麻雀 旅打ち じゃんきち戦その1

この雀荘を見て頂きたい。 この令和の時代に

『じゃんきち』である。 

麻雀きちがい‥という意味であろう。
おそらくは私の前前前世から営業してるから、このような名前も許されたのだろう。いま、この名前を出したら営業許可がおりないまである。

なぜ、この雀荘に来たのか?話は少し逆上る。 

「御殿場?御殿場には何もないよ。」と周りの人間には言われる。しかし、私と弟子はここら辺の雀荘を制圧して、美味いものを食べるという野望があるので手初めに静岡に行ってみる。

何にも無いと言う事はない。
日々を丁寧に生きてれば何かはあるはずだ。
そして、御殿場に

本当に何もない。 

本来、マウントをとるべきマウント劇場ですらこれである。魔王軍の襲撃でも受けたのだろうか?
しかし、我々の冒険は始まったばかりだ。こんな街にこそ戦慄するような敵は存在するのだ。
さっそく『BOO2』という雀荘の扉を叩いてみる。

やっていない。戦慄した。


いやいや、こんな戦慄をするのは反則だろ?近場の雀荘を探してもない。何か美味いものや名物を探しても

「御殿場、御殿場には何もないよ。」
そっけないものである。
ひょっとしたらよそ者には厳しい街なのかもしれない。
しかし、そんな中。雀荘に電話するとかけ直してきた店があった

『じゃんきち』と出ている。『雀鬼』といえばカッコいいのに『ち』をつけるだけで全く違うイメージになる。『ウルトラマンコーヒーライター』みたいなイメージだろうか?全然違うな。

しかし、そのじゃんきちの店長さんが  

「ご新規のお客様ですか?良かったら送りますよ!」
と、言われた。 店名が昭和の香りがするお店なので人情溢れる方なのだろう。ありがたい。我々はご厚意に預かる事になった。 

しばらくすると、車がきた。

そして、乗り込む我々。
店長さんはアメリカンなでB系な感じだ。
大分いかついが、話す感じは優しい。 

しかし、光で見え隠れするタトゥーが眩しく我々を照らす。

だが、タトゥーも和のテイストが溢れる感じではなくオシャレな感じなのでファッションで入れてるかもしれない。
案外、レートも安いのかもね☆そんな事を考えていたら   

「うち、大分高いっすけど大丈夫ですか?」

と聞かれた。戦慄した。いやでも、聞いてみると

「1-1-3、赤3、箱下ありの鳴き祝儀ありす。チップ500G」

おいおい、もはやピンじゃねーぞ。1.8ピンぐらいのレートじゃねーか。
麻雀がわからない賢明な読者の為に答えると普段負けても5000Gから10000Gぐらいなのが5,60000Gぐらい動くのだ。
しかし、我々は

「ああ、大丈夫す。麻雀に変わりはないので。」 

と、兎という漫画のパクリみたいな事を言ってのりきった。

続く  

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