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パブリックスペースとアンビエント広告

丸の内仲通りに芝生が敷かれていました。しかも人工芝ではなく天然芝!

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丸の内ストリートパーク2020という取り組みで、7/26から9/7まで車両通行止めにして実施されているようです。
芝生のほか、ミスト噴霧機、扇風機で、酷暑対策が施されています。

たしかに体感温度は涼しい気がする。
随所でスタッフさんが気温や湿度を計測していました。
きっとこの社会実験のエビデンスを次回以降に活かしていくのでしょう。


コロナ渦で様々な意見が飛び交うなかでのこの取組み。
実行委員の関係者の方はさぞかし大変な汗をかかれたこととお察しします。

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そういえば、新宿東口公園、ミヤシタパーク 、ウォーターズ竹芝、高輪ゲートウェイフェスト等、2020年に開業したこれらの施設もすべて「芝生+カフェ」が空間の中心となっています。

まちづくり界隈に数年前から緑化が啓蒙され続けた成果でしょう。


丸の内仲通りを含む大丸有エリアは、数年前より公的空間活用モデル事業に注力しています。

道路や公園、広場、空地など、街のパブリックスペース(公的空間)の利活用にはたくさんの可能性に溢れています。

大手デベロッパーや官公庁を中心に、産官学連携しながら公的空間活用モデルは議論され、いい意味でのロビー活動が身を結びはじめているように感じます。


アンビエント広告を中心に企画している立場としては、「広告表現のキャンパス」としての公的空間活用に期待を寄せ続けています。

(アンビエント広告って何?…についてはまたの機会に触れます。簡単にいうと環境に溶け込む広告のことです。)

実際に公的空間でプロモーションを行いたいという広告主側からのご要望は多く、僕もこれまで広告主側から様々な相談を受けてきました。

予め広告掲出のために用意された媒体枠やイベントスペースでは物足りず、できるだけ枠からはみ出したい意向が高まっています。


ただ、実際のところは様々な規制があり、道路や公園では広告宣伝行為が自由にできません。屋外広告物条例や景観条例、道路交通法などで細かく規制されています。

ですが、ただ単に広告を出稿するのではなくブランディングに寄与するコミュニケーション活動と捉えると公的空間においても折り合いをつけられる余地があります。

大義名分や表現手法を駆使して関係各社と何度も協議ながら、過去にはIKEAやGoogleのコミュニケーション活動をコーディネートしたことがありました。

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↑丸の内仲通りにIKEAの商品を展示した事例


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↑行幸通りにGoogle Pixelのオブジェを展示した事例


いずれの事例も社会実験というフェイズだからこそ実施できたスポット案件ではあります。

自治体や場のオーナーとしてはスポット的な取組ではなく、常設での広告枠設置のほうが管理しやすく収益も見込みやすいという見方もあります。

ただ広告にはオートクチュールの瞬発的面白さが確実に存在します。ありきたりな枠や表現ではなく、その環境ごとにフィットした企画こそ被写体となりSNSでも伝播していきます。

まちづくり文脈の中では嫌われがちな広告物ですが、表現と機能の工夫により心地よい空間に同居する広告コミュニケーションがつくれるはずです。


様々なハードルはありますが、今後も公的空間で展開を観測しながら、環境にフィットしたアンビエント広告の実現に尽力していきたいと思います。

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