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「大好き」な「大好き」のヒーロー

今日ぐらいはポエム書いてもいいよね?

2023年3月31日、虹ヶ咲の推しのキャス変最終日。
先程引き継ぎ動画が公開され、あと少し経てば4月になり、完全に変更となる。
今の気持ちを、文として残しておきたかったのでここに記しておく。
まとまりなど一切考えていない。ただ思うがままに書くだけ。


人生において、好きなキャラの声優変更はこれまで何回も経験してきた。
媒体ごとの違いだったり、引退だったり、世代交代だったり、病気だったり、色々な事情がそこにはある。
今までは、なんだかんだ飲み込めていた。完結済作品がメディアミックスや続編などで声優が変わるパターンが大半なので、寂しい気持ちはありつつも受け入れられていた。それに、本当に納得できなければ変更後の媒体に触れなければいいし……

しかし。今回だけは違った。
ひたすら展開が続くマルチメディアミックス作品で、リアルライブにまで熱心に通っているコンテンツの最推しともなれば、今までとは話が違う。
何より……ちょっと、優木せつ菜/中川菜々のことを好きになりすぎていた。

自分と虹ヶ咲との出会いは2020年8月に遡る。
詳しくは昔の記事に書いたが、無印アニメを見たのがきっかけでラブライブにハマり、虹ヶ咲にもスクスタを始めたことで興味を持った。
始めた当初に色々MVを見ていく中で、特に印象に残ったのがこの一曲だった。

「CHASE!」
優木せつ菜最初のソロ曲。
夢を追いかける人への応援歌であり、自分自身……優木せつ菜から中川菜々に向けたメッセージのようにも聞こえる歌。
その圧倒的なオーラを放つ歌声は、あまりに格好良くて、自分を魅了するには十分すぎた。

ストーリーを読んで内面を知るうちに、どんどん彼女のことが好きになっていった。
特に印象に残ったのが、キズナエピソードの「LIKE IT!LOVE IT!」誕生秘話。

スクスタを始めた初期にスクショをTwitterで見かけてからというものの、彼女のことが気になってしょうがなかったし、実際にストーリーを読んだ時には感銘を受けた。今でも虹ヶ咲で一番好きなセリフの一つ。もうひとつは1期12話のアレ。
せつ菜には、ちょっと傲慢ではあるけど自分に少し似ている部分があると出会った時から思っていた。ただ好きを追い求めて、ひたすら打ち込む生き様にシンパシーを感じる。
でも、せつ菜は自分とは違う。世界に色んな人の大好きが溢れて欲しいという野望を持つ人間だった。自分のような人間にとって理想の世界を、彼女は叶えようと努力している人間で。そんな人に憧れるのは当然だった。
大好きを誰も否定しない世界が叶ってほしいと本気で思ったし、今でもそう思っているし、これからも少しずつこの現実世界が彼女の望んだ姿に近づいていくといいなと思っているし、自分もまだまだ頑張りたい。
何もないと思っていた自分を肯定してくれて、新しい夢をくれて、大好きを叫ぶだけでも誰かのヒーローになれるのだと教えてくれた存在が、彼女だった。

こうして、優木せつ菜は、自分にとってヒーローになった。

虹ヶ咲が特に肌に合うコンテンツだったのもあり、そこからは、楽しいことばかりだった。
スクスタはストーリーで色々ありながらもなんだかんだずっと楽しんでいたし、アニガサキは一期も二期も大好きで何度も見返すぐらい近年最高級のTVアニメだったし、リアルライブは配信込みならば今までの虹ヶ咲単独公演は必ず片日参戦してるぐらいは参戦してたし、毎日虹ヶ咲の曲ばかり聞いていたし、本当に充実していた。2020年8月から2022年10月までの2年間は、まさしく新しい青春と表現できる日々だった。

でも、ちょっと贅沢だった。
これだけの時間が経つと、いつしか、こんな幸福が当たり前のように感じていた。
これからも、13人の同好会メンバーと、13人のキャストと共に夢を追いかけ続けるのだと、信じ切っていた。
結果論ではあるが、ちょっと、考えが足らなかったな、と今は思う。でも、それぐらい素敵なコンテンツだったのだ。こんなに大好きな長期展開マルチメディアコンテンツには、もう出会えないんじゃないかと思うぐらいには。


2022年11月1日のあの瞬間を、今でも覚えている。
18時になった瞬間、TweetDeck上でツイートが多数の告知で流れていく。
その告知一つ一つを確かめようとマウスをスクロールした時、目に入る文字列。

「降板のご報告」

心臓が、一瞬止まった気がした。今でも不意に降板の2文字を見ると、胸が締め付けられるような感覚を覚えるぐらいには、衝撃的だった。
理解できなかった。何度も夢を見ているのかと確認した。あまりに信じられなくて、無理、無理、無理、と何を考えても無理という感情で頭が埋め尽くされていた。
見ていた夢が、終わる瞬間だった。

当初は立ち直って受け入れたようなツイートをしていたが、あまり表ではツイートしなかっただけでそこからは毎日苦しい日々だった。
メンタル的にかなりやられていて、当時残っていた同人誌の執筆やハマっている映画の視聴で精神を保っていた。何かしてないと落ち着かなかった。

こんなに苦しんで、当たり前の事実を再確認できた。
自分が、"楠木ともりさんが演じる優木せつ菜と中川菜々"を愛していることを。
あの明るい声で、あの格好良い声で、あの歌声で、大好きを目一杯表現しているせつ菜が好きなのだと。

「声優が変わっただけで騒ぐのはキャラじゃなくて、声優が好きな人だろ」なんてありきたりなレッテル貼りがよくあるけど。
否。詭弁すぎる。
そもそもキャラクターの声というのはキャラクターを形作る大事な一要素である。
声が変わってしまったら大きく印象も変わるはずだし、国民的キャラクターの声が変わった時の寂しさを経験したことぐらいはほとんどのアニメを見る人間ならあるはずだ。

これだけ苦しい立場になって、今までわからなかった人の気持ちが分かるようになった。
キャス変発表でグッズを手放す人は愛がないと言われることもあるかもしれないが、これは真逆。見ていると、胸が締め付けられて辛くなる。部屋に飾ってるタペストリーを本気で仕舞おうかと一時期考えた。
「声が変わるだけでキャラクターがいなくなるわけじゃないだろ」なんて意見もあるけど、そんな単純な話だったらこんなに苦しむわけない。
そもそも、同じ立場でもないのに、自分自身の痛みを他人が勝手に語らないでほしい。
あと「キャラはあくまでリアルライブでなくアニメやゲームでの声がメインなのに降ろすようなコンテンツなのおかしい、声優の働かせすぎは問題」なんて当時溢れていた意見は全く的はずれだし、虹ヶ咲はラブライブの中ではリアルライブ重視コンテンツというわけでもないので、強制的に降ろすようなことはまずなかったはず。本人が望んだことなのだから、こうなったわけで、やるせない気持ちになって苦しかったわけで。なんであんなに素晴らしい人に健康な体を与えないのかわからない。神様は残酷すぎる。
そんなこんなで、あの日からしばらく、インターネットはいつもより地獄だった。せつ菜の望んだ世界は、まだまだ遠いのかもしれないな、なんて思った。だから頑張らなきゃね。

こんなにも苦しい日々なのに、この3週間後には某Key作品にて大好きなキャラクターの声優さんの引退が発表され、声優変更が確定した。完結済作品とはいえ、入れ込み具合が尋常じゃなかったので、めちゃくちゃショックだった。
立て続けに辛い出来事が続いて、いつしか夢を見るのをやめていた。
また自分の好きなコンテンツが、やむを得ない事情に直面するのではないか。さらなる悲しさが自分を待ち受けてるのではないか。
未来を希望するのが、怖くなった。

そんな絶望を乗り越えたのは、自分の「大好き」の力だった。
自分の、数少ない、もしかしたら唯一断言できるかもしれない長所。
前向きなところ。自分の好きを後悔しないところ。
せつ菜が増幅させてくれた、好きという力のパワー。

これだけ深い絶望に陥っても、優木せつ菜と虹ヶ咲のことを好きになったことに、一度も後悔したことはなかった。出会えて本当に良かった。
せつ菜に出会ってなければこの2年半はこんなに楽しくなかっただろうし、1期12話のあの一言が胸に残り続けて創作活動を始めることはなかっただろうし、彼女についての愛を語る記事を書いてるだけで涙が出てくるほど大好きの気持ちを知ることもなかった。自分は好きなことをやっている時が一番生きている実感を覚えられるタイプだったのだけど、虹ヶ咲について考える時は最高に生きている感じがした。
せつ菜のくれた、情熱という心の炎は、迷いがちな自分の行き先を照らしてくれる篝火なのだ。これがない人生には戻れないし、そんなものは想像もできない。優木せつ菜は、やっぱり自分の人生において"当たり前"の存在なのだから。

もうひとつ。そんなに強い人間ではないので、自分だけの力では乗り越えられなかった。優しい周りの人たちのおかげでもあった。
いつメンと話していても虹ヶ咲の話題を振るのを気をつけてくれてるんだなって感じることが多かったし(本当にご迷惑をおかけしました)当初は気を使ってゲームに誘ってくれる人もいたし、その全てに救われていた。
あと、好き放題自分の好きな作品についてひたすら喋ってるだけなのに、同じ作品を好きな人から感謝の気持ちが届いたこともあって。優木せつ菜の教えてくれた、大好きを叫ぶことで誰かのヒーローになれるのかもしれないという概念が本物だと思えて、少し心が救われた。
オタクすぎて何かあるとしょっちゅうメンヘラになるけども、そのたびに助けられている気がする。本当に毎回ありがとうございます……この場を借りて感謝を述べさせてください……

そんなこんなで、少しずつ心が楽になっていった。
当初はぶっちゃけ新しいキャストなんて受け入れられる気がしないし虹ヶ咲はもう他界するしかないのかも……と絶望していたけど、おかげで少しずつこの考えも変わっていった。
虹ヶ咲の様々な展開に触れたり、1~3月のにじよんのアニメやユニットライブを見たりしているうちに、「同好会のこと、これからも追いかけていたいな」という気持ちがどんどん強くなっていった。当たり前だがこんなに好きになれたからそもそもやめたくなんてないし。
虹ヶ咲というコンテンツは本当に優しくて、この交代までの5ヶ月間という限られた時間の中、可能な限り配慮しながら進めてくれた。
ユニットライブではソロ曲のセトリを他メンバーは4th曲の中で例外として印象的なCHASE!にしてくれたし(現地にはいけなくて悔しかったけど!)、ライブ後夜祭生放送で楠木さんのメッセージを届ける機会を用意してくれたし、にじよんではせつ菜のライブステージや侑(つまり、"あなた"から生まれたキャラ)からの感謝の気持ちといった要素をあくまで自然な形で描いてくれたし、最終日には引き継ぎ動画まで用意してくれた。コンテンツを形作ってくださった全ての人たちには本当に感謝しかない。
いつしか、新キャスト発表日には新しい人が演じるせつ菜の色も楽しみだな、と心から思えるぐらいには落ち着いていた。
だから、今は意外と穏やかな気持ちでこの記事を書いていたりする。

もちろん、不安なことはたくさんある。こちらの拘りが強すぎるだけで、新しいキャストさんに何も責任がないのはもちろん前提として。
違った歌声を聴くのがちょっと怖い。今までのイメージが更新されたらどうしよう、と考えてしまう。
リアルライブ、これからも通うつもりではあるんだけど、新しい優木せつ菜の姿を見て果たして自分の気持ちがどうなるのか予想もつかなくて怖い気持
ちにはなる。
そもそもキャス変後の彼女を愛せるのかなんて、今はわからない。自分の気持ちを断言なんてできたら苦労しない。

でも、嫌な想像ばかりしても、仕方ない。
大好きなアニガサキのセリフに、以下のようなものがある。せつ菜の言葉ではないけど、大切な言葉。

でもね、果林ちゃん。昨日や明日のことで悩んでたら、楽しいイマが過ぎちゃうよ?
そうだね。毎日イマを全力で楽しんでいけば、きっと寂しいだけじゃない未来が来てくれるよ

ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会(第2期) 11話 「過去・未来・イマ」

そうだ。未来のことを悩んでばかりじゃ、今が過ぎ去ってしまう。
昔の自分は、虹ヶ咲を全力で毎日楽しんでいた。おかげで、今日この日を、「寂しいだけじゃない未来」に結果的にすることができた。
だから、この言葉を信じて駆け抜けるしかないのだ。

寂しさも不安も、ある。
けど、今自分の心を満たしているのは、感謝の気持ちだった。
こんなにも忘れがたい、楽しい思い出をくれたことへの感謝。
それを胸に、今はとにかく前に進んでいこうと思う。
なんだかんだ、これまで他のコンテンツでも色々あったけど、どうにか乗り越えてこれた。今回もどうにかなる気がする。前向きなのが取り柄だってさっき言ったしね。

最後に、リアルライブにおいて、一生忘れられないであろう永遠の一瞬についてここに記録しておく。
一年前の大阪での虹ヶ咲4thDay1にて、幸運にも最前から4列目に自分は位置していた。
公式物販でせつ菜の「ヤダ!」というソロ曲をモチーフにしたプラカードのグッズがあったので、次の曲で終わりです!的なMCの時に、これを掲げていた。

その時、複数のキャストさんから指差されて笑ってもらえたし、ちょうどせつ菜Tシャツを着ていたおかげか、楠木さんにも反応をもらえた。
ただそれだけのことだけど、虹ヶ咲を一年半好きで居続けた自分の気持ちが少しでも伝わった気がして、心の底から嬉しかった。
こんな些細なことでも、今思い返すと泣きそうなぐらい嬉しくなる。
たぶん、幸福って、こういうことなんだろう。



楠木ともりさんが演じる優木せつ菜と中川菜々のことが、これまでもこれからも大好きです。
過去のアニメもライブもゲームも何度も見返すし、一生大切にします。
もらったものを胸に、これからも生きていきます。
彼女のようなヒーローに、少しでも近づくために。
自分が見ていたのは5年のうち2年半と半分だけでしたが、長い間彼女を演じてくださって、本当にありがとうございました。

まぶたを閉じれば 何度だって出会える
高鳴る鼓動 信じる未来を ここに宿す
世界が色づいて光りだす瞬間を
君と見たい その心がアンサー

「CHASE!」/ 優木せつ菜(CV:楠木ともり)


始まったのなら、貫くのみです――

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