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青島の日記

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普段書いている日記のうち、出せるものだけ出すところです。
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2021年6月の記事一覧

蜘蛛を潰せない 2021年6月29日の日記

* 彩瀬まるの『あのひとは蜘蛛を潰せない』を読んだ。上手すぎる。過干渉ぎみな母親の「みっ…

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ネタ出しシャッフル再生 2021年6月28日の日記

ストックを掻き集めてお茶を濁すのは今日までになるかと思います。6月、本当に忙しかった。7月…

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クラインの揚げ足 2021年6月23日の日記

ごめんなさい。今日もちょっと忙しいので読んだ本のメモを置いておくことにします。昨日の日記…

ミツバムスビメ 2021年6月22日の日記

小笠英志の『高次元空間を見る方法 次元が増えるとどんな不思議が起こるのか』(ブルーバック…

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寓話圧縮 2021年6月21日の日記

* 寓話圧縮そうして、300字程度の超短編小説を書く際の圧縮率についての疑問に戻ってくる。…

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共感の脱全体性 2021年6月20日の日記

* 昨日の日記で「人間を書けている」という評価について書いたのだけど、なんだか書き足りな…

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「人間を書けている」を解く 2021年6月19日の日記

穂村弘の『野良猫を尊敬した日』と『きっとあの人は眠っているんだよ』を読んだ。たまにエッセイや読書録を読み漁りたくなる時がある。「人間を書けている」を巡る思弁が面白かった。小説という文章は、わかりやすい次元で捉えれば随筆や自伝などと比べて、そこに描き出される対象に少なからず他者性が含まれることになる。言い換えれば、小説は(まさにそれに対するアンチテーゼをしない限り、つまり「私」以外が一切登場しない私小説を書かない限り)構造上必ずどこかで「自分ではないもの」を書かざるを得ないのだ

非公開 2021年6月18日の日記

note版の今日の日記は非公開にします。 シャボン玉 および海 墨流しをやってみたい

少女小説『雨の塔』 2021年6月17日の日記

宮木あや子の『雨の塔』を読んだ。再読。初読時の感想を読み返していると「傍目には煌びやかな…

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バナナ剥きのマスロック 2021年6月16日の日記

* 円城塔の『バナナ剥きには最適の日々』を読んだ。やっぱり面白い。同作者の著書の中では「…

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ぬる~い 2021年6月15日の日記

* 宮木あや子の『官能と少女』を読んだ。宮木あや子、本当に色々書けるな。すごい。『官能と…

死者と言葉を交わすなかれ 2021年6月14日の日記

* 森川智喜の『死者と言葉を交わすなかれ』を読んだ。講談社タイガから出ているミステリ。以…

南下する東風 2021年6月13日の日記

* ふと思ったのだけど、東風ってどうやっても南下できないんですね。同じ風を表す言葉である…

予告映像と暗転 2021年6月12日の日記

* 瀬戸夏子の『はつなつみずうみ分光器 after 2000 現代短歌クロニクル』を読んだ。2000年から2020年に刊行された歌集をひとつひとつ取り上げてその歌集の面白さや短歌シーンに与えた影響などを論じていく一冊。55冊も挙げているとても良い現代短歌のガイドだった。 いくつか収録されているコラムも良い。短歌という表現がこの20年で向き合ってきたものの概観を掴むことができる。木下龍也の『天才による凡人のための短歌教室』では実作をする上で自由に振舞うための方法論がつぶさに