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文章

会ったこともない人を好きになった。

声も、顔も、歳も、本名も知らない。
アイコンは真っ白で、アカウント名は中性的。

投稿に「#エッセイ」とついていても、
その人の「エッセイ」では一人称が「ぼく」だったり「私」だったり「うち」だったりする。「俺」の時もある。

僕も同じことするので「#エッセイ」は実質エッセイではない。

純粋に文章が好きだった。
起承転結がなくて、文体は独特で、ストーリーは曖昧。
つかみどころのない、その雰囲気に惹かれた。

その人の物語にはいつも、曖昧な関係の男女が登場する。

彼らのやりとりがとても心地よくて、自分もその場にいたような気分になれる。

読んでいくうちにどんな人が書いているのだろう、と気になった。
読めば読むほどその人に惹かれていった。

文章、文体、言葉選び。
興味の対象はその物語が生み出す作者へと移っていた。

どんな人が書いているのだろう。
どんな本を読んで、どんな生活をして、何を思ってこれを書いているのだろう。


生活費になります。食費。育ち盛りゆえ。。