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ノーベルに多大なる影響を与えた女性 ベルタ・ズットナー

※この記事は2008年12月11日にETC英会話の関連サイトのために書かれたものを、一部編集して掲載しています。

ノーベルに多大なる影響を与えた女性 ベルタ・ズットナー 

 かつてビジネススクールに通っていた頃、組織行動学の先生がこんな表現を教えてくれました。

Behind every successful man, there is a woman.

 以下は、先生の解説

「成功の影に女あり。ほら、皆さんにも、いつも側にいて、あーでもない、こーでもないと、がみがみ、うるさく、やかましく言ってくれる女性がいるでしょ? お母さんとか、彼女とか… その人のことを大切にしなさい、という意味ですよ」

 さらに着目すべきことは、この女性が単数形(a woman)であること。
 
 成功の影にいる女性は複数ではないのです。たった一人の女性なのです。

 そう、これを読んでいる貴女のことです。

 ですから、もっと"がみがみ"言ってあげましょう!

 そして、男性諸君、その人の言葉に耳を傾けましょう。
 
 - ☆ - ☆ - ☆
 
 今日もDemocracyNow!2008年12月9日の配信分から。

 テーマは、『ノーベル賞の歴史、ダイナマイトを発明した人、アルフレッド・ノーベル』。エイミーさんは、ノーベルに多大なる影響を与えたといわれる女性、ベルタ・ズットナーについてノーベル博物館館長のピーターさんに質問します。

AMY GOODMAN: Can you talk about Baroness von Suttner, the 1905 Nobel
Peace Prize winner, and her influence on Alfred Nobel in setting up
these prizes?

エイミー・グッドマン:
1905年にノーベル平和賞を受賞した、ベルタ・フォン・ズットナーついて、話していただけますか。そして、アルフレッド・ノーベルがノーベル賞を開設する際に、彼女が与えた影響について。

PETER ZANDER: She had a great influence. (中略)

So the Baroness von Suttner, or the Countess Kinsky, as her name was
at the time, she was hired as the secretary of Alfred Nobel in a safe
distance from Vienna. She stayed there just for a couple of weeks and
went back to Vienna, though I think during those weeks she inspired
Alfred about a great deal in what was an important question to her,
namely peace.

ピーター・ザンダー(ノーベル博物館館長):
彼女はとても大きな影響を持っていました。 (中略)

 ベルタ・フォン・ズットナーはアルフレッド・ノーベルの秘書として雇われ、ウィーンから通うことになります。アルブレッド宅に数週間滞在しては、またウィーンに戻ってくるという生活を送っていました。これらの期間、彼女にとっての重要な課題、つまり平和について、彼女はアルフレッドに非常に大きな影響を与えたのだと思います。

And she became one of the really early leading peace activists at the
turn of the century. She wrote a book called Die Waffen nieder!, or
Lay Down Your Arms!. Everyone read it, even Alfred Nobel. And I know
that he supported her peace campaign a lot, though they never really
agreed. He actually said that “I think my dynamite might cause more
peace than your struggle.” But he believed in her, anyway. So, many
people say that the peace prize, the way he mentioned it in his will,
is tailor-made for Baroness von Suttner.

 そして、彼女は19世紀末において平和活動家として先駆者的リーダーの一人となります。『武器を捨てよ』という本を書きました。皆が読んでいる本ですが、同様にアルフレッド・ノーベルも読みました。そして、彼は彼女の平和運動をかなり支援したようですが、しかし根本的なところではお互い同意はしていなかったようです。実際彼はこんなことを言っています。

 「君の闘争よりも、私のダイナマイトのほうがずっと平和に役立つかもしれない」

 しかしながら、彼は彼女を信頼していたことは間違いありません。そして、彼の遺書に書かれているノーベル平和賞は、彼女のために作られたものだと多くの方が言っています。

"DemocracyNow!"より (日本語訳:青樹)

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 現在のオーストリアの2ユーロ硬貨にはズットナーの肖像が描かれているそうです。 

◎参考

▽ウイキペディア
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%83%AB%E3%82%BF%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%BA%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%8A%E3%83%BC

▽平和のために捧げた生涯
http://wirtschaftsmuseum.at/pdf/Suttner_jap.pdf

▽武器を捨てよ!
http://books.google.co.jp/books?id=m5NGgrX-BkgC&printsec=frontcover&as_brr=3&source=gbs_summary_r&cad=0

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