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貧乏人がお金稼を稼げない本当の理由

貧乏生まれ貧乏育ちの青木公代です。
今は結婚・引っ越し・転職のコンボが決まり脱貧乏できました。
世帯年収が人並みになり知ったのですが、皆さん貧乏人がお金を稼げない理由が全く理解できないのですね。
ここでは我が家がなぜ貧乏だったのかという実例を紹介し、貧乏な人が脱出するきっかけになれるよう書き記していきます。

私の父は東京で大手ゼネコンに就職した一級建築士でしたが、両親(私の祖父母)の体調不良をきっかけに地元に戻り実家を継ぐことになりました。
末っ子の父ですが覚悟あってのことだったと聞いています。
その後地元の建設会社を経て独立、設計事務所を立ち上げました。

そう、私は社長令嬢だったんです!
すごいでしょ!!

父は独立する以前から死ぬまでずーっと言い続けていたことがあります。

「頭をさげてまで金稼ぐために働くなんて恥ずかしい事はやらん方がマシだ」
「やりたくもない仕事を金の為だけにするなんて意地汚い
「俺の技術を欲しいなら向こうから頭を下げてくるはずだ」

誇り高い技術者として必要な矜持だったのでしょう。
農業や土木を生業とする地元で父親の普段着といえば作業着やジャージが定番でしたが、周りに流されず常にワイシャツとスラックスに革靴で出歩く父の姿は私の目にとても格好よく、よそのお父さんたちより優れているように見えました。


そして父の会社が倒産し、私たちが生活保護を受給することになるまでほんの3年もかかりませんでした。

金を稼ぐことは卑しいという偏見

そもそも日本はお金を稼ぐことに否定的な人が多いです。
特に田舎に行けば行くほどその傾向が強く感じます。
例えば夕方のニュース番組で

「こんな素晴らしいサービスを無償で提供している○○さん」

といった特集を目にしたことはありませんか?

背景には日本の産業に対する考え方や階級意識があると考えます。

田舎に行けば行くほど顕著なことですが、生活に密着し命を支える農業や漁業など一次産業、経済発展に欠かせない製造・加工など二次産業と比べ、何かをしてもらうことに対してお金を払う三次産業(サービス業など)の地位が低いように思います。
これは都会に行けば逆の現象が起きています。
渋谷の街を軽トラが豚糞載せて走っていたら笑いませんか?

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とっても臭い肥料ですが私たちの食べる野菜を作るのに欠かせないものなのに、です。
結局人間自分が関わったことの無いものに対する敬意だとか、大変さを想像するのはとても難しいのです。

よくおもてなしの国日本ともてはやされますが、無料でサービスを提供したりされたりすることに慣れているという問題もあるでしょう。

良い作物を作れば高く売れる
良い技術を持っていれば勝手に声がかかる

田舎にはこういう考えがよくあって、父もその中の一人でした。
否定はしませんが、今の社会ではよほどの唯一無二のものでなければ見逃されてしまいます。
自らの技術の価値を測るもの、すなわちそれがお金です。
自分の価値が高いと思うのならば積極的にアピールして価値を高めていくことは何ら恥じ入ることでは無く、むしろ必要な努力だと考えます。

頭を下げることの本当の意味

「頭を下げて仕事をもらう」
ことの、一体何が悪いのでしょう。
まぁ格好は悪いかもしれませんね。
頭を下げればそこに大なり小なり上下関係ができますから。

けれどこう考えてはどうでしょうか。

3人の技術者がいて、その3人ともが同等の優れた能力だったとしてどの人に仕事を頼むか最後の決め手は何になるでしょうか。
私は人間性だと思います。

・信頼できる人柄かどうか
・指示に忠実に従うかどうか
・嘘をつかない誠実性を持っているかどうか

じゃあ目の前にいるこの私がパートナーとしてふさわしいかどうかを判断する材料を相手に提示するために何ができるでしょうか。
頭を下げて相手の時間をもらうことです。
自分の話を聞いてもらう「時間」をもらい、人間性をアピールする機会を得る。これ以外に他者に勝つ方法は無いです。

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「頭を下げてへりくだる」
というイメージがそもそも間違っています。

まずは自分という人物をアピールする機会を得るために相手の時間をもらいます。
そう、時間は有限なのです。タダで相手の時間をもらうなんておこがましい。
RPGに例えると自尊心を1使ってこちらのターンを増やす感じですかね。
攻撃ターンが回ってこないことには勝つことはできないですもの。

(もちろん異常なアドバンテージを持って攻撃せずにクリアしちゃうRTAプレイヤーがいることはここでは考慮しないこと)

あなたがRTA走者であるならば必要ないことですが、私は通常プレイヤーでなんだったら人生縛りプレイみたいなもんなので、ガンガン頭下げますよ。
必要な場面を見極めることこそプレイヤーのスキルが試されると思って頑張ってます。だいたい頭下げたってダメな時はダメなんですから、自分を売り込む勇気をもって粛々と頭を下げることができたなら、それは立派な大人だと思いませんか?
わたし、がんばる。

お金があってできること、できないことを理解する

「金があっても幸せになれない、なければ無いなりに幸せ」
私も同感です。
お金さえあれば良いなんて思いません。
ですが私はお金がないことによって起きる不幸を体験しています。
以下お金が無くて起きた悲劇です。

・重病でも医者にかかる費用が出せなくてためらう
・栄養の偏った食事で子供たちの体調が崩れる
・生理用品をケチって膀胱炎(これ、割と地獄)
・文房具をまともに買えない
・学費を滞納して子供が職員室で謝罪する
・部費が払えなくて部活動を辞める
・給食費は当然滞納
・借金を借金で返す自転車操業
・電気・ガス・水道が止まる
・小遣いが無いため友達と遊びに行けない
・洋服はすべておさがりなのでおしゃれに疎くなる

ざっとこんなもんですね。
これは私が子供の頃、具体的には高校生くらいまでに経験したことですが、中学までは地元だったので自らの貧乏具合は全く気づきませんでした。
高校は電車に乗って通う隣町で地元からしたらずいぶん都会だったので、高校に通い始めて1年もすると自分の生活とのギャップに気づくことになりましたがまたこれは別のお話し。

つまりお金が無くても幸せというのはここに羅列したようなことがあってもみんな仲良く暮らしていて心が満たされるってことでファイナルアンサーなんですかね。
たぶんそうだと思うんですけど、我が家の場合で恐縮ですが家庭崩壊待ったなしの悲惨さでしたよ?
庭に生えた野草を食べて暮らしたり父親が酒におぼれて暴力ふるったりね。
大概の場合、お金が無いと人は余裕を失い些細なことで苛立ったりするものです。穏やかな暮らしを保っている人もいるでしょうが、とても難しいのが一般的だと考えます。
(だいたいセミリタイアして田舎暮らし満喫してる人たちって、それまでにバリバリ働いて貯蓄があるからやってるんじゃないの???)

また、その幸せは突発の事柄に対応できません。
例えば親戚が急に体調を崩してお金が入用になったとか、子供が遠くの学校に進学したくなったとか、友達と旅行することになったからお金を積み立てるとかとか。こうなった時に何かしら寂しい思いをするのは子供だと思います。

世の中お金で解決できない問題も沢山ありますが、お金で解決できることだってたくさんあります。
お金を稼ぐために家庭を犠牲にしたり、体を壊したりして不幸になることは不必要ですが、頭一つ下げるだけで手に入る幸せが仮にあるとしたらそれは素敵なことだと思うのです。
そして子供たちは大人になって働く大変さを、お金を稼ぐ大変さを知り初めて親のありがたみを本当の意味で知ることになるのです。

私の借りた奨学金を使い込んで危うく高校卒業できないところだったり私の名義で消費者金融で借金してとんずらしておきながら「俺たちは家族だ」なんて言っても感謝なんて1ミリも沸かないんですよ。

あ、すみません、こっちの話です。

自分に本当に必要な努力を見極めよう

「頑張ってるのに幸せになれない」
かつて私もよくそう思っていました。
親元を離れ一人暮らしで必死に働くのにどうしてだろう。
どうしてこんなに頑張ってるのに幸せになれないのだろう。

それは努力が間違っていたからです。
私はある小売店で5年ほど働いていました。
天職だと思い必至に頑張りましたが契約社員で時給は100円上がっただけ、とうとう最後まで時給1000円を超えませんでした。
どんなに営業成績を残しても私の評価はこんなもんかと目が覚めて引っ越しを機に転職。
そしてようやくお金に余裕のある暮らしをし始めて気づいたのです。

私はやりがいを搾取されていた。
そして頭を下げる場所を間違えていた。

自分の価値を知り、より高めるために使うのが自尊心です。
自らの持ち物を客観的に見て、他者に高い付加価値をもって提供できるものならば、そこは自信をもって高く売るべきです。
妙にへりくだる必要はなく、しかしそれをアピールするだけの機会を得るためには感謝と自尊心の消費を惜しまない。
その姿勢を積み重ねることで得られるものが信頼であり、お金です。

誰かに認められたいともがくより、効率の良い認めてもらう方法を探すことが近道であり、父にはそれが足りなかった。
「俺は技術は一流なのにみんななぜ使わないのか」
晩年の父が酒に酔って口にしていた言葉です。
こんなことをあの格好良かった父から聞きたくありませんでした。
なぜ父が起用されなかったのか、本当のところはわかりませんが…

私が小学生の頃一度だけ父が営業に行くときに連れていかれたことがあります。
とある会社のオフィスに私を連れて行き、社長に私を会わせ仕事の商談をしていました。

今ならわかります。

”あんなこと”を。
子供を連れて同情を誘い昔のよしみで…というだけで仕事を取ろうとする人に、私だったら仕事を任せたくない。

その時の帰り際、相手社長の言葉が印象的で今でも覚えています。
「青木君、時代は変わったんだよ、悪いね。今日は会えてうれしかったよ。公代ちゃんまたね。」

さあ、あなたの持っているものはなんですか?
必要な努力は何でしょうか。
そもそもお金がどれほど必要ですか?
自らの強みを知り、価値を高めて必要なお金を手に入れましょう。
あなたにはその権利があるのだから。

補足:変なセミナーとかに引っかかっちゃだめですよ~(経験者語る)


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