Butter考察を読んで興奮が収まらない。BTSという唯一無二のジャンル。
BTSの「Butter」が公開されて1週間が経った。「Butter」への関心や反応は言わずもがな、MVの再生数は1日で1億再生超え。ギネスワールドレコードでは計5部門の記録を更新。
そんな「Butter」に関していろいろな考察を読んでいて、ほとばしる熱い興奮が抑えきれず、勢いでnoteを開き、初めて記録をしてみる。
結論、私がなぜこんなにも興奮したかというと、BTSという存在がただの「アイドル」でも「アーティスト」でもなく、「BTS」という孤高にして唯一無二の存在であることを強烈に感じたから。
その理由について、拙い言葉で書いてみたいと思う。
僕達は人々が、僕達の音楽がkpopなのか否か、どう見るのかは気にしていない。大事なことは僕達は皆韓国人で、ポップソングを歌っていると言うこと。それが僕達が"僕達のジャンルはBTSだ"と言う理由だ。
─RollingStone誌 RMコメント
Butterのコンセプトを考察
まずは「Butter」の考察を。
私が「お〜〜〜」となった考察は、ポップアート説。その真偽こそわからないが私はこの説を推している。とっても詳しく解説している記事があるので、読むと面白い。ここではとっても簡単に説明する。
Butterのジャケットアートやコンセプトフォト、コンセプトクリップなど至る所にポップアートの手法が使われている。
ポップアートとは身近な暮らしの中にある商品や大衆文化などをモチーフにした表現。代表的な画家にはアンディ・ウォーホルがあげられ、weverse magazineでは4月にそれをテーマにした記事をあげている。
アンディ・ウォーホルは「芸術はあなたが日常を抜け出すことができるすべてのものだ」という言葉を残しており、日常における経験と芸術に対する大衆の関心を喚起した。
大量生産と消費を追求した当時の時代相を投影した彼の代表作は〜...
大量消費されるアイドルという存在をポジティブに捉え、ポップアートとして捉えた作品が「Butter」なのではないか。
そして「Butter」は、アンディ・ウォーホルの作品のように、みんなの日常に溶けることを意味しているのではないか、ということだ。そして、「Butter」で伝えたいことは何かというと....とButterの曲の考察に繋がるわけだが、とても長くなるのでここでは割愛する。
ダンスや歌だけではない。体験こそが魅力であるBTSの作品
BTSの楽曲にはいつもコンセプトが隠されており、MVや歌詞、関連画像などが考察されるのが恒例行事。(ちなみにButterはMVに深い意味はないとメンバーがVライブで言及していた)
しかもこれが点として存在するのではなく、様々な場所で繋がっている。これは楽曲に限ったことではない。写真集やインタビューでの発言などとも連鎖している。
ここに、BTSの「歌やラップがうまい」「ダンスがすごい」だけじゃない魅力が詰まっている。
(ちなみに他にも魅力はたくさんあるのだが...ここでは語りきれないので割愛)
ちなみにBTSの音楽やパフォーマンスの魅力はWeverse公式がアップしている記事で十分に理解できる。BTSの曲とWeverse Magazineは絶対にセットで楽しみたい。
圧倒的な楽曲やパフォーマンスは世界中の人々を魅了し、彼らは大衆文化の象徴となる。その裏に、メッセージが緻密に織り込まれている。
それは楽曲が出るその瞬間だけではない。約3週間前からはじまるコンセプトクリップ、ティザーから曲が公開されカムバック活動が行われるまで、長い時間軸でそれを受け取ることが出来る。
BTSの作品は無知だと楽しめないが、それをファンたちの考察が支える。作品に含まれた意味を知ろうと紐解いていく中で、新しい知識が増え、自分の価値観・視野が広がる。1つの楽曲から広がるこんな体験、鳥肌が立たずに居られない。
もちろんあくまでも考察の域は出ないので真偽はわからない。だが、色々な知識・知恵を持ちより、考えをファン同士の間で交換し合う体験までもが面白い。ただただカッコいいと騒ぎ立てたり、歌を聴いてのってるだけじゃ本当に勿体ないとうずうずする。(まあ度肝抜かれるほどカッコいいので仕方ないが)
こういった体験、そしてBTSというジャンルは、彼ら7人だけで作れるものではないと思う。メッセージを、様々な手法・表現を通じて届けるHYBEのクリエイター陣は、どこまで博識でいてセンスが良いのであろうかと脱帽する。またそこに加わるリーダーRMやSUGAの存在も非常に大きい。(もちろん2人以外のメンバーも制作に関わっているし、その点が他のアイドルと一線を画すると思う)
過去の曲と比べて、私が感じたButter
1年ちょっと前の曲「ON」までは、BTSの葛藤や苦悩が感じられた。自分たちが置かれている状況を「自分の足で入って行った美しい監獄」と表現していたり、何度も登場する「Bring the pain」という言葉には、胸がキュッとする感覚があった。(それと同時に覚悟や決意も感じる。本当に良い歌詞だと思う)
この「Butter」を通じてBTSが苦悩さえも乗り越えて、スーパースターであるその存在を楽しめるところまで上がっていったように思えた。
たくさんの苦しみが描かれた花様年華時代の楽曲、「Butterfly」から「fly」して残ったのが「Butter」。(Butterflyの公開から2,000日後にButterが公開されている)花様年華を暗示させるものが壊れているようなコンセプトフォトからもそれは伺える。(再度言うがあくまでも考察の域は過ぎない)
High like the moon, rock with me(月の高さまで昇って、僕と一緒に楽しもう)
Know that I got that heat(僕のアツい魅力を知っているだろう)
Let me show you 'cause talk is cheap(ありきたりな言葉ではなく 見せてあげる)
Got ARMY right behind us when we say so Let's go
(僕たちの後ろにはARMYがいる 僕たちはこう言うんだ 行こう)
You know we don't stop(僕たちは絶対止まらないことを 知っているだろう)
─Butter
まもなく8周年を迎えるBTSというグループが、どんな心の変化を感じ、進化していくのか。その過程を作品を通じて感じられることがまた面白い。そんな彼らはこれだけの成功を収めながらも、まだまだ努力をし続けるというというから恐ろしい。これから生まれる作品をリアルタイムで触れることが出来るだけでも、この時代に生まれてきてよかったと思わせてくれる。
個人はもちろん、グループとしても僕らは未完成であり続けるよ。どんなに努力しても、改善の余地はいつもあるって僕らは長年かけて学んだから。
─RollingStone誌 JUNG KOOKコメント