何にでもあてはまるものは科学ではない【憂世で生きる智慧】
アドラーの心理学理論の中心は「優越コンプレックス」にある。
彼は、「あらゆる人間の行動は、自分を向上したいという欲求(優越性の追求、または理想の追求)から生まれる」と主張した。
つまり、人は常に自己の価値を高めたいと考え、それが行動の原動力となるということだ。
1919年、哲学者カール・ポパーはアドラーと面会し、アドラー理論では説明がつかない子どもの患者の事例について話した。この時、アドラーはその患者を見たこともないのに、持論に基づいて容易に分析を行った。
ポパーは驚き、