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皺と才能

かつて世界を二つに分裂させる出来事があった。

ある若者が情熱を燃やして言った。

新しさこそ才能であり、才能が全てだ。無限と広がる砂漠の中に金が少し。これだ!これが全てなんだ。

ある老人が皺をくいとあげて落ち着いて言った。

亀の甲より年の功。君たちは何も分かっていない。知識と経験が全てだ。ほらこの皺に書かれてあるだろう。

神様はあえて何もしなかった。いや何も出来なかった。むしろ興奮さえ覚えた。

若者達は常に奇跡を夢見た。
老人達は常に安泰を求めた。

明日を失ってまでも。
            と
明日さえあれば良い。

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