに。

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森さんちの脇机には引き出しがついていて、そこを引き出すと、コピー用紙に描かれた落書きが大量に入っています。どれもしっかりと絵が描かれたもので、大変に興味深く、我々編集部はかつてはピンク色の小冊子としてDVDや雑誌のふろくにつけてきました。

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漫画家・森薫さんが、なにを見てなにを感じ、なにに影響されて漫画を描いているのか、その一端がわかる貴重な落書き(スクリブルズ)です。
森薫さんは過去に『森薫拾遺集』という作品集を作って出したことがありますが、この「SCRIBBLES」はそのときにプレゼント企画として刷り直したこともあります。なので、1と2は、てもとにお持ちの方も多いでしょう。
▽ そのときのプレゼント告知漫画がこちら

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これまでの小冊子では1ページに3点から7点、ぎゅっと詰め込んで掲載してきましたが、今回の書籍化では1ページ1点、それぞれに森薫さんからのコメントをあわせて載せつつ、より見応え、読み応えの高い内容へと作り上げています。

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《余談》
過去に小冊子を作ったときは、まだ、鉛筆画を上手に製版する方法が見つかっていなかったんです。鉛筆画は濃淡があり、製版時にそれらを撮影するには工夫が必要でした。鉛筆画の淡いところが白くとんでしまったり、逆に濃いところの繊細な表現が再現できなかったりしたのです。なので、過去の小冊子では、いったん、鉛筆画をコピー機で納得のいく濃さに太らせてから、それを原稿として入稿していました。いまから16年前、2005年のことでした。その後、スピリッツ編集部がゆうきまさみ先生のモノクロ鉛筆画を小冊子にすると聞いて、製版の方法を教えてもらったりもしました。
2021年、現在では、鉛筆画の分解も、それをもとにした製版技術も上手くやれるようになっています。この本を作るに当たっては、約4年以上かけて共同印刷の製版部と試行錯誤を重ねながら、原画の魅力が最大限に引き出せるような仕組みを探ってきたのです。ありがとう共同印刷!

1冊は256ページもあります。『森薫拾遺集』と同じB6判でも出しますが、より大きく絵が楽しめるワイド版も同時に発売します。編集担当のおすすめはワイド版です。絵を見るなら大きな版面のほうが、細部までタッチを確認することができて、より楽しめます。

長くなったのでエントリーを分けますね。その2につづく!

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